[2023/05/09]
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カーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM®」を高速道路の橋脚工事に初導入
~CO2の110%削減と工程の合理化を同時に実現~
鹿島(社長:天野裕正)は、製造過程で排出されるCO2排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」(シーオーツースイコム)を用いた埋設型枠を、高速道路の橋脚工事に初めて導入しました。これにより、通常排出されるCO2を100%削減し、さらに10%のCO2を吸収しました。橋脚1基あたりの温室効果ガス(CO2)の固定化量は59kgです。
また、埋設型枠※とすることで、CO2削減と同時に、脱枠作業の省略による橋脚工事の工程合理化を実現しました。
※埋設型枠:コンクリート打設後も取り外すことなく構造物の一部として使用される型枠
CO2-SUICOMの概要
具体的には、コンクリートの主原料となるセメントの半分以上を特殊な混和材「γ-C2S」や産業副産物に置き換えることで、セメントの製造時に排出されるCO2を削減します。さらに「炭酸化養生」を行うことで、コンクリートが固まる過程でγ-C2Sが大量のCO2を吸収・固定します。
埋設型枠の使用によるCO2固定量
セメントや骨材などの材料起因による当埋設型枠のCO2排出量は207kg/m3です。この埋設型枠を製造時に炭酸化養生することで、229kg/m3のCO2を吸収させました。これにより、当埋設型枠の実質CO2排出量は▲22kg/m3となりました。
今回、本橋脚に設置した埋設型枠のコンクリート総使用量は2.68m3であるため、CO2総排出量は▲59kgとなりました。
埋設型枠の施工の流れ
以下の(1)~(2)の作業を所定の高さまで繰り返し、埋設型枠設置完了後にコンクリートを打設して、橋脚の埋設型枠箇所が完成します。
(1)埋設型枠を鋼材で連結して大判化
(2)大判化した埋設型枠を所定の位置に建込み、据付
(3)埋設型枠内にコンクリート打込み
なお、埋設型枠はそのまま構造物の一部となるため、脱枠作業なしに次の工程に移ることができます。これにより施工の生産性向上にも貢献しました。
今後の展開
鹿島は今後、建設構造物へのCO2-SUICOMの採用を提案し、脱炭素社会の実現ならびに生産性の向上に貢献していきます。
工事概要
工事名 | : 海老江工区開削トンネル工事 |
工事場所 | : 大阪市福島区海老江8丁目付近 |
発注者 | : 阪神高速道路株式会社 |
施工者 | : 鹿島建設株式会社 |
用途 | : 高速道路 |
工事諸元 | : 開削トンネル/土工・擁壁区間(延長508m),高架橋下部工(13基) |
工期 | : 2019年6月~2024年3月 |
(参考)
環境配慮型コンクリート「CO2-SUICOM®(シーオーツースイコム)
動画で見る鹿島の土木技術 カーボンニュートラル(CN)
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