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KAJIMAダイジェスト

KAJIMA’s Women interview

当社は,海外での事業展開を拡大するなか,グローバルな視野と才能をもつ意欲ある社員を,
積極的に海外プロジェクトに参画させている。
ここに集まった女性たちもまた,世界を舞台に活躍する当社の誇るべき人材である。
彼女たちの働き方,生き方について――,海外志望の社員が質問を投げかけた。

写真:KAJIMA’s Women interview

Photo: HARUKI

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写真:國本麻実

インタビュアー
海外事業本部 企画管理部
國本麻実
くにもと・あさみ

2012年入社。
九州支店で4年間現場事務を経験し,2016年4月より海外事業本部。
海外現地法人出向を控え,目下準備中。

写真:阿部万紀子

海外事業本部 開発部 課長
前カジマ・オーバーシーズ・アジア 出向
阿部万紀子
あべ・まきこ

2003年,開発事業本部・事業部に入社。
約3年間,秋葉原駅前再開発事業を担当し,産官学連携の実現や資金調達等の業務に従事する。その後,開発計画部を経て,2008年10月からアジア統括現地法人KOAに出向。当社がインドネシア・ジャカルタで展開する複合開発「スナヤン・スクエア」プロジェクトのホテル開発を担当する。
2016年6月より,現職。

写真:郡 絢子

人事部付(育児休業)
前鹿島(中国)出向
郡 絢子
こおり・あやこ

2004年入社,新卒事務系総合職第一号。
関西支店,東京建築支店で計6年間,現場事務を経験した後,
2010年からは営業本部・開発推進部で公共工事の総合評価制度に関わる入札対応を担当する。
2012年1月から鹿島(中国)に出向し,営業ウーマンとして活躍する。
2015年9月,出産のため帰任し,現在は育児休業中。

写真:西銘結美子

ハワイアン・ドレッジング(HDCC)出向
西銘結美子
にしな・ゆみこ

2008年入社。
1年間,海外事業本部で研修した後,
2009年から3年間,東北支店の管理部・現業グループ(秋田地区)で現場事務を担当する。
2012年に北中米地域の統括現地法人KUSAに出向。
約3年間,総務・人事の仕事を担当した後,2015年8月からKUSA傘下のHDCCに出向。

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写真:中川央絵

開発事業本部 開発計画部
中川央絵
なかがわ・ひさえ

2014年,開発事業本部・開発計画部に入社。
1年間,都市開発や建設工事に関わる環境アセスメントのコンサルティングを経験後,
2015年5月からは,海外案件を担当する現在のグループで活躍する。

世界を舞台に──KAJIMAで働くことの魅力

國本 皆さん,本日はお集まりいただきありがとうございます。海外事業本部・國本麻実と申します。西銘さんはハワイから,郡さんは育児休業中のところをご出席いただきました。海外志望の若手社員を代表し,色々と質問させていただきますので,皆さんの経験談を聞かせてください。

どのようにして,海外で仕事をする機会を得ることができたのですか

阿部 学生時代の留学経験を基に,入社当初から海外赴任を希望していました。開発から一人,二人と先輩方が海外へ赴任していくのを目の当たりにして「いつかは」と思い,幹部の方々と話す機会があるごとに海外志望をアピールしていました。現地法人から人材派遣要請があった際に,開発事業本部幹部に推薦していただきました。

 夫が上海に単身赴任になりまして,鹿島にも現地法人があることを知り,私も海外で働きたいと考えるようになりました。その頃から海外勤務を希望していたところ,中国の現地法人が繁忙の時期で事務系人員が必要だということで,海外赴任が実現しました。

西銘 私は事務系入社ですが,実は大学では土木工学を専攻していまして,海外土木に興味があって入社しました。1年目に配属された海外事業本部で魅力的な諸先輩方の話を伺うなかで,建築・開発事業を手掛ける海外現地法人に興味をもつようになり,海外勤務を志願していたところ,定期ローテーションでKUSAへの赴任が叶いました。

中川 開発事業本部・開発計画部では,若手社員が様々な経験を積むために,1~2年ごとにグループ間異動が行われます。私は留学を経験していたこともあり,前任者の部外異動に伴い,海外案件を担当する現在のグループに配属され,海外関連の仕事に携わる機会をいただきました。

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現地では,どのような仕事を担当されている(た)のでしょうか

