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アポロカッター®工法
「APORO-CUTTER工法」

多様なトンネル断面を掘削するシールド掘進機

地下鉄や地下通路工事では、横方向に一定の広がりをもった空間を効率的に掘削するために、矩形断面のシールドトンネルのニーズがあります。また、都市部における大深度法の適用に伴い、硬質な地盤の掘削に対応できるシールド掘進機のニーズも増加する傾向にあります。これらのニーズに応えるために、アポロカッター工法を開発するに至りました。

※アポロカッター工法/APORO-CUTTER工法
All[あらゆる] Potential[可能性を秘めた] Rotary[回転式] Cutter[カッター])

特許登録済及び特許出願中

図版:アポロカッター工法シールド機

アポロカッター工法シールド機

キーワード
自由断面掘削、非開削工法、泥土圧式掘削機
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アポロカッター工法の概要

アポロカッター工法は、多様な断面を掘削でき、硬質地盤において優れた切削性を発揮する新しい発想のシールド掘進機です。

掘削機構は、密閉型シールド掘進機先端部のカッターヘッド、揺動フレーム、公転ドラムの3点で構成されます。カッターヘッドが回転(自転)しながら揺動フレームと公転ドラムにより公転します。揺動フレームを動かすことによって、カッターヘッドの公転半径を変えることが可能となり、任意の断面を掘削できます。通常のシールド掘進機がカッターヘッドの1軸回転機構であるのに対して、本工法は3軸の回転を制御して全断面を掘削します。小径のカッターを使用するため高速回転(自転)することが可能であり、硬質地盤に対しても高い適用性を持っています。

図版:カッター配置

カッター配置

図版:カッターヘッド公転軌跡

カッターヘッド公転軌跡

図版:軸制御の掘削概念図

軸制御の掘削概念図

図版:アポロカッター

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特長・メリットココがポイント

円形・矩形・馬蹄形などの自由断面を掘削

  • 矩形をはじめとする任意の断面を掘削することができ、非円形・円形どちらにも適用可能です。
  • カッター機構は高性能なカッター位置制御機構を持っており、精度の高い掘削断面を確保します。

図版:アポロカッター工法適用例

アポロカッター工法適用例

硬質地盤や地中障害物切削に威力を発揮

  • 従来の大断面シールドに比べて、カッター部分が小さく、高速で回転するため、硬質な地盤においても良好な切削性を発揮し、掘進速度の向上が見込めます。これにより、土丹・改良土等硬質な地盤と松杭等の地中障害物切削への高い適用性を持っています。

図版:硬質地盤掘削性能確認実験状況

硬質地盤掘削性能確認実験状況

カッター機構部のリユースが可能

  • カッターヘッド、揺動フレーム、公転ドラムからなるカッター機構部は、断面形状が異なるトンネルの掘削装置への転用が可能になるため、転用によるコスト縮減や環境負荷の低減が可能です。
  • ベアリング機構が従来のものより小さいために、新規に製作する場合でも納期が短く、工期短縮が期待できます。

図版:断面形状の異なるトンネルに転用可能

断面形状の異なるトンネルに転用可能

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適用実績

図版:西大阪延伸のうち出入口

西大阪延伸線のうち出入口

場所:大阪府大阪市

竣工年:2009年9月

発注者:西大阪高速鉄道

トンネル諸元:トンネル外寸 
幅4.42m×高さ4.76m 掘削距離L68.4m 
用途 地下通路

図版:東横線渋谷~代官山間地下化

東横線渋谷~代官山間地下化

場所:東京都渋谷区

発注者:東京急行電鉄

トンネル諸元:トンネル外寸 
幅10.64m×高さ7.44m 掘削距離L577.0m 
用途 鉄道トンネル

図版:常磐工区開削トンネル工事

常磐工区開削トンネル工事

場所:大阪府大阪市

竣工年:2020年3月(予定)

