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造成技術

施工環境・安全

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環境保全

施工環境・安全

車両運行管理システム
「スマートG-Safe®

工事用車両のリアルタイム運行管理と出来高管理の
自動化・運行計画の最適化を実現

車両運行管理システム「スマートG-Safe」は、ダンプトラック等の工事用車両にスマートフォンもしくはタブレットPCを設置し、走行中の車両の安全管理・運行管理をリアルタイムに行うシステムです。

速度監視・警告、走行中の注意喚起といった安全管理に加え、車両の位置・到着時間の把握や、運行管理者と運転手の双方向通信などが可能なシステムです。加えて、狭隘な道路におけるすれ違い管理、出来高管理の自動化、運行実績データの見える化・分析による運行計画の最適化など、現場のニーズに合わせた機能向上と応用により、工事用車両の安全な運行と作業効率の向上を実現します。

特許登録済
NETIS KT-230198-A

図版:車載スマートフォンと音声警告イメージ

車載スマートフォンと音声警告イメージ

図版:システム概念図

システム概念図

キーワード
車両、運行管理、安全管理、出来高管理、GNSS、GPS、見える化、最適化
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基本機能

速度監視・注意喚起

GNSSによってリアルタイムに速度を計測・監視し、区間ごとに予め設定した制限速度を超過すると運転手へ音声警告するとともに現場管理者にメールが自動送信されます。また、システムの地図上で設定した走行注意箇所を車両が通過すると、音声メッセージで注意喚起を行うことができます。音声メッセージには主に以下の種類のものが標準として用意されているほか、オリジナルに作成する事もできます。

  • 速度制限指示(法定速度以外での設定も可能)
  • 走行注意箇所(通学路指定等の注意喚起)
  • 通行ルート案内(現場への指定ルートを指示)

リアルタイムでの車両位置の確認と運転手との双方向通信による緊密な連携

工事車両の位置をGNSSにより把握し、車両の現在位置を現場事務所の運行管理画面および車載端末の地図上にリアルタイムに表示できます。また、運行管理画面から送信した任意のメッセージを車載端末で音声によって運転手に伝えることができるとともに、運転手は積込開始・完了、輸送開始・完了といった作業情報入力や緊急連絡を画面タッチで行うことができます。

運行管理者と運転手との双方向通信を可能とすることで、運行状況や道路・交通状況をいち早く把握し、作業の効率化と安全性向上を実現します。

図版:運行管理イメージ

運行管理イメージ

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特長・メリットココがポイント

狭隘区間で対向する工事車両のすれ違いを管理

「スマートG-Safe」では、運行管理画面と車載端末の両方に全車両の位置情報を更新間隔5秒で表示しています。対向する車両同士の位置をタイムラグ無く把握できるため、安全なすれ違い管理が可能となっています。積載物の有無判別(実車・空車)と仮想ゲート位置の工夫により、実車優先の管理ができます。

図版:狭隘区間でのすれ違い管理イメージ

狭隘区間でのすれ違い管理イメージ

積載物の管理と出来高管理を実現

何を、いつ、どこから、どこへ、どのくらい運搬したかを自動記録し、集計できます。集計されたデータから出来高を迅速かつ確実に管理することが可能となり、運行管理日報も自動作成できます。

図版:運行管理日報イメージ

運行管理日報イメージ

他システムとの連携による管理の効率化

自社開発であるメリットを活かし、他の開発システムとの連携による機能拡張を積極的に進めています。

①「生コン打設管理システム」との連携

従来手入力していた生コン工場からの出荷、現場到着、打設開始、打設完了等の時刻情報を、「スマートG-Safe」の機能を用いて自動記録することを実現し、管理作業の大幅な省力化を図っています。

図版:「生コン打設管理システム」との連携

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②トンネル坑内外のシームレス位置検知の実現

Wi-Fiとビーコン(発信機)によるトンネル坑内の位置検知システムと「スマートG-Safe」を連携させることで、車載端末1台で坑内外の測位方式や画面表示の切替えを自動で行い、各システムの操作や管理を坑内外の境界なくシームレスに行えるようにしています。

