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赤坂地区における鹿島の段階的な変革

step1として,昨年10月に赤坂地区オフィス再配置が完了した(下図参照)。
続くstep2では,既存のKIアトリウムに加えて,新たに赤坂別館食堂の一部をカフェスペースに改良し,
社内連携を図る「Communication Hub」を整備。今後,本社やKTビルでも同様の検討を進める予定だ。
step3では,鹿島全社や外部とのインターフェースとなる「Communication Hub」を計画している。

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図版:step1における社内の部門集約前後の変化

step1における社内の部門集約前後の変化

well-beingな働き方の実現に向けて

「赤坂地区オフィス再配置に関する天野社長の思いを短期間でどのように実現していくか,また,この再配置を単なる引越しだけで終わらせず,いかに新しい働き方への変革へと繋げていくかの二点に注力しました。事務局ではこれをKX-Project(Kajima transformation PJ)と呼んで取り組みました」と赤坂地区オフィス再配置プロジェクトを統括する市橋克典常務執行役員秘書室長は話す。

上図に示すとおり,現在はstep2~3が進行中だが,step1最大の課題は,対象となる約1,600名や什器をスピーディ,かつ,新たな執務空間に改善しながら移転を完遂させること。調整が難航する中,突破口を開いたのは東京建築支店が決断した霞が関ビルへの仮移転だった。事務局長を務める開発事業本部 室橋成忠資産運用部長は「KTビルに空き床ができたことで,改編工事を行った後に移転が可能となる好循環が生まれ,この難題を乗り切ることができました。一度ならず二度までも移転に協力してくれた東京建築支店や移転対象部署の皆さんに感謝しています」と振り返る。

移転を機に,フリーアドレスなどABW型の新しい執務空間を実現した部署からは多くの反響があったという。「『仕事の場所が選べて良い』や『新たな気持ちで仕事ができる』などの好意的な声をたくさん聞くことができました。今回の再配置で時間がなくABWに対応できなかった部署や今後オフィスを改善する部署は,先行部署の良い点などを見てもらい,役立ててほしいと思っています」と室橋部長は語る。

「この移転でハードの環境は変わりましたが,新しい働き方へのソフトの取組みはこれからです。今後は鹿島グループ全員の意識や行動変革が必要となりますので,このKX-Projectを自分ごととして捉え,well-beingな働き方の実現に向けて持続的に取り組んでほしいと考えています」(市橋常務執行役員)。

図版:市橋常務執行役員秘書室長(右)と開発事業本部 室橋資産運用部長(左)

市橋常務執行役員秘書室長(右)と
開発事業本部 室橋資産運用部長(左)

photo: Nacása & Partners

移転の先に

改編工事・移転を終えた一部の部署に感想や今後について話を聞いた。

赤坂別館

建築管理本部
(建築企画部企画・管理グループ 渡辺麻子課長)

4月に運用が始まったばかりですが,工事期間中に経験したフリーアドレスでは想像以上のコミュニケーションを生み,あらゆる可能性を秘めていると感じました。ペーパーレス化や,他部署との協働,様々な職種が集う組織の特性を活かしたイノベーションを生むオフィスになったと考えています。

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photo: Nacása & Partners

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photo: Nacása & Partners

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東京建築支店
(管理部総務グループ 寺島毅課長代理(当時)/現九州支店管理部総務グループ課長代理)

オフィス設計や什器類の選定は,中堅・若手の意見・要望を多く取り入れ,コミュニケーションを強化するスペースや個人が集中して業務を行うスペースなど,若い世代の社員が働きやすい環境になっています。異動や入れ替わりにも柔軟に対応でき,今後その効果がより実感できるのではないかと思います。

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photo: takuya omura

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photo: Nacása & Partners

開発事業本部
(企画管理部総務グループ 富田理恵子課長代理)