発注者:阪神高速道路

トンネル諸元:トンネル外寸 
幅8.5m×高さ8.1m 掘進距離L225m 
用途 道路トンネル

学会論文発表実績

  • 「地下通路工事における短形シールド工法(アポロカッター工法)の導入」,土木工学会第63回年次学術講演会,2008年
  • 「矩形シールド工法による小土被り発進、既設土留め壁近接並走掘進の実績」,土木学会トンネル工学報告集,第27巻,Ⅱ-P,2017年11月
  • 「矩形シールド工法による高速道路ランプ部の施工実績」,建設機械施工Vol.70,No.1,2018年1月
  • 「高速道路ランプ部における非開削工法の施工実績」,土木学会第73回年次学術講演会,2018年

R-SWING®工法

非開削矩形アンダーパス工事に特化した泥土圧式掘削機

この工法は周辺環境への影響を最小限に留めながら、都市部の立体交差などのトンネルを非開削で構築するものです。

掘削機上部に可動式の屋根(ルーフ)を持つユニークな機構で、そのルーフが地山を先行掘削することにより地盤沈下の防止や、不測の埋設物などの先進探査を行いながら掘削します。掘削するスポーク状のカッターがワイパーのように揺動する方式を採用し、矩形で掘削を行います。

アンダーパス工事に特化して、簡素化したマシン仕様・性能にしたことと、1現場のみならず複数現場への転用を考慮した構造としたことでマシンコストを大幅に削減することが可能です。

平成29年度日本建設機械施工大賞 大賞部門優秀賞
平成28年度建設施工と建設機械シンポジウム 優秀論文賞
第17回国土技術開発賞 入賞
特許登録済及び特許出願中
商標登録 5336635

図版:R-SWINGマシン全景(ルーフ張出し状況)

R-SWINGマシン全景(ルーフ張出し状況)

キーワード
アンダーパス、非開削工法、泥土圧式掘削機、矩形トンネル、揺動カッター
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R-SWINGマシンの適用条件と基本構造

適用地盤条件と寸法

アンダーパス工事は比較的深度の浅い場所が多いため、以下のように適用地盤条件を設定しました。

  • 適用地盤:N値20程度の粘性土・砂層
  • 土被り:3~10m程度
  • 地下水:0.1MPa程度

また、寸法は、地下連絡通路から2車線道路トンネルでの適用を考えて以下になります。

  • 形状:偏平矩形(四角形)
  • 幅:最小4.6~最大9.2m
  • 高さ:最小3.6~最大9.0m

R-SWINGマシンの基本構造

左図は基本型のR-SWINGマシンの図です。前後に1.5m伸縮する高さ0.9mのルーフマシンを上部に、下部に基本高さ2.7mの本体マシンを配置しています。掘削はワイパーのように左右に振れる揺動カッター方式を採用し、揺動する際に後方に掛かる反力を打ち消すためにルーフマシン、本体マシンともに幅2.3mのマシンを左右2基配置しています。また、ルーフマシン、本体マシン後方には姿勢制御を目的とした中折れ機構を装備した函体受座があります。

ルーフマシン、本体マシンとも必要に応じ上下左右に結合することが出来る構造になっており、右図のような大断面にも適用可能となっています。

図版:R-SWINGユニット

R-SWINGユニット

図版:R-SWINGユニット拡幅例

R-SWINGユニット拡幅例

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特長・メリットココがポイント

マシンのユニット化

マシンは1つのユニットの幅を2.3mとして、トラックでの運搬を考慮したサイズとなっています。

全てのユニット間をボルトでの結合としたことで、溶接作業が発生せず作業環境に優しい上に組立・解体作業期間の短縮に寄与しています。

また、ユニット内の揺動カッターなどの可動する部位もボルトやピン締結にして取り外せる構造としたことで使用後のメンテナンスが容易になりました。

図版:各ユニットのボルト締結

各ユニットのボルト締結

汎用性の高さ

一般的に矩形トンネルの場合、その用途によっては似たような大きさにはなるものの、現場ごとに微妙に幅・高さが異なります。推進機やシールド機は殆ど単品生産になっているという問題を解消するためR-SWINGマシンでは、基本型マシンにスペーサーなどを挟み込むことで寸法調整を容易にできる機構としました。基本型マシンの汎用性を高めたことで、転用可能となりマシン費の大幅削減効果が見込めます。