トンネル内外シームレス位置検知システム

図版:トンネル坑内外のシームレス位置検知の実現

③道路交通情報VICSとの連携による所要時間予測精度向上

渋滞などの道路交通情報を提供するVICSと連携し、所要時間予測の精度向上に加え、走行可能な複数ルートの所要時間を走行中に随時比較し、最適なルートを選択することが可能です。

図版:道路交通情報VICSとの連携による所要時間予測精度向上

適用実績

図版:横浜環状南線公田笠間トンネル工事

横浜環状南線公田笠間トンネル工事

場所:神奈川県横浜市

工期:2016年4月~2024年3月

発注者:東日本高速道路 関東支社

規模:泥土圧式シールド工 トンネル内径14.19m 施工延長3,448m およびU型擁壁

図版:平成29年度中間貯蔵(大熊1工区)土壌貯蔵施設等工事

平成29年度中間貯蔵(大熊1工区)
土壌貯蔵施設等工事

場所:福島県双葉郡

工期:2017年5月~2021年3月

発注者:環境省

規模:受入・分別施設と土壌貯蔵施設の建設、除去土壌等の輸送・分別処理・貯蔵処理対象物量1,194,900t

図版:大分川ダム建設(一期・二期)工事

大分川ダム建設(一期・二期)工事

場所:大分県大分市

竣工年:2019年11月

発注者:国土交通省九州地方整備局

規模:中央コア型ロックフィルダム 堤高91.6m 堤頂長400m 堤体積387万m3

図版:災害廃棄物処理事業(石巻ブロック)

災害廃棄物処理事業(石巻ブロック)

場所:宮城県石巻市

工期:2011年9月~2014年9月

発注者:宮城県

規模:処理量 災害廃棄物232万t 津波堆積物71万t 合計303万t 対象区域(石巻市、東松島市、女川町)

学会論文発表実績

  • 「工事車両運行実績データの見える化・分析・活用方法」,土木学会,第74回年次学術講演会,2019年9月
  • 「車両運行管理システムによる運転支援と車両・輸送物のリアルタイム管理」,土木学会,第72回年次学術講演会,2017年9月
  • 「車両運行管理システムによるトレーサビリティ確保とすれ違い管理の実現」,土木学会,第71回年次学術講演会,2016年9月
  • 「車両運行管理システムによる輸送・出来高管理の実現と安全性向上」,平成27年度建設施工と建設機械シンポジウム論文集・梗概集,2015年12月
  • 「タブレット型GPS端末を利用した車両運行管理システム『スマートG-SAFE』の開発と適用」,土木学会,第68回年次学術講演会,2013年9月

重機周り作業員検知システム
「アラウンドウォッチャー®

重機と人との接触事故防止を目指したシステム

建設工事では、重機オペレータの死角に作業員が接近する可能性が高く、重機稼働時に重機と作業員が接触して事故を引き起こす恐れがあります。

これまでも重機と作業員の接触事故防止対策としては電波や超音波を利用したものがありましたが、乱反射による誤検知や、受信機と作業員の間に他の重機や機械が入った場合の検知漏れなどの問題があり、トンネルなどの狭い作業空間では十分に機能を果たすことは困難でした。これらの問題を解決するため、磁界を利用したICタグ方式を採用し、魚眼カメラ監視システムを組合せることにより、重機周辺の作業員の接近を適確に把握することを可能とした「アラウンドウォッチャー」を開発しました。

特許出願中

図版:狭隘なトンネル現場でのシステム稼働状況

狭隘なトンネル現場でのシステム稼働状況

キーワード
重機接触事故防止、ICタグ、魚眼カメラ監視システム、安全管理、RF-ID、安全装置

システム動作フローと構成主要機器

①ICタグを身に着けた作業員が、重機に搭載した磁界発生装置から発せられる磁界内に侵入すると、ICタグから氏名、所属、IDナンバーなどの「タグ情報」と侵入した磁界に割り振られた「磁界番号」を発信します。

②タグ情報と磁界番号を、重機に搭載した受信アンテナが受けると警報を発します。

③警報表示は、重機に搭載したパトライトが回転し、オペレータ席モニターに誰が検知されたかを表示します。更にモニターには重機周囲全体の魚眼カメラにより重機周りの映像を表示します。

