木材の利活用

NANT仙台南町

杜の都仙台を象徴する
新たなパブリックスペース

「NANT仙台南町」は、鹿島が開発から設計・施工までを一貫して手掛けた高機能賃貸オフィスビルです。南町通と東二番丁通りの結節点に面した、日差しや雨を防ぐことのできるピロティ状の公開空地により、通りの歩行者安全性を向上するとともに、1階店舗や2階オフィスへ直接アプローチでき、にぎわいの創出にも貢献します。ピロティ部の壁、天井は岩手県の社有林を活用したユニークなデザインで全面を仕上げ、木特有の温もりのある素材感と”囲われ感”が合わさることで、親しみやすい空間となっています。 建物の省エネルギー性能向上の取組みに加え、室内の快適性や景観への配慮が評価され、BELS認証の「ZEB Ready」 のほか、CASBEE建築及びスマートウェルネスオフィス認証でSランクを取得しています。

図版:南町通側全景:ピロティ部分の壁・天井を社有林カラマツ材で仕上げた

南町通側全景:ピロティ部分の壁・天井を社有林カラマツ材で仕上げた

図版:洞穴のような特徴的なデザイン

洞穴のような特徴的なデザイン

図版:交差点側全景

交差点側全景

図版:歩道が広がり、安全性が向上した南町通

歩道が広がり、安全性が向上した南町通

図版:街路樹と連続する木外装

街路樹と連続する木外装

施設概要

  • 施設名 NANT仙台南町
  • 所在地 宮城県仙台市青葉区
  • 敷地面積 1,347m2
  • 規模 地上11階/地下1階
  • 用途 事務所、店舗
  • 構造 地上S造(柱:CFT造)、地下RC造、付加制震
  • 竣工 2025(令和7)年6月

森と丸太から考える建築デザイン

NANT仙台南町の公開空地外装材は、森と丸太を活かす取組みのひとつです。岩手県の社有林から切り出されたカラマツを、鹿島東北支店ビルの構造用集成材として使うために製材。通常では原木から集成材を加工する際の歩留まりは3割程度で、余った端材は燃料用チップなどになりますが、より有効に活用するために、製材所(二和木材)・施工会社(立花建設)と共に端材を外装材に加工、ピロティ状公開空地の壁・天井に全面利用しました。
これらの試みにより、原木歩留を大幅に向上しながら、木材利用の幅を広げる新しいデザインが生まれました。

図版:端材利用のフロー図

端材利用のフロー図

図版:部材の数量比から割付を考えるデザインプロセス

部材の数量比から割付を考えるデザインプロセス

図版:端材の特徴を活かした外装ディテール

端材の特徴を活かした外装ディテール

東北でつくり東北でつかう

NANT仙台南町の木外装は、社有林である岩手県中津川山林産出材をつかい、丸太の伐採から製材、表面加工、施工までのすべての工程を、宮城、岩手、青森の東北三県で完結させています。さらに壁下地のスギ材や天井下地ベニヤ材についても、岩手県産材を使用しています。
今回構築した供給体制を今後の木材活用につなげ、 東北地方の木産業をさらに活性化させたいと考えています。

図版:地図
図版:岩手県中津川山林

岩手県中津川山林

図版:製材後の端材

製材後の端材

図版:木工事関係者のみなさん

木工事関係者のみなさん

図版:宮城県の登米ヒノキを使用したベンチ

宮城県の登米ヒノキを使用したベンチ

森林をつなぐ
鹿島グループの取組み

GREEN KAJIMA

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