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太陽光発電「陽」 太陽がもたらす新たな価値

図版:太陽光発電「陽」イメージ

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【事業概要】
那須ちふり太陽光発電

場所:
栃木県
那須郡那須町
事業主・施工者:
鹿島
利用面積:
約3ha
発電出力:
約2.0MW
発電開始時期:
2013年内
(予定)

図版:「那須ちふり太陽光発電」完成予想パース

「那須ちふり太陽光発電」完成予想パース

当社初の太陽光発電事業

昨年7月に施行された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は,再生可能エネルギーの普及を支援し,エネルギー自給率向上につながることが期待されている。現在,当社はこの制度を利用した出力1 MW(メガワット)を超える大規模な太陽光発電事業の実施に向けた準備を進めている。この事業は,当社が運営するゴルフ場「那須ちふり湖カントリークラブ」(栃木県那須郡那須町)に隣接する約3haの所有地に,2MWの太陽光発電設備を設置し,発電電力の全量を売電するもの。年間発電量は,約200万kWhで一般家庭約550世帯分を想定している。これまで当社は,様々なエネルギー分野で設計や施工等の実績を積み重ねているが,太陽光発電事業として売電を行うのは初めてとなる。

リゾート資産の有効活用

「もともと太陽光発電事業が念頭にあったわけではありません」と話すのは,事業を主導する開発事業本部事業部の成田裕介次長。今あるリゾート資産を有効活用するため,新たなビジネスを模索していた。社内技術部門へのヒアリングを繰り返す中で,環境本部から利用価値が高いとは言えない土地でも収益事業を行えるヒントをもらった。それが大規模な太陽光発電事業だった。「買取制度のことを聞いた時には,これだと直感しましたね。そして,太陽光発電に関して設計から,調達,施工までのあらゆる業務を経験し,発電量や工事費等採算性を評価するための情報提供もできる。太陽光発電のプロフェッショナル集団が社内にいることを知り,新たな付加価値を創造できると確信しました」

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蓄積された技術・ノウハウを活かす

環境本部からの提案は,これまでの太陽光発電施設の建設で得た技術・ノウハウが遺憾なく発揮されていた。その一つが出力規模。数百メガクラスの太陽光発電事業が報道を賑わす中,出力を2MW程度にすると,特別高圧線等の設備投資を行わずに,近接する電線へ低コストで接続して売電できるという具体的な提案だった。

運営・維持管理(O&M)についても,新たな検討がなされた。クラブハウスのO&Mを担当する当社グループ会社の鹿島建物総合管理を最大限活用する。同社が保有する数多くのO&M機能に加え,太陽光パネルの故障診断や発電状況のモニタリングを遠隔で行うことができる新たな監視システムを導入し,充実したO&M体制を構築する計画だ。

社内プロジェクトを事業に活用

「事業を展開する立場からすると,業務上の実経験を重視します。その点では“現場deソーラープロジェクト”で蓄積したノウハウは大きかったですね」と成田次長は,環境本部が中心となり3年前から進めている社内プロジェクトを評する。建設現場の仮設事務所屋根等に太陽光パネルを取り付け,発生した電力を工事事務所での使用電力の一部に充当し,CO2排出削減を目指す試みで,これまで多くの現場に導入してきた実績がある。単にCO2削減の象徴的な活動というだけでなく,太陽光パネルの耐久性や不具合への対処法等,太陽光発電事業を行う際の“勘どころ”を体現していたことで,戦略的に事業リスクを評価できたという。

図版:開発事業本部事業部・成田裕介次長

開発事業本部事業部・成田裕介次長

図版:全国の現場で行われている“現場deソーラープロジェクト”

全国の現場で行われている“現場deソーラープロジェクト”

トータルソリューションの提供

当社が太陽光発電事業を実施するメリットは,リゾート資産の有効活用以外にもある。事業企画,太陽光パネルの配置計画,電力会社との系統連系協議,運営段階の効率的なメンテナンス手法等についても社内の技術・ノウハウとして蓄積される。これにより,従来から対応してきた設計・調達・施工と合わせて,太陽光発電事業のトータルソリューションの提供を可能にする。

開発事業本部と環境本部の組織横断プロジェクトは,新たな価値を生み出す原動力となり, 今後,顧客が保有する遊休地等を有効利用するための総合的な提案として積極的に活用されていく。

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