オフィスなどの商品企画を含めた開発事業を専門とする部署につき,「想像力/創造力を育む空間」と,変化や更新に対応可能な「間/余白/可変性」を意識した計画を目指しました。今後は,部員達のコミュニケーションから生まれるイノベーティブなアイディア溢れる空間に更新されていくことを期待しています。

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photo: takuya omura

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photo: SHIOYA YOSHIAKI

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KTビル

土木管理本部
(管理部総務・コンプライアンスグループ
清水賢一グループ長)

土木部門が一つのビルに集約されたことにより,土木の一体感やコミュニケーションが向上したと感じています。移転後は,さらに積極的に部署間のコミュニケーションを取ろうとする姿勢が見られるようになりました。業務にもより集中しやすい環境になったと考えています。

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土木部門が集約された省エネオフィスKTビル

KIビル

環境本部
(企画管理室 國井英雄担当部長)

これまでも個人ワークとチームワークを掛け合わせたような働き方をするグループが多かったため,ワークスタイルは維持しながら,オフィス設計ではワークスペースを中心に見直しを図りました。新たなオフィスは,配置に余裕ができ,コミュニケーションも取りやすくなったと思います。

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環境本部はKIビル屋上庭園・
赤坂農園とフラットに繋がる
フロアに入居

photo: Nacása & Partners

新しい働き方への取組み 本社圏ワークスタイル~ワークショップ開催~

中期経営計画のビジョンステートメント実現に加え,長時間労働是正に向けて,業務の質を維持しながらも効率性を重視する働き方への変革が求められている。

今般,赤坂地区の部署再配置とオフィススタイルの見直しを契機に,改めて各部署社員の今後のワークスタイルについて考え方を整理。必要な見直しを行うことが不可欠との認識から,その第一ステップとして,本社圏オフィスで働く社員をターゲットに,新しいワークスタイルを検討するワーキンググループが立ち上げられた。

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ワークショップ形式を取り入れ,当社研修施設(KX-LAB)にて部門横断の多様なメンバーによって検討を実施。ハードとソフト,すなわちオフィススタイルとワークスタイル双方が両輪となり,継続的に改善する仕組みをつくることで,生産性・創造性の向上,競争力強化,選ばれ続ける会社への進化を目指す。

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図版:ワークショップの様子

ワークショップの様子

Kタワーを舞台とした挑戦

赤坂Kタワー5階の一角に,鹿島の新たな拠点が構想されている。全社的部門が執務する空間と社内外に開かれたコラボレーション空間「Communication Hub」が共存する場として計画中だ(上図step3参照)。鹿島が誇る人・技術・文化を活かした「地球課題の解決」を主テーマに,設計部門を含めた入社4~6年目の若手社員が中心となり,自由な発想で検討。ABWの導入や,環境が人のマインド形成や行動変容に寄与する点に着目する。また,Kタワーが本社・KT・KI・赤坂別館などの拠点から徒歩圏内に位置する立地も活かし,これからの新たな空間や共創の在り方に挑戦する。

図版:イメージパース

イメージパース

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現場での新しい働き方

鶴見研修センター新築工事(横浜市鶴見区)では,自社開発設計施工案件のメリットを活かし,新規項目も含めた様々なICTツールを導入。工事事務所にABWを取り入れた新たな働き方として,フリーアドレスや集中ブース,立ち会議用テーブル,ソファ席,昇降デスクなどを採用し,事務所内には現場可視化のためのモニターを7台設置した。中山卓哉所長は,「フリーアドレスや集中ブースの導入により,整理整頓やペーパーレス化が自然と推進され,またICTツールを複数組み合わせることで日々の業務時間を1時間ほど削減することができました。月に換算すると20時間以上の削減効果となり,若手社員は時間外45時間未満を達成できています」と手応えを語る。「現在行っている工事事務所内での行動分析の結果も見つつ,今後も新たな働き方のチャレンジを続け,これが将来の現場のスタンダードとなるよう取り組んでいきたいと考えています」。

図版:中山卓哉所長

中山卓哉所長

photo:takuya omura

図版:スマート工事事務所

スマート工事事務所

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