ドラッカーが情報化社会の到来を予言してからはや半世紀。
コンピュータの普及や情報通信網の発展など革新的なITの進歩は,
我々の仕事や生活に劇的な変化をもたらしてきた。それは建設現場においても例外ではない。
PCやネットワークを活用することで業務が効率化され,よいものをより早く,
より安全につくることを可能にしてきた。
そこに新たな波が訪れている。スマートデバイスの登場である。
高い機能と携帯性を両立させたこの端末は,離散して稼働する建設現場にとっても合理化を
大きく促すものとして期待されている。当社では,施工現場など様々なビジネスシーンでの試行を繰り返してきた。新たな年度に本格的な普及をめざしていく。
ここでは,スマートデバイスを使った施工合理化の例を紹介する。
スマートデバイスとは,スマートフォンやタブレット端末といった携帯性に優れた多機能端末のことである。これらのデバイスは,利用者の直感に訴えかける操作性と,いつでもどこでも必要な情報を扱える点が大きな特徴で,Webサイトの閲覧,ネットワークを通じた通話・通信,アプリケーションを利用した情報管理など多様な用途をもつ。
圧倒的な広がりをみせるスマートデバイスは,建設業界においても注目度を増し,その普及が本格化してきている。当社では,生産性向上を目的に昨年4月からスマートデバイスの導入が始まり,現場での図面閲覧や作業間連絡調整会議,配筋・仕上げ検査,社内外との情報共有などで効率的に業務を遂行することができるようになった。同時に,より安全にスマートデバイスを使うために,情報セキュリティ対策の強化やデバイスの選定,利用ルールの策定などを進めている。これまでに約500台のスマートデバイスを導入しており,その後の検証で生産性の向上を確認している。
厳格な品質管理と短工期化,コストの抑制が求められるなか,これらツールの有効性を認識し,いかに活用していくかが重要になってくる。