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シリーズ 東日本大震災から5年 東北の春2016 東北日記・・・宮城

宮城各地で復興支援業務に携わる社員が,
この5年の想いを綴った。

七ヶ浜の日の入り

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写真:東北支店 気仙沼湾横断橋小々汐JV工事事務所 所長  合樂 将三

東北支店
気仙沼湾横断橋小々汐JV工事事務所

所長 合樂 将三

気仙沼湾はリアス海岸の湾であり,湾内は穏やかな水面が確保されていることもあって,カキやワカメの養殖が行われています。また,日本有数の漁港でもあります。東日本大震災では,地震の被害に加え,津波・火災・地盤沈下によって大きな被害を受けました。私は大津波が町を飲み込み,燃える様子をテレビで目の当たりにし,大自然の驚異に愕然としました。

昨年4月から,三陸沿岸道路の気仙沼湾を跨ぐ横断橋建設工事に従事しています。この道路は震災復興のリーディングプロジェクトであり『復興道路』と位置付けられ,所要時間短縮のほか,災害時の緊急支援物資等の確実な輸送経路確保などの整備効果が期待されています。さらに横断橋は気仙沼の復興のシンボルとしても期待されています。

この意義深い工事に携われるということは,土木技術者としての誇りを感じるとともに,その責任の大きさに身の引き締まる思いです。気仙沼のさらなる復興のためにも,無事故無災害での早期完成を目指して邁進して参ります。

写真:国内最大級の鋼管矢板井筒基礎

国内最大級の鋼管矢板井筒基礎

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写真:東北支店 営業部営業企画グループ(土木) 課長代理 小松 由明

東北支店
営業部営業企画グループ(土木)

課長代理 小松 由明

支店営業部の企画担当として土木案件に関わっていますが,震災復興案件の中で特に思い出深い現場が,「女川町水産加工団地排水処理施設整備等事業」です。水産関連施設から排出される汚水を浄化処理する施設の整備と,施設稼働後20年間の維持管理・運営を行うPFI事業です。それまで,企画担当として稼働中の特定現場に関わることは少なかったのですが,事業主体である特定目的会社(SPC)「フィッシャリーサポートおながわ」の立場で,発注者の女川町や,SPCを構成する企業間の連絡調整などを主に担当しました。

調整役としての十分な働きはなかなかできませんでしたが,女川町,SPC構成各社,そして本社PFI推進部と現場の皆さんの尽力により,超突貫現場ながらも施設は無事竣工しました。現在,施設は維持管理・運営に移行し,再建された水産加工団地の工場群から排水を受入れています。震災前から,日々の食卓や居酒屋でお世話になるだけだった宮城県の水産業に,震災復興という形で微力ながらも関われたことを,大変嬉しく思っています。

写真:完成した施設「フィッシャリーサポートおながわ」

完成した施設「フィッシャリーサポートおながわ」

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写真:東北支店 女川町女川駅北地区災害公営住宅建設工事事務所 松島 歩惟

東北支店
女川町女川駅北地区
災害公営住宅建設工事事務所

松島 歩惟

震災発生時,私は東京にいました。震源地から離れていたにもかかわらず,それまで感じたことのない大きな揺れに驚き,また,テレビで流れる日常からかけ離れた光景に衝撃を受けました。それから3年経って,2014年7月に東北支店へ異動となり,その年の秋に観光で初めて女川町を訪れました。復興が比較的進んでいた石巻市内から女川町に入ると光景が一変しました。見渡す限りの土の山,ところどころに残る,横倒しになったままの建物や,津波に流されず残された基礎だけの家を見て,「3年半経ってもまだまだ復興には至らないのか」と歯がゆさを感じました。その女川町にて昨年12月より,災害公営住宅の建設工事に携わっています。町の造成は進み,中心地には駅や商店街も新たに開かれ,町は再生に向けて活気づいています。当工事はその中心地の一角にあり,完成を待ち望んでいる方達の期待を間近に感じられる,技術者冥利に尽きる現場です。良い建物を造ることで,生まれ変わる女川町の一翼を担えるよう,来年冬の完成に向け,日々努めてまいります。

写真:海を臨むこの場所に災害公営住宅が建設される

海を臨むこの場所に災害公営住宅が建設される

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写真:東北支店 女川原子力発電所防潮堤かさ上げ工事事務所 堀内 一平

東北支店
女川原子力発電所防潮堤
かさ上げ工事事務所

堀内 一平

東日本大震災発生当時,女川原子力発電所には海抜約13mもの津波が押し寄せました。幸い津波による大きな被害はありませんでしたが,震災の教訓を踏まえ,海抜約29mの防潮堤かさ上げをはじめ多数の工事が進められています。

昨年4月に入社した私にとって,初めての勤務地となる当現場では毎日が非常に刺激的です。鹿島社員だけでなく,発注者,職人との関わりを通じ,それぞれの立場で皆様の持つ工事完成にかける強いプライドを実感することができました。また地元の方々との交流を通じ,皆さんに安心をもたらす工事を行わなければならないとの気持ちを新たにしました。

当社の請け負う各工事は非常に重要な工事であると強く認識しております。工事だけでなく事務手続き含め様々な面で細心の注意を常に払う必要がありますが,地元の方を含め多くの方に「万全の対策をしている女川原子力発電所は安心だ」と思っていただけるよう,微力ながらも努力を続けてまいります。

写真:かさ上げの進む防潮堤

かさ上げの進む防潮堤

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写真:東北支店 蒲生北部JV統括事務所 所長  簗瀬 正

東北支店
蒲生北部JV統括事務所

所長 簗瀬 正

仙台のテレビでは震災関連のニュースが忘れることを禁ずるかのように流れ続けています。今,仙台市の東部,蒲生地区約100haにおいて復興土地区画整理事業を担当しています。仙台市が施行する土地区画整理事業の大部分(測量,設計,換地計画,移転補償,造成工事,工事完了後の企業誘致など)を民間が包括的に行う全国初の取組みです。甚大な津波被害にあった当地区は,災害危険区域に指定され,居住を制限する一方で港や高速道路を活かした産業系の土地利用に転換します。昨年8月,造成工事に着手し,4年後の完成に向けて今年度から本格的な工事に入りました。当地区は自然豊かな干潟に隣接し,また伊達政宗の時代に遡る運河(貞山堀)とともに発達した歴史ある集落でした。多くの人々が被災しこの地を去ることを強いられましたが,そうした人々からも再び活気ある地区へという願いが聞こえてきます。ここは今やっと復興のスタートラインに立ったばかりですが,将来の賑やかな企業活動を想像しつつ槌音を響かせていきたいと思います。

写真:河川とその上部直線道路との間が概ねの事業区域

河川とその上部直線道路との間が概ねの事業区域

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