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KAJIMAダイジェスト

リノベーションで高める

街の風景となって愛され続けるホテル,
「おかえりなさい」と迎え入れてくれる常宿――。そこにあり続けてほしい
大切な場所だから,新しい価値を創出して使い継いでいきたい。

写真:ホテルモントレ横浜

ホテルモントレ横浜

さらにハイエンドなリゾートへ ザ・ウィンザーホテル 洞爺リゾート&スパ

2002年開業。洞爺湖を見下ろすポロモイ山頂に位置する「ザ・ウィンザーホテル 洞爺リゾート&スパ」は,サミット(2008年)の開催地となった名門リゾートとして知られる。当社は,サミット開催に伴う施設の更新と,よりハイエンドなリゾートの創出へ向けたスイートルームの増設を,設計・施工で担当した。

ホテル上層階の7~10階部の一部を改修して増設したのが,アンバサダースイートファミーユ(8室)とグランドプレジデンシャルスイート(1室)(2007年7月竣工)。アンバサダースイートファミーユは,従来の一般客室3室を1ユニットとした(面積126~189m2)。リビングの両サイドにマスターベッドルームとコネクティングとしてセカンドベッドルームを配置して,3世代ファミリーの滞在に対応する。

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500m2の広さを誇るグランドプレジデンシャルスイートは,洞爺湖側と内浦湾側の2室を廊下状のホワイエで結ぶ。デリバリースパが可能なトリートメントテラス付きのビュー・バスルーム,ウォークインクロゼットを備えたベッドルーム,ライブラリー・バーのあるリビングやパントリー付きのダイニングで構成された贅沢な一室となっている。

サミット対応では,エントランスの改修,メインロビーのインテリアの更新,洞爺湖サミットメモリアルパークおよび記念撮影用のビューテラスを新設した。エントランス改修では,工期・コスト・気象条件を考慮し,既存エントランスキャノピーの下に門型の架構を組み,そこから新たな天井を吊ることで,大神殿の回廊を想わせる格調高い空間を創り上げた。これらの改修はすべて,ホテルを営業しながら部分的に閉鎖改修する“居ながら改修”で行われた。

写真:カーペットと家具を更新したメインロビー

カーペットと家具を更新したメインロビー

写真:エントランスキャノピー。白と青のLEDを使用し,夜空に星が煌くようなシーンを創出

エントランスキャノピー。白と青のLEDを使用し,夜空に星が煌くようなシーンを創出

写真:グランドプレジデンシャルスイートのベッドルーム

グランドプレジデンシャルスイートのベッドルーム

写真:サミットメモリアルパーク

サミットメモリアルパーク

写真:ビュー・バスルーム

ビュー・バスルーム

ザ・ウィンザーホテル
洞爺リゾート&スパ
(リニューアル)
場所:
北海道虻田郡洞爺湖町清水
発注者:
セコム
設計:
当社建築設計本部,イリア,ランドスケープデザイン
規模:
SRC造 B2,13F 386室 延べ63,806m2
改修内容:
スイートルーム増設,エントランス・内装・外装改修,
洞爺湖サミットメモリアルパーク新設ほか

全体竣工2008年9月竣工(北海道支店施工)

写真:全景

全景

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魅力ある付帯施設で新たな価値を創造 ホテルモントレ横浜

ミナト・ヨコハマを象徴する山下公園沿いに建つホテルモントレ横浜。“ザ・ヨコ”の愛称で親しまれた「ザ・ホテルヨコハマ」の開業から28年,ホテルモントレグループとして生まれ変わり,2007年3月グランドオープンした。当社設計・施工で,耐震改修と設備劣化更新,客室およびプラン変更に伴う内装改修が行われた。

古きよきホテルの伝統を継承しながら,モントレらしいデザインを融合したホテルづくりが特徴。チャペルや宴会場などの付帯施設を重視したプランニングで,ホテルの新たな価値を創造している。山下公園の景観を取り入れた海の見えるチャペルは,LEDを使用したライティングやバージンロードに投影するプロジェクター映像で,セレモニーに様々なサプライズを演出できる。参列席をスタジアム型に配置し,視界を確保したのも特徴だ。「安全なホテルを」とのオーナー理念に基づき行われた耐震改修は,耐震改修促進法の計画認定を受け,耐震壁の増設と一部柱の補強を実施した。新耐震基準を上回る建物として横浜市の「耐震改修済証」を受けている。

