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AKASAKA KX-Project second phase

2021年からはじまった本社圏(赤坂地区)のオフィス再編計画「AKASAKA KX-Project」。
第1期では土木・建築部門の集約を図り,KTビル,KIビル,Kタワー間の部署移転と
オフィスリニューアル工事が完了した。
そして昨年から第2期として,本社ビルの“変革”計画が始動。
長年培ってきた当社の普遍的価値観を継承しつつ,新たな取組みを有機的に重ね,
鹿島グループのさらなる飛躍を目指す。

well-beingな働き方の実現へ

本社圏のオフィス再編計画「AKASAKA KX-Project」(Kajima transformation PJ)は,オフィス環境の変革とワークスタイルの変革を両輪に進められている(本誌2022年5月号特集で掲載)。

昨年から第2期として本社ビルの再編に取りかかり,赤坂別館に入居していた海外事業本部が本社ビルに移転。並行して各フロアのレイアウト変更工事を段階的に進め,今年8月までに6フロアのリニューアルが完了した。レイアウトデザインはグループ会社のイリアが担当。画一的ではなく,部署ごとの異なる体制や業務性質を勘案し,それに沿った要望が尊重されている。

各部署が新しい働き方への変革を主体的に捉え,well-beingな働き方に向けて取り組んでいる。

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column

進化していく本社のワークスタイルとオフィス環境

イリア ファシリティソリューション部副部長

福間正文

イリアは2007年に竣工した鹿島本社ビルのオフィス設計を建築設計本部とともに担当し,その後約15年間にわたりレイアウト変更に携わってきました。2019年には鹿島グループで初めて自社オフィスへABWを導入し,その時のノウハウを当プロジェクトに活用しています。また設計に先立ち,ワークスタイルについては各部署のベテランから若手まで幅広い世代の鹿島社員にヒアリングを行いました。部署固有の多様な働き方や課題,ビジョンを伺い,オフィス設計を通した解決方法やビジョンへのアプローチ検討などの提案をさせていただきました。

ゾーニングは建築特性や魅力を最大限生かすことを心がけ,窓側からコア側へ「オフィスエリア」「コミュニケーションハブ/カフェエリア」「サポートエリア」を帯状に構成しました。レイアウトおよびデザインのポイントは「コミュニケーション」「コラボレーション」「自律したwell-beingな働き方」の3つに絞り,インテリアデザインや家具,植栽などへ反映しました。

プロジェクトは現在まだ進行中ですが,KX-Projectの実績を標準化した『鹿島オフィス構築スタンダードガイドライン』を作成しました。今後,支店およびグループ会社へこのスタンダードガイドラインをベースに展開することにより,鹿島グループ全体のワークスタイルやオフィス環境がさらに進化していくように,イリアは微力ながら寄与していきたいと考えています。

※Activity Based Workingの略称で,「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方

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8
floor
海外事業本部

多様な働き方にフレキシブルな対応ができるようフリーアドレス制を導入した。デスクのモニターを数タイプ用意し,社員は固定席に縛られず,業務内容に応じて執務場所を選ぶことができる。

ラインや役職を超えた本部内コミュニケーションの活性化とリフレッシュのため,コラボレーションエリアを設置。ハイチェアやソファー席などを置き,ディスプレイにはBBCやBloombergを放映するなど,ビバレッジを飲みながら気軽なコミュニケーションができる場所になっている。また,エレベータホール前には,海外からの来訪者対応も想定した部署の顔となる応接会議室を設置。来客応接に相応しい家具内装とともに,大型ディスプレイによるプレゼンテーション,ミーティングにも対応している。

木目を基調としたオフィス家具を選定し,部署として統一感と落ち着きのあるデザインを採用した。

図版:海外からの来訪者対応も想定した応接会議室

海外からの来訪者対応も想定した応接会議室

photo: Nacása & Partners
図版:EVホール

EVホール

photo: Nacása & Partners
図版:執務エリア

執務エリア

photo: Nacása & Partners
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図版:コラボレーションエリア