図版:高さ微調整方法

高さ微調整方法

地盤変状抑制と前方探査機構

先行掘進のために設けられたルーフマシンが直上の地盤沈下および隆起抑制に寄与するだけでなく、埋設物などの探査機能としても活用でき、より安全に掘進することが可能となります。

工法・セグメントの適応性

マシン前方はそのままで、後方の函体受座を変更することで推進工法からシールド工法への対応ができます。また、鋼製セグメント、RCセグメント、合成セグメントにも適用でき、あらゆる現場状況にも対応が可能です。

図版:推進・シールド工法の適用イメージ

推進・シールド工法の適用イメージ

地上発進・地上到達技術の組合せ

今まで蓄積した鹿島の地上発進や低土被りでのシールド掘進実績をR-SWING工法にも応用することで、地上発進および地上到達が可能となり、現場のニーズに応じて立坑建造に要する工期・費用を大幅に低減することができます。

図版:地上発進・地上到達イメージ

地上発進・地上到達イメージ

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適用実績

図版:新御茶ノ水駅連絡出入口

新御茶ノ水駅連絡出入口

場所:東京都千代田区

竣工年:2013年5月

発注者:三井住友海上火災保険

監理者:東京地下鉄(請願工事)

トンネル諸元:トンネル外寸 
幅4.85m×高さ3.6m 掘削距離L26.5m 
掘削土層 細砂礫混じり砂層 
用途 地下通路

図版:日比谷連絡通路土木工事

日比谷連絡通路土木工事

場所:東京都千代田区

竣工年:2018年1月

事業者:三井不動産

発注者:東京地下鉄

トンネル諸元:トンネル外寸 
幅7.3m×高さ4.3m 掘進距離L42m 
掘削土層 粘土質シルト、粘土 
用途 地下通路

学会論文発表実績

  • 「R-SWING工法による短形断面トンネルの施工実績」,第71回都市施工体験発表会,2012年
  • 「短形アンダーパス『R-SWING工法』の施工実績」,土木学会第67回年次学術講演会,2012年
  • 「3連揺動型掘削機による地下通路の施工実績」,平成28年度建設施工と建設機械シンポジウム,日本建設機械化協会
  • 「都市部の地下連絡通路を矩形推進で施工した事例(東京ミッドタウン日比谷)」,基礎工2019年4月号
  • 「R-SWING工法と六面鋼殻合成セグメントを採用した地下連絡通路工事の実績 ─新日比谷地下通路工事報告(その4)」,土木学会第72回年次学術講演会,2017年

SENS

北海道新幹線津軽蓬田トンネルにてSENS適用

津軽蓬田トンネルは、北海道新幹線新青森・新函館(仮称)間の青森県東津軽郡蓬田村から外ヶ浜町に至る延長6,190mシールド外径11.3m の大断面トンネルです。本トンネルの地質は、未固結な砂を主体としており、土砂崩壊や流砂による切羽の不安定化が予想されました。そのため、安全性、施工性および経済性に優れたSENS(シールドを用いた場所打ち支保システム)による機械化施工が採用されました。

津軽蓬田トンネルは、2009 年11 月から掘進を開始しました。1ヶ月の掘進速度は最大367.5mを記録し、6,000m以上の長大トンネルを35 ヶ月というスピードで到達しました。そして、SENS では日本初となる地上発進・地上到達を成功させました。

特許出願中

図版:地上到達の様子

地上到達の様子

キーワード
SENS、地上発進、地上到達、場所打ち支保システム、高速掘進

SENSとは

SENS とは、シールド工法の安定性と施工性、NATM の経済性を併せ持った工法です。密閉型のシールドマシンにより切羽の安定性を図りながら掘進を進め、並行してマシンのテール部で一次覆工となる場所打ちコンクリートを打設、一次支保材として地山を保持しながらトンネルを構築します。一次覆工の安定を計測により確認したのち、NATM と同様に、漏水処理工と二次覆工を施工してトンネルを完成させます。

シールド工法と比較して、セグメントが不要となるためコストを低減することができますが、場所打ちコンクリートにて一次覆工を行うため、高度な施工管理が要求されます。工期的にはNATMの倍以上のスピードで施工することができます。