写真:山下公園沿いに建つホテルモントレ横浜

山下公園沿いに建つホテルモントレ横浜

ホテルモントレ横浜
(リニューアル)
場所:
横浜市中区山下町6-1
発注者:
マルイト
設計:
当社建築設計本部,イリア
規模:
SRC造 B2,13F 170室
延べ17,231m2
改修内容:
耐震補強,内装改修,設備更新

2007年3月竣工(横浜支店施工)

写真:海側に祭壇を配したチャペル

海側に祭壇を配したチャペル。カーテンの開閉やLEDの色彩,バージンロードに投影するプロジェクター映像によって様々な演出が可能。
第1回インテリアプランニングアワード 優秀賞受賞

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耐震補強に伴うバリューアップ 赤坂エクセルホテル東急(赤坂東急ビル)

1969年に竣工した赤坂東急ビルは,東急のイメージカラーを踏襲する白と淡いピンクのストライプが象徴的な14階建ての複合ビルである。赤坂エクセルホテル東急を核にオフィス・レストラン物販・駐車場などからなり,東京メトロ赤坂見附駅前のランドマークとなっている。

築40年を越えた当ビルを,今後も良質な社会的ストックとして使い続けるために,全館の耐震補強を中心にした改修が必要とされた。当社は建物外観を生かした内部補強による耐震改修と併せて,ホテルマーケティングに対応した客室のバリューアップ・リノベーションを,建物を使用しながらの“居ながら改修”で提案した。複合ビルの大規模な居ながら耐震補強と内装・設備改修は,前例の少ない挑戦だった。

ホテルエリアの耐震改修は,客室間の戸境壁内に補強柱を設置しコンクリートを増打設するとともに,廊下天井内に補強梁を設置した。並行して行われた内装改修では,約15m2の既存シングルルーム3室を2室のモデレートダブルルーム(約22m2)に改修。設備更新も行って快適性と機能性を高めた客室とした。

写真:モデレートダブルルーム

モデレートダブルルーム

写真:改修前の客室

改修前の客室

赤坂東急ビル耐震補強
及び改修工事(リノベーション)
場所:
東京都千代田区永田町2-14-3
発注者:
東急不動産
設計:
当社建築設計本部
ホテル内装:
日建スペースデザイン
規模:
SRC造 B2,14F 487室 延べ45,621m2
改修内容:
耐震補強,内装改修,設備更新

2009年3月竣工(東京建築支店施工)

写真:外観

外観

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Person コミュニケーションは最大の武器

オープン前年の1995年からプロジェクトに携り,現在は,当社開発事業本部から当リゾート東京営業所に出向し,収益向上施策の検討,営業戦略の立案,ホテル運営支援業務を担当しています。

居ながら改修工事は,事前の調査・検討が重要です。ホテルエリアの作業は基本,チェックアウト後の11時から15時まで。明確な工区割りで2フロア毎に施工し,部分竣工していきました。稼働率への影響を最小限に抑えた計画です。それでも,工事が始まってからでなければ分からないことが沢山ありました。例えば,デイユースのお客様の利用を知らず,工事音に驚いたホテルスタッフが飛んで来て,工事を中止したり。軌道に乗るまでは,様々なハプニングがあり,日々作業工程を変更しました。

お客様へのサービスを大切にするホテルスタッフの方々から頂くアドバイスや情報に,非常に助けられました。我々の要望にも,親身になって対応策を検討して下さいました。双方のコミュニケーションが最大の武器となった工事です。着工当初,半年の工期延長が予想されましたが,お陰様で前倒しでの竣工となりました。ホテルスタッフの皆さんと一緒につくりあげたホテルですね。リニューアル工事の醍醐味を味わうことができました。

写真:東京建築支店・リニューアル事業部 岩崎功治 工事課長

東京建築支店・
リニューアル事業部
岩崎功治 工事課長

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