コラボレーションエリア

photo: Nacása & Partners
図版:海外現地法人のヘルメットが並ぶ

海外現地法人のヘルメットが並ぶ

photo: takuya omura
Voice

転出入者や出張者の出入りが比較的多い部署ですが,フリーアドレス制の導入により,こうした変化に対応しやくなりました。テレワークも含めて,働きやすい場所・環境を自分で選ぶことができ,社員一人ひとりに,働き方を主体的に選ぼうというマインドが生まれています。フレキシブルで誰にとっても働きやすく,フランクなコミュニケーションから新たな発想が生まれる場になればと思います。

information

社員連絡室

本社ビル再編に伴い,5階にあった社員連絡室は,8階に移動しました。作業用デスクや共用PC,コピー機も用意してありますので,現場や支店から本社ビルを訪れた際の空いた時間などに活用ください。

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photo: Nacása & Partners

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7,6,5
floor
営業本部

営業本部員の働き方の変化を見据えたオフィスづくりを目指した。テーマは,「オープン」と「クローズ」。部内のコミュニケーションの取りやすさを重視しつつも,一方で,機密性の高い情報を守るため,オフィスにオープンとクローズを共存させることを意識した。

具体的には,オンライン会議のさらなる活用を見込み,すべての会議室にオンライン会議が容易に行える機器を配備。部署単位の会議から個別の打合せやランチにも活用できる可変式のコミュニケーションエリアや,災害発生時には報道を視聴しながら打合せや作業が可能なメディアスケープ,集中作業や機密性の高い会話に対応する個室ブースなどを設置した。

図版

photo: Nacása & Partners

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メディアスケープ

photo: Nacása & Partners
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図版

photo: Nacása & Partners
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可変式のコミュニケーションエリア

photo: Nacása & Partners
Voice

本部内での部署間コミュニケーション量が増加したと感じています。部署エリアの境界線をあえて曖昧にしたことで,これまであまり接点が無かった部員同士に何気ない会話が増え,相談しやすい雰囲気が生まれています。外出機会の多い営業本部員にとって,その活動の拠点をストレスレスかつ安心感のある場とすることで,在席時に仲間とコミュニケーションを図りやすくなりました。それが仕事のアイデアにつながり,付加価値の高い発想が生まれる場となることを期待しています。

10
floor
監査部・総務管理本部
(総務部・法務部)

同一フロアに3部署が入居することから,フロア全体の調和・統一感を大事にしながらも,「コミュニケーションが取りやすい環境」「集中できる環境」「働き方のスタイルに応じた柔軟な設計」をコンセプトに,各部署の特性・要望を反映したレイアウトと家具選定を実施した。また,業務上,他部署からの相談を受ける機会が多いため,来訪者が気兼ねなくフロアに立ち入れるような落ち着いた雰囲気をつくり出した。

3部署共有エリアには,ソファタイプの打合せスペースを設置したほか,一部にカラーカーペットを採用し,フロア全体は落ち着いた基調ながらも,遊び心をプラスした。総務部エリアは,有事の際,BCPに迅速に対応できるよう複数の大型TVモニターや可動式デスクを採用したことで,臨時の災害対策本部事務局の立上げを可能にした。

図版:総務部エリアの打合せゾーン

総務部エリアの打合せゾーン

photo: Nacása & Partners
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図版

photo: Nacása & Partners
Voice

10階は8月末にリニューアルが完了しました。従来,それぞれの部署はパーテーションなどで仕切られていましたが,リニューアル後は,開放的な空間となりました。今後は,自部署内のみならず,部署を横断したコミュニケーションの活性化も期待しています。

11
floor
経営企画部
イノベーション推進室
人事部 グループ事業推進部

11階は本社ビルで一番初めにリニューアルを実施し,家具什器の更新や照明LED化に合わせ,コワーキングスペースやカフェスペース,個室ブースの導入など,ABW型の新しい執務空間を実現した。複数部署が同居する環境下であることから,フロア全体のフリーアドレスではなく,グループアドレスを導入。オフィスデザインを一新し,後に続く本社ビルのリニューアルとワークスタイル変革へ機運を醸成した。

図版:コワーキングスペース

コワーキングスペース

photo: Nacása & Partners
Voice

フロアの色合いやデザインが刷新され,部署間を仕切っていたパーテーションを取り払ったことは,社員間の話しやすい雰囲気づくりにつながっていると感じています。部署間共用のカフェスペースやテレキューブなども特段ルールを設けずに運用していますが,みなさん柔軟に利用し,新オフィスの運用開始から1年以上が経った今もきれいに保たれています。

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グループアドレス導入を機に固定電話・紙・固定席がなくなったことは,個々の働き方をより自由にしました。テレワークなどのワークスタイルと併せてオフィススタイルを見直していくことが,well-beingな働き方の実現につながると思います。