図版:アラウンドウォッチャー概念図

アラウンドウォッチャー概念図

図版:システム構成主要機器

システム構成主要機器

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特長・メリットココがポイント

磁界発生装置が作業員を識別

  • 検知範囲を磁界で設定し、タグ情報と磁界番号を用いることで、電波や超音波方式のような乱反射による誤検知を防止しています。
  • 自機近傍のみに磁界を限定することができるので、複数の重機が輻輳した環境でも使用できます。
  • 運転手の持つICタグは、警報からは除外されるため、重機オペレータが頻繁に交代する作業環境でも有効に使用できます。
  • 作業員が障害物の陰となる位置に居ても検知できます。

図版:本方式動作範囲

本方式動作範囲

魚眼カメラシステムを併用

  • 重機の周囲360度を常にモニター画面で確認できます。
  • 重機とICタグで検知された作業員の位置関係を容易に確認できます。

図版:モニター表示画面

モニター表示画面

適用実績

図版:新東名高速道路徳定トンネル

新東名高速道路徳定トンネル

場所:愛知県新城市

発注者:中日本高速道路

規模:上り線568m 下り線576m

吸着剤KAT Beads®による
重金属含有土対策工法

汚染土からの重金属の溶出を効果的に低減

自然由来重金属汚染土等を適正に処分するため、受入れ先の基準に適合するように不溶化材を用いた「不溶化工法」を適用する事例が増えています。鹿島の「重金属汚染土の不溶化工法」は、最適な不溶化材を選定し、土質条件に合わせて最適な混合・施工方法、管理方法を適用し、重金属の溶出を効果的に低減します。既に多く現場で実績を積み重ねています。

また、現場において重金属含有土を仮置きする場合の溶出防止用下地材として、あるいは汚染水等の処理に対応できる“高透水性”で“重金属吸着性能の高い”吸着材「KAT Beads®(カットビーズ)」を開発しました。近年では重金属含有土の盛土底部に吸着層を設ける工法も注目されており、KAT Beads(カットビーズ)の適用が可能です。

特許登録済及び特許出願中

図版:KAT beads

KAT Beads

キーワード
土壌汚染、重金属、自然由来、不溶化材、不溶化、吸着材、吸着層工法、KAT Beads 、カットビーズ

特徴

重金属含有土の対策工法は、重金属不溶化材を対象土に混合し、重金属溶出を低減させる「不溶化」対策と現場内で仮盛土時の拡散防止対策として実施されます。

不溶化では、対象土壌により不溶化効果が大きく変わる可能性があるため、事前の室内試験により対象土に最適な不溶化材を選抜し、土質に応じて最適な施工方法を選定することが重要です。鹿島では、事前の調査から室内試験、設計施工、浄化終了モニタリングまで一貫したサービスをご提供します。

仮盛土時拡散防止対策では、近年、対象土の底部に重金属吸着材を層状に施工し、溶出した重金属の周辺への拡散を防止する「吸着層工法」が注目されています。この工法は、対象土の底部にのみ吸着材を施工することから低コストな対策工法として注目されています。

鹿島では、仮盛土時拡散防止対策に適した独自の重金属吸着剤KAT Beads(カットビーズ)を開発しました。KAT Beads(カットビーズ)は、高い透水性を有しながら、高い重金属吸着性能を有する吸着剤であり、対象土から溶出した重金属が周辺へ拡散することを効果的に防止できます。

図版:新規吸着材 KAT beads

新規吸着材 KAT Beads

図版:吸着層工法概念図

吸着層工法概念図

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特長・メリットココがポイント

高い透水性と高い吸着性能

吸着層工法など重金属拡散防止工法に用いられる吸着剤は、高い透水性が必要なため粒状の吸着剤が必要ですが、従来の粒状吸着材は微粉末の吸着材より比表面積が小さいため、吸着性能が大きく劣る課題がありました。これに対して、KAT Beads(カットビーズ)は、比表面積の大きい多孔質の母材に微粉末の吸着剤を添着させることにより、従来の粒状吸着材に比べてはるかに高い吸着性能を実現しました。

