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シリーズ 東日本大震災から5年 東北の春2016 復興への道を築く人たち 復興道路

ひたむきに頑張る被災者に接し復興に貢献したいという強い思いが生れた

三陸沿岸のまちを結ぶ道路建設が急ピッチで進んでいる。早期復興に向けたリーディングプロジェクトに位置付けられた復興道路,三陸沿岸道路である。宮城,岩手,青森の各県の太平洋沿岸を結ぶ,延長359kmの自動車専用道路で,工業や産業,医療,防災,観光など多くの分野へ貢献が期待される。

現在,当社は岩手県で4工事,宮城県で1工事を担っている。その中の一つが岩手県北部の普代村と野田村で,2014年12月に着工した「国道45号 白井地区道路工事」。三陸沿岸道路のうち,延長25kmの野田久慈道路区間内で,トンネル,インターチェンジ,橋梁などを構築する。完成は2018年3月の予定。

写真:橋梁下部工事(野田村)

橋梁下部工事(野田村)

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写真:インターチェンジ構築のための造成工事(普代村)

インターチェンジ構築のための造成工事(普代村)

写真:土岐浩之次長(左)はアルジェリアで故郷の被災を知った。宮嶋亨工事係は学生時代から復興工事に従事したいと考えていた

土岐浩之次長(左)はアルジェリアで故郷の被災を知った。宮嶋亨工事係は学生時代から復興工事に従事したいと考えていた

現場を統括する國谷光弘所長は,この5年間,復旧・復興支援に尽力してきた一人である。「震災時は,福島第一原子力発電所から約25kmの現場にいたので,避難指示により仙台へ避難しました。その後,日本建設業連合会と東北地方整備局合同の災害対策本部にて,被災自治体への資機材調達を担い,陸前高田市や大槌町の仮設庁舎建設から,簡易トイレ,紙オムツなど日用品の手配まで,何でもやってきました。その時に,複雑な思いを持ちながらも,ひたむきに頑張る被災者に接し,復興に貢献したいという強い思いが生まれました。それが今の原動力です」。

写真:國谷光弘所長

國谷光弘所長

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2012年3月から三陸沿岸道路に関わる。復旧・復興を円滑かつスピーディに進めるために導入された事業促進PPPという仕組みの中で,山田宮古工区14kmで発注者と一体となり計画段階からの業務を担当した。民間企業が持つ技術・ノウハウを最大限発揮し,発注期間短縮に貢献している。

白井地区の工事は,工事エリアが離れている上,トンネルや橋梁下部工,道路改良など多岐にわたる工種があることが特徴。ベテランから若手まで25名の職員が,担当エリア毎に現場管理を行っている。「学生時代から東北復興に従事したいと願っていた社員,アルジェリアで故郷の被災を知った社員など,皆が志を持ってこの工事に挑んでくれています。私自身も12年以上,会社人生の約1/3が岩手県勤務で,公私ともにお世話になった岩手のお役に立ちたいという気持ちです。そして地域の暮らしを支え,災害時には避難,救命救急,復旧などに貢献する“命の道”を早期開通させ,沿岸部のまちを結んでいきます」。

図版:三陸沿岸道路と訪れた3現場

三陸沿岸道路と訪れた3現場

※写真:大村拓也

国道45号 白井地区道路工事

場所:
岩手県下閉伊郡普代村第16地割~九戸郡野田村野田秋田~久慈市宇部町第4地割
発注者:
国土交通省東北整備局
施工者:
鹿島
規模:
トンネル工事 延長2,058m,道路改良工事,橋梁下部工事 ほか
工期:
2014年12月~2018年3月

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