5
floor
広報室

プレス発表でマスコミを招くなど,社外の方の目に触れるフロアであることから,「テレビに映っても誇れるオフィス」をゴールに,「各チームが今以上にクリエイティブな仕事ができる空間」を目指した。

計画段階から同フロアの営業本部とオフィスづくりの意思疎通を図り,部署間共用部を含めたエリア一帯にバイオフィリックデザインを取り入れた緑の空間を形成。エレベーターからプレスルームにつづく動線と視界を,“見せるオフィス”として有機的につなげた。

家具類はシックな色合いを基調に選定。執務スペースには,形や高さが異なるデスクに加え,昇降テーブル,ソロワークブース,デュアルモニター設置デスクなど,複数タイプの席を用意することで,フリーアドレス導入効果の最大化を図った。

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photo: Nacása & Partners
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コワーキングスペース

photo: Nacása & Partners
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図版

photo: Nacása & Partners
Voice

映像や紙冊子,社外ホームページなどチームごとに取り扱う媒体が異なります。イリアさんにはそれぞれの業務特性に応じた要望を,限られたスペース内に反映していただきました。各々がより能動的に働くことができているように思います。今後もソフト面を含めたマイナーチェンジを重ね,よりよい広報活動ができる空間をつくっていきます。

column

服装もリニューアル!ビジネスカジュアルを開始

先進的な企業の多くがビジネスカジュアル・服装の自由化を取り入れている中,社会との関係性を意識した業務を求められる広報室として,オフィスをリニューアルしたタイミングで服装もリニューアルしようと考え,今年4月からビジネスカジュアルを導入した。

広報室員からは,「季節やその時々の業務に合った服装を選択できるので機能的」,「オフィスが明るく爽やかな雰囲気になった」,「他社との会議に,自分だけスーツで取り残されている感じがなくなった」との声が挙がるなど,新しい働き方に向けた歩みのひとつとなっている。

図版

photo: takuya omura

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5
floor
部署間共用
コミュニケーションエリア

交流,憩い,集中を目的としたすべての社員のニーズを満たし,また社外からの訪問客へのインパクトも意識し,バイオフィリックデザインを取り入れたコミュニケーションエリアを構えた。鹿島KIビル・アトリウムをイメージした生木植栽に加え,空調,照明,音響装置を使った演出で,室内にいながらも屋外同様の空間を実現する。デザインはイリア,植栽計画・施工・維持管理をグループ会社のかたばみが担当。テーブルもかたばみが保有する北海道・尺別山林の木々を原材料とするなど,鹿島グループの技術とサービスが活用されている。ほかにも,デジタルサイネージに鹿島公式YouTubeチャンネルで公開している動画などを再生。ウッド調のディスプレイラックでは社内報KAJIMAや統合報告書,ノベルティなどの広報媒体に加え,グループ会社・鹿島出版会の新刊を手に取ることもでき,鹿島らしさが溢れる。

このエリアは部署内外問わずすべての社員に開放されている。

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photo: Nacása & Partners

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photo: Nacása & Partners

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photo: Nacása & Partners
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朝・昼・夕の変化に合わせて
照明の色合いが変化する

photo: Nacása & Partners
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癒しとコミュニケーションの活性化を促すオフィスグリーン

かたばみ 緑化造園本部 営業部次長

栗原 勝

鹿島KIビル・アトリウムの多様な植物を選定し,社員や訪問客が,より身近に植物を感じることで,癒されたりコミュケーションが円滑化されたりする空間づくりを目指した植栽計画を行いました。

エレベーターを降りた正面に位置する部署共用エリアは,インパクトのある緑量と心地よい自然美が愉しめるエリアで,打合せスペースのベンチと一体的な植栽を行っています。そして,テーブル上には多肉系植物の寄植えを配置したことで,植物をより身近に感じられる空間となっております。

照明計画はイリアさんと連携し実施しました。自然の光をテーマにしたブラケット照明が植物の表情に多様な変化を与え,さらにライトアップ照明により,植栽の幹や葉の間を通り抜けた光が天井に自然な影をつくる幻想的な演出も癒しの効果を高めています。

室内での植栽は,配置ごとに換気や空調,照度などの環境条件が異なるため,植栽手法は移動や交換が容易な鉢置式を採用しました。年間を通してモニタリングを実施し,環境条件に合わせた順応的な管理を行うことで,最適なオフィスグリーンを維持してまいります。

GREEN KAJIMA ロゴ

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