図版:KAT Beads断面イメージ

KAT Beads断面イメージ

従来品よりはるかに優れた吸着性能

KAT Beads(カットビーズ)と既存の吸着材A、Bとのヒ素(As(Ⅴ))の吸着性能を単位吸着量(吸着材重量あたりの重金属吸着量)として比較した室内試験結果を示します。KAT Beads(カットビーズ)は従来の吸着材に比べて、単位吸着量が数倍から10倍程度高い、吸着性能に優れた重金属吸着剤です。

図版:KAT Beadsと従来の吸着剤とのヒ素吸着性能比較試験結果

KAT Beadsと従来の吸着剤とのヒ素吸着性能比較試験結果

適用実績

図版:岩古谷トンネル

岩古谷トンネル

場所:愛知県北設楽郡

発注者:愛知県

規模:KAT Beads 6m3

備考:発生土からの重金属拡散防止対策のため、マット化したKAT Beadsを吸着層として施工

学会論文発表実績

  • 「吸着層工法の合理的設計・施工方法検討のための室内試験」,第66回土木学会年次講演会,III,2011年
  • 「吸着層工法における重金属等を対象とした粒状吸着材の吸着特性」,第67回土木学会年次講演会,III,2012年

騒音振動伝搬予測システム

パソコンで簡単に利用できる騒音振動伝搬予測システム

本システムは、工場などから生じる設備騒音や建設現場から生じる工事騒音、地盤振動が周辺環境に及ぼす影響などをパソコン上で事前に高精度に予測して、騒音・振動低減対策に利用するものです。

環境保全対策などを総合的に評価する「総合評価方式」における騒音・振動対策の検討や、現場での対策のチェックなど、設計者や現場担当者などがパソコンとネットワークを活用し簡単に使用できるシステムです。騒音及び振動の低減対策の提案・実施までの期間が大幅に削減できます。

簡易で迅速な対応を行うWeb版と、より詳細な検討を行う精細版から構成されており、ケースにより使い分けて運用しています。

2004年 第41回大会論文 日立ITユーザー会 優秀賞
2006年 第18回技術研究発表会 アーバンインフラ・テクノロジー推進会議 奨励賞(A部門 環境・エネルギー)

図版:本システムの入出力フロー

本システムの入出力フロー

キーワード
総合評価、騒音対策、騒音予測、振動対策、振動予測

本技術の特徴

本システムは現在の運用段階においても実験・現場での実証データとの比較により、予測計算精度を確認しており、良好な結果を得ています。また、様々な機能追加によりユーザーニーズを捉えたバージョンアップを図っています。

これにより当社社内各部署・現場で多くのユーザーが使用するとともに、システムの運用管理部署においては、これらユーザーの支援、高度な解析の実施、技術フォロー等を行っており、お客様のニーズに応える体制をとっています。

図版:工事中における騒音対策事例(対策前)

工事中における騒音対策事例(対策前)

図版:工事中における騒音対策事例(対策後)

工事中における騒音対策事例(対策後)
※防音壁の設置により防音壁外部の騒音が低減している状況

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特長・メリットココがポイント

複雑な形状であっても予測が可能

  • 予測計算に必要な音源、受音点、防音壁、建物、地形などのデータは、簡単に入力することができます。
  • 音を遮る障壁が複数ある場合(多重障壁)でも、回折(音の回り込み)による減衰効果を非常に精度よく計算します。
  • 音源から複数の障壁上を通って、受音点に至る経路を最短で結ぶ音線より、低い障壁による減衰効果も計算できます。
  • 屋外の重機騒音の伝搬予測はもとより、建物内の設備騒音が壁や窓を透過して屋外へ伝搬する予測計算や、屋内音響状態の計算も可能です。