図版:SENS設備配置図

SENS設備配置図

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特長・メリットココがポイント

国内初となる大断面シールドマシンの地上発進・地上到達

同トンネル工事では、大断面シールドマシンとして国内初となる小土被り(5m、掘削外径比0.4D)の地上発進・地上到達を行いました。

地上発進・地上到達工法は、立坑や開削などに必要とされる施工ヤードを最小限におさえることができるほか、工期短縮、コストダウンが可能です。

図版:地上発進の状況

地上発進の状況

含水未固結地山での高速掘進

NATMでは、掘削面が解放されているため、含水未固結地山では安定して掘削ができません。SENSでは、シールドマシンで掘削面を安定させて機械掘削できるため、高速での掘進が可能となります。このため、NATMに比べ、2倍以上の掘進速度で掘削が可能です。

  • 1ヶ月間の最大の掘進速度367.5m
  • 平均掘進速度190m/月

図版:施工概念図

施工概念図

コスト縮減

シールド工法と比較して、セグメントが不要となるためコストを縮減できます。また、NATMでは掘削面を安定させる補助工法が必要となるため、ほぼ同程度のコストとなります。

  • シールド工法よりも安価
  • NATMと同程度で工期短縮が可能

適用実績

図版:津軽蓬田トンネル

津軽蓬田トンネル

場所:青森県東津軽郡

発注者:鉄道建設・運輸施設整備支援機構

規模:シールド外径11.3m 延長6,190m

学会論文発表実績

  • 「シールドを用いた場所打ち支保システムにおける一次覆工コンクリートの打設を模擬した大型実験」,土木学会第22回トンネル工学研究発表会,2012年

ダブルジャッキ式同時掘進工法

掘進と組立を同時におこなうことにより工期短縮、コスト縮減

一般のシールド工法では、掘進作業とセグメント組立作業は、並行作業とすることができず、サイクルタイム短縮の障害になります。そこで鹿島では、掘進専用のジャッキとセグメント組立専用のジャッキの2種類のジャッキを装備することで、掘進とセグメント組立を同時に行うことができる、「ダブルジャッキ式同時掘進工法」を開発し、シールド工法における工期短縮、コスト縮減を実現しました。

本工法では、シールド機本体の内部に前後にスライドする内胴を装備し、内胴から前方に伸びる掘進ジャッキと後方に伸びるセグメント組立用のジャッキを同一円周上に交互に装備し、内胴を反力に掘進を行いながら、内胴の後方でセグメント組立を行うことができます。

図版:ダブルジャッキ式同時掘進工法適用シールド機

ダブルジャッキ式同時掘進工法適用シールド機

キーワード
同時掘進、ダブルジャッキ、工期短縮

施工手順

本工法の施工手順は、掘削時間とセグメント組立時間の組合せおよび内胴の盛替え時期により多様に変化します。ここでは、掘削作業とセグメント組立作業が、同時に終了する場合の基本的な施工手順概要図を示します。

  • 1. 掘進ジャッキを縮め、組立ジャッキを伸ばすことで内胴をスライド範囲前端に位置させます。
  • 2. 掘削は、掘進ジャッキを全数使用しシールドを前に押出し、カッターディスクを回転させ地山を切削して前進させます。セグメント組立は、組立ジャッキを伸縮させ内胴に支持されたエレクタを使用して行います。
  • 3. 次リングセグメントの組立スペースを確保するため、掘進ジャッキを縮め組立ジャッキを伸ばし内胴を前に盛替えます。この時、切羽圧力低下やシールド機のバッキングを防止するため、掘進ジャッキと組立ジャッキの伸縮を同期します。

図版:ダブルジャッキ式同時掘進シールド機

ダブルジャッキ式同時掘進シールド機

図版:掘進・組立フロー

掘進・組立フロー

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特長・メリットココがポイント

二重構造方式

シールド機は外胴と内胴との二重構造であり、主要構造がシールド本体内部にあるため、複雑な止水構造がなく、一般のシールドと同様に内胴部の環境を良好に保つことができます。

  • 不具合発生時においても内胴部を構成する部品交換が可能で、長距離施工も高い信頼性があります。

図版:内部イメージ図

内部イメージ図

二種類の専用ジャッキを装備

  • 二種類の専用ジャッキを装備しているため、掘削作業とセグメント組立作業を同時に行うことにより高速施工が可能です。
  • 掘進ジャッキの全数を使用するので、ジャッキに供給する油圧は、全て同じ圧力で供給します。これにより、掘進ジャッキの偏芯モーメントを低減できます。

