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KAJIMAダイジェスト

Interview

“チーム勝5(かちご)”の真のリーダーである――。今回,誌面に登場した4名の社員は声を揃えた。
当社は特定業務代行者として,地権者や近隣への対応,行政への各種申請,現場運営など,
不確定要素が絡む事柄に対峙しながら,様々な局面で解決策を見い出し,事業を推進していかなければならない。
それらが困難に直面した時,最前線に立ち問題解決の道筋をつくってきたのが,
地権者の代表であり再開発組合の理事長を務めている山内榮一郎氏だ。
旗振り役としてプロジェクトを牽引してきた山内理事長にお話を伺った。

写真:勝どき五丁目地区市街地再開発組合 山内 榮一郎理事長

勝どき五丁目地区市街地再開発組合
山内 榮一郎 理事長

1943年,東京都中央区新川生まれ。
会社経営の傍ら,勝どき西町会長,月島防犯協会長など,地域の要職を務めている。

この事業は,環状2号線が地上に整備されることが契機となりました。目の前で高架橋工事が行われ,開通すれば車の往来が激しくなることが予想されたのです。であるならば,いっそ再開発をしようと考えたのです。町内会など地域の仕事をしていた関係もあり,周囲に声をかけ勉強会を立ち上げました。その時に10年で再開発を成し遂げるぞ,と決意しました。周りで行われていた再開発は,20年から30年を要していましたから,冷ややかな目を向ける人もいました。しかし,商売と同様にスピードが大切で,時間をかければ事業性に影響すると直感したのです。また,地権者の高齢化も進んでいたので「何十年もかかると私はいないかも」と口にする人もいました。皆のライフステージが大きく変わる前に,何とか再開発を成功させたいという思いを強く持ったわけです。

鹿島さんとのお付き合いは,事業協力者を選ぶコンペティションからです。5社が参加したのですが,環境配慮を軸としたプレゼンテーションが好評で,投票結果はワンサイドでした。私たちが,なぜ再開発へと踏み切ったのかを良く理解していたからでしょう。その後,随分と無理も言いましたが,その一つひとつに対して,人の話を真摯に聞き,一生懸命に納得いく回答を用意してくれました。例えば,権利変換の時です。各住戸選びは紛糾するので工夫して欲しいと投げかければ,等価であれば何処を選んでも良いという答えが返ってきました。これは満額回答です。地権者専用エリアからしか選べないことが多いと聞くので,様々な社内外の関係者とのタフなネゴシエーションがあったと想像しています。

改ページ

日々,汗をかいてくれている鹿島の担当者が,壁にぶつかることがあれば,何か力になれないかと常に考えてきました。他人事ではなく,私たちの“まちづくり”を早く進めるための環境づくりでもあるからです。こうしたキャッチボールを幾度も繰り返し,信頼関係が築かれていきました。

12月8日,竣工した「KACHIDOKI THE TOWER」を見上げて心の底から思ったのが,鹿島さんにお願いして良かったということです。そして,参加組合員のデベロッパー,コンサルタントなど事業に協力してくれた全ての方々に感謝の言葉を贈ります。

私たちの夢であった“まちづくり”を実現してくれて,ありがとう――。

写真:再開発前の状況

再開発前の状況

写真:「KACHIDOKI THE TOWER」外観

「KACHIDOKI THE TOWER」外観

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