図版:複雑な形状での予測イメージ

複雑な形状での予測イメージ

周辺の地形、地盤を考慮した予測が可能

  • 地形の起伏による影響を考慮した騒音予測にも対応しています。
  • 地盤振動の予測では、地盤の種類による減衰や、地形の起伏を考慮した予測を行います。

図版:地形を考慮した騒音計算事例

地形を考慮した騒音計算事例

予測結果をビジュアルに表現

  • 計算結果はカラーコンターに出力可能です。数値情報の予測結果分析表と組み合わせることによって、防音壁による騒音低減効果、吸音材や遮音材による騒音低減効果を評価し、迅速に設計へフィードバックして、騒音低減対策の詳細検討にも反映できます。

図版:地盤振動計算結果出力事例

地盤振動計算結果出力事例

適用実績

図版:造成

騒音振動伝搬予測システムは、当社の多くの工事で、騒音対策効果の評価などに利用されています。

マイクロECミスト®

新開発の帯電ミストによる浮遊粉じん洗い落とし技術

帯電ミストによる浮遊粉じん除去システム「マイクロECミスト」は、解体工事現場や土工事の現場などで発生する浮遊粉じんを効率的に除去することができます。これまで有効な回収方法が確立されていなかった空気中に浮遊した粉じんを、特殊なノズルで帯電させた水粒子をミスト状に発生させ噴霧することにより、浮遊粉じんを効果的に吸着し洗い落とす技術です。

なお、本システムは弊社の建築・土木現場にて適用中ですが、外販・リース等の予定はありません。

平成30年度土木学会賞 環境賞(Ⅰグループ)

図版:帯電ミストファン概観

帯電ミストファン概観

キーワード
粉じん、浮遊粉じん、ミスト、帯電、ノズル、送風機

帯電ミストとは

帯電ミストは、マイナスの電荷を載せた200ミクロン以下の微細な微粒子群で形成された微噴霧です。帯電ミストは、通常のミストでは除去困難とされていた10ミクロン以下の浮遊粉じんを静電気力により空間で確実にキャッチして落下させることができます。さらに、帯電ミストを粉じん発生源に作用させると、粉じん粒子を覆うように立体的に水が付着して発生源全体をくまなく濡らす効果が確認され、粉じんの発生そのものを抑制する作用も有しています。

帯電というと危険なイメージがありますが、200ミクロン以下の微小な水粒子に静電気が載った状態のミスト噴霧で、人体に影響は全くなく、自然界でも滝などで発生するマイナスイオンと同じです。 本システムは、特殊な帯電ミスト発生ノズルで帯電ミストを発生させ、大型ファンによる気流に乗せて噴射する「帯電ミストファンノズル」の他、ポンプ、水槽、電源等で構成されています。

ノズル部での帯電ミストの生成は、原理的にはインクジェットプリンタのインクの噴出制御に用いられるものと同様の誘導帯電方式ですが、独自開発技術により、1分間に10リットルの帯電ミスト(電荷量約0.5mC/kg)を連続して安定的に噴射することが可能となり、ノズル部で発生した帯電ミストがファンで粉じん空間に向けて送り込まれるという仕組みです。