阿部 当社がジャカルタで手掛ける複合開発「スナヤン・スクエア」プロジェクトのホテル開発です。5スターホテルに相応しいホテルオペレータの選定にはじまり,業務委託交渉,契約締結までの一連の業務を担当しました。オペレータの発掘は,テロ対策を視野にいれ,国籍に配慮したブランド選定が鍵となりました。海外経験豊富なKOA幹部の指導のもと,最終的にはカナダ系ブランドの「フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツ」と契約することができました。開業準備作業が始まってからは,什器備品の手配も含めて支援を行い,開業後は約500名の従業員数を有するホテルの運営管理の一端を担いました。

 私は鹿島(中国)で,最初の1年間は総務・人事の仕事をしました。リーマン・ショック後で非常に中国に投資が集中し,日本からの出向社員数が一時期40~50名にのぼり,その人事対応に追われる日々でした。ピークが落ちついた2013年からは,念願の営業担当になりました。当時の営業部の目標は,「現地の営業力の強化」でした。そこで,新入りの私は新規顧客の開拓・受注を目標に掲げ,電話帳片手に現地の日系企業に片っ端から電話をしたり,日系の様々な会合に参加するなど,現地スタッフと一緒に飛び込み営業をかけていました。中国は広いので,お客様の工場が上海から車で2~3時間ということも普通。2~3日は現地に詰めて営業活動をすることもありました。

西銘 2012年から3年間は,アトランタにある統括現地法人KUSAで,総務・人事を担当しました。昨年8月からは,ハワイアン・ドレッジング(HDCC)の経理部門に異動しています。KUSAからの日本人出向社員は私一人。HDCCは,歴史も規模もハワイ州随一のゼネコンなので,重責も感じています。私はここで,新しく導入したサブコントラクターの事前審査システムを使って,財務諸表やボンド(履行保証)枠などのレビューに携わっています。アメリカの経理担当者は専門性が高く,公認会計士の資格をもっている人も多いので,とても刺激的で勉強になります。

写真:ホテルのスタッフたち

ホテルのスタッフたち

写真:ホテルで催されたスナヤン・スクエアの式典で,ホテルのカルロス・モンテルデ総支配人と阿部さん

ホテルで催されたスナヤン・スクエアの式典で,ホテルのカルロス・モンテルデ総支配人と阿部さん

写真:「フェアモント・ジャカルタ」

「フェアモント・ジャカルタ」

中川 私の所属する開発事業本部のグループでは,海外事業本部と連携し,都市化が進むアジア諸国で,ディベロッパーとして事業機会を創出するための検討を行っています。それに加えて,スリランカとバングラデシュにおける日系建設・不動産企業の参入課題の整理・提言や国際会議の運営,ミャンマーのヤンゴンにおける公共住宅の再開発可能性の評価・課題の抽出など,日本政府等から受託する調査業務に携わっています。昨年8月から今年の4月までは,平均月1回弱のペースで現地に出張していました。

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思い出に残る仕事のエピソードがあれば教えてください

阿部 シンガポールで行われたホテルオペレータとの運営契約の締結作業は,大柄な男性陣5名に囲まれて,英語の一語一句をネゴシエーション。彼らは,合間にサンドイッチをかじる程度で休みなく続け,作業は真夜中の2時にまでおよびました。翌日も夕方までこの状況は続き,契約が締結した時にはふらふらに…。体力と気力もグローバルである必要性を痛感しました。

 現地で得た工場計画の情報を頼りに,お客様を飛び込みで訪問。過去に鹿島とのお付き合いはなく,最初は不審がられたものの,懲りずに足を運びお客様との距離を縮め,見積りに参加する機会をいただきました。結果,「提案内容も素晴らしかったが,それ以上に郡さんの熱意に負けて鹿島に決めましたよ」と,嬉しいお言葉をいただきました。目標の“現地での受注”を達成でき,跳び上がるほど嬉しかったのと同時に,人と人とのつながりが左右する営業の仕事に魅力を感じた瞬間でした。

中川 昨年行ったミャンマーの調査では,9ヵ所の公共住宅の管理事務所を訪問したり,実際に現地にも足を運び調査を行いました。普段出張では車移動が多く,訪問先も政府や外資企業のオフィスばかりだったので,自分の足で現地を見て回ったことで,人々の暮らし方や働き方,それらを通じた物の見方などが,以前よりも少しだけイメージできるようになりました。