図版:掘進ジャッキと組立ジャッキ

掘進ジャッキと組立ジャッキ

作業エリアが分離独立

  • 内胴前方の掘進ジャッキ装備部を掘進エリア、内胴後方の組立ジャッキ装備部を組立エリアとに分離独立しています。通常内胴はセグメントに対して静止しており、組立作業は一般のシールドと同様に作業ができ、安全性が確保できます。
  • セグメント組立は組立ジャッキの複雑な動作パターン選択を自動化したことと、多様な内胴の盛替えパターンを網羅したことで、掘削時間とセグメント組立時間の変化に対応できます。

図版:掘進エリアと組立エリア

掘進エリアと組立エリア

適用実績

図版:多摩丘陵幹線

多摩丘陵幹線

場所:東京都八王子市~町田市

竣工年:2004年8月

発注者:東京都水道局

規模:シールド外径Φ2,486mm 
仕上り内径Φ2,150mm 延長1,220m

学会論文発表実績

  • 「同時掘進シールド工法の開発(その1)~ダブルジャッキ式同時掘進シールド機の開発~」,土木学会第59回年次学術講演会,2004年
  • 「ダブルジャッキ式同時掘進工法の開発」,土木学会第60回年次学術講演会,2005年

メカニカルドッキング工法
「A-DKT工法」

地盤改良が不要なシールド機の機械式地中接合工法

シールド機地中接合の従来工法として、到達立坑を設け、立坑内で接続する方法と接合地点で地上から地盤改良を行い接合する方法がありますが、地上部の制約や海底下で立坑築造や地盤改良が施工できない場合があります。また、シールド機内から地盤改良は施工スペースや改良範囲に問題があり、立坑や地盤改良が不要なシールド機の地中接合方法の確立が必要になります。

今回のA-DKT地中接合方法は、これらの課題をクリアした立坑や地盤改良が不要なシールド機の機械式地中接合工法です。更に、両シールドが貫入側と受入側の機能を有した構造となっており、両シールドの進捗により地中接合位置も変更可能です。また、貫入側外板に取付けてあるチューブシールを膨らませて止水性を確保します。

図版:地中接合完了状況図

地中接合完了状況図

キーワード
シールド機、機械式地中接合工、貫入側・受入側両対応、チューブシール内蔵、地盤改良不要
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シールド機の機械式地中接合施工手順

接合地点に到達した先着シールド(受入側)のカッタ面版を後退させて、そこに後着シールドを(貫入側)を前進させて、カッタ面版を貫入させることにより、二つのトンネルを接合する方法です。

受入側シールドの内側に取付けてあるチューブシールを膨らませて止水し、土砂と地下水の流入を防止する。さらに止水をより確実にするため、シール部のわずかな間隙に止水剤を注入してから、人力で面版を取り壊して接合します。この方法により、大掛かりな地盤改良をせずに地中接合することができます。

図版:A-DKT工法施工ステップ図

A-DKT工法施工ステップ図

特長・メリットココがポイント

止水性に優れ、工事費も安価

  • 地盤改良・到達立坑が不要です。
  • チューブシールは受入側シールドのフード内面に内蔵されており、掘進中は土砂に接触することがないため、チューブシールの破損の恐れが無く止水性に優れます。
  • 地盤改良や立坑築造に比べ、工事費は安価になります。

図版:チューブシール部詳細図

チューブシール部詳細図

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適用実績

図版:東西連係ガス導管

東西連係ガス導管

場所:千葉県富津市

竣工年:2008年3月

発注者:東京電力

規模:シールド機外径Φ3,620mm 
(泥水加圧式シールド)延長9,030m

図版:江東区森下五丁目地先~亀戸給水所間送水管用トンネル

江東区森下五丁目地先 
~亀戸給水所間送水管用トンネル

場所:東京都江東区

竣工年:2003年3月

発注者:東京都水道局

規模:シールド機外径Φ2,880mm 
(泥水加圧式シールド) 延長1,197m

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