図版:マイクロECミスト発生装置

マイクロECミスト発生装置

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特長・メリットココがポイント

浮遊粉じんの約4倍を低減

室内試験により、「関東ローム」、「珪砂」、「フライアッシュ」などの微細な浮遊粉じんに対して、帯電なしに対して約4倍の低減効果を確認しました。

図版:室内試験による帯電ありなしの効果確認結果

室内試験による帯電ありなしの効果確認結果

帯電ミストによる浮遊粉じん除去効果

造成現場で発生する浮遊粉じんの除去効果を検証するため、バックホウ作業時に帯電ミストを噴霧し、粉じん濃度をデジタル粉じん計で計測する実験を行いました。

その結果、帯電ミストによる浮遊粉じん除去効果が無帯電ミストに比べて著しく高いことが確認されました。

図版:バックホウ作業における帯電ミスト効果確認実験状況

バックホウ作業における帯電ミスト効果確認実験状況

図版:バックホウ作業時の帯電ミスト効果確認結果

バックホウ作業時の帯電ミスト効果確認結果

適用実績

図版:新東名高速道路牧平

新東名高速道路牧平

場所:愛知県岡崎市

発注者:中日本高速道路

規模:土工153万m3

粉じん飛散防止材
「MAKフォーマー®.20」

生分解性と耐候性(効果持続性)を併せ持つ粉じん飛散防止材

建設工事においては、現場周辺への影響を低減するため、粉じんの飛散を極力防止する対策が必要です。その対策には散水やシート養生などがありますが、それぞれ施工性・確実性等に課題があります。また、従来の粉じん飛散防止材は簡易かつ安価に施工できる一方、非分解性の材料は環境中に長期的に残存すること、生分解性の材料は効果持続性が低いことが課題でした。そこで鹿島は、粉じんの飛散防止効果を確実かつ長期間持続する生分解性の粉じん飛散防止材MAKフォーマー®.20を開発しました。

令和3年度土木学会 環境賞
特許登録済

図版:MAKフォーマー.20(左:A材、右:B材)

MAKフォーマー.20(左:A材、右:B材)

図版:散布状況

散布状況

図版:形成された土壌被膜

形成された土壌被膜

キーワード
粉じん飛散防止、法面侵食防止、生分解、耐候性
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施工ステップ

散布前準備として、散布箇所を整地転圧し(①)、散布用車両に必要機材(作液用タンク他)を搭載します(②)。
次に、作液用タンクでA材とB材の2材と希釈水とを混合攪拌し、800L(平面仕様)になるまで加水します(③)。
散布はポンプとホースを接続し(④)、施工区画に薬液(平面仕様2L/m2)を散布します(⑤)。
土壌被膜の形成を確認し施工完了です(⑥)。

粉じん飛散防止効果は散布直後から認められ、散布翌日には土壌被膜が形成されていることを確認しました。

図版:施工ステップ

施工ステップ

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特長・メリットココがポイント

土壌環境中での良好な生分解性を確認

生分解度を「プラスチック-呼吸計を用いた酸素消費量又は発生した二酸化炭素量の測定による土壌中での好気的究極生分解度の求め方(JISK6955:2006準拠)」により確認しました。実験で得られた生分解速度から、約1年半後に100%生分解すると推定しました。

図版:生分解性試験結果

生分解性試験結果

環境負荷を低減する安全な材料

水生生物に対する高い安全性を「ヒメダカを用いた魚類急性毒性試験(OECD、JIS K 0102:2016準拠)」により確認(LC50が100mg/L 以上=毒性が低い)しました。

※Median Lethal Concentration(半致死濃度)を指し、濃度が高いほど毒性が低い

図版:魚類急性毒性試験結果

魚類急性毒性試験結果
※「GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)における水性環境有害性(急性)区分」より基準値を引用

高い粉じん飛散防止効果

現場適用時に、経時的な粉じん飛散防止効果の確認を行いました。試験の期間と方法は以下の通りで、効果の判断基準は、建設機械の稼働に係る粉じん等の不快感の目安である粉じん飛散量0.6mg/m3未満としました。

散布前試験では基準値を超過していましたが、散布翌日から散布5か月後までの試験期間においては、基準値を大きく下回り、粉じん飛散防止効果が長期間持続することを確認しました。

  • 試験期間:5か月間(7~11月)
  • 試験方法:
    施工場所の中で計測地点を設定し、送風機とデジタル粉じん計を約3m離れた場所に設置。風速5m/sで送風。

図版:経時的な粉じん濃度

経時的な粉じん濃度

図版:散布直後のMAKフォーマー.20

散布直後のMAKフォーマー.20

法面の侵食防止にも効果

土壌被膜が形成されることから、降雨による法面の侵食防止、侵食にともなう濁水発生防止にも効果を発揮します。

生分解性がありながら既製品と同等の価格を実現

これまで両立が難しかった生分解性と耐候性を兼ね備え、かつ、既製品と同等の価格を実現しました。

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適用実績

図版:東京外環自動車道市川中工事

東京外環自動車道市川中工事

場所:千葉県市川市

竣工年:2020年7月

発注者:東日本高速道路

適用規模:散布面積 合計約5,300m2

学会論文発表実績

  • 「耐久性および生分解性を重視した粉じん飛散防止材の検討」,土木学会,第73回年次学術講演会,2018年
  • 「耐候性と生分解性を有する粉じん飛散防止材の一般工事における適用性の評価」,土木学会,第74回年次学術講演会,Ⅵ-1079,2019年
  • 「膜養生材による法面侵食防止効果の検討」,土木学会,第75回年次学術講演会,Ⅵ-986,2020年
  • 「粉じん飛散防止材の散布による降雨時の法面侵食防止効果(査読付き)」,第14回地盤改良シンポジウム論文集,2020年
  • 「膜養生材による実規模法面の長期侵食防止効果の検証」,土木学会,第76回年次学術講演会,Ⅵ-69,2021年

環境配慮型濁水処理凝集剤
「エコフレディ®

環境に優しく、1剤で簡単・迅速に凝集処理できる

建設工事で発生する濁水は、凝集剤による凝集・沈殿処理方法が一般的に採用されています。近年、水域環境への配慮意識が高まっているため、環境負荷の少ない凝集剤の使用が求められつつあります。また、これまで最も多く使用されているPAC・高分子剤による凝集処理には、pH調整等の処理システムが複雑化し、より多くの労力が必要となっています。

そこで鹿島は、水域環境への負荷を低減し、濁水処理のpH調整工程を省くことのできる、天然鉱物ゼオライトを主成分とした粉末凝集剤「エコフレディ®」を開発しました。

※「エコフレディ」はフローリック、新日本工業の登録商標です。

特許出願中
NETIS HK220004-A

図版:濁水のジャーテスト

濁水のジャーテスト

キーワード
濁水処理、凝集剤、環境配慮、ゼオライト、生物安全性評価
改ページ

エコフレディ®の特性

「エコフレディ」の主な原料は、シリカ含有天然鉱物ゼオライトや植物由来成分等を配合した粉末で、様々な分野の水処理に広範囲に使用でき、1剤投入するだけで、迅速な凝集効果を発揮します。また、従来のPAC・高分子剤を用いた凝集処理に比べ、pH調整等の作業がシンプルで簡易な作業工程で処理することができます。

図版:環境配慮型凝集剤「エコフレディ®」

環境配慮型凝集剤「エコフレディ®

図版:処理フローの比較

処理フローの比較

図版:濁水のジャーテスト

濁水のジャーテスト(動画:32秒/音なし)

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特長・メリットココがポイント

凝集性能が優れている

  • 海水・淡水を問わず、懸濁しているシルト粒子を凝集できる。
  • pH4~12の広範囲の濁水を処理できる。
  • フロックの形成が速くて大きく、沈降速度も速い。
  • 濁水懸濁粒子がしっかりとしたフロックに形成され、長時間の攪拌でもフロックが崩壊しにくい。

図版:既存凝集剤に比べてフロックサイズが大きい

既存凝集剤に比べてフロックサイズが大きい

周辺水域の生態や環境への影響が極めて小さい

  • 主成分はシリカ含有天然鉱物ゼオライトや植物由来成分等のため、環境への影響が小さい。
  • JISK0102ヒメダカ急性毒性試験における96時間暴露の半数致死濃度が10,000mg/ℓ以上と推測されたため、生態系への影響が小さい。
  • 通常添加濃度の50倍以上の添加による淡水ヌマエビ・海水魚マダイの96時間暴露試験にも影響はなかったことを確認した(自社テスト)。

図版:暴露試験に用いたマダイ稚魚

暴露試験に用いたマダイ稚魚

1剤で簡単処理、特殊な機器は必要なし

  • 粉体投入機を用いて1剤を簡単に取扱うことができる。
  • ノッチタンク、水中ポンプまたはコンプレッサー曝気による攪拌で凝集処理できる。
  • 2,000NTU濁水1m3に対して約200gのエコフレディ投入で凝集処理できる。

※濁度NTU:浮遊懸濁物質SS(mg/ℓ)の比は1:0.3~0.8

図版:粉体投入機による現場濁水処理状況

粉体投入機による現場濁水処理状況

学会論文発表実績

  • 「環配慮型濁水処理凝集剤の開発」,土木学会,第75回年次学術講演会,2020年

造成技術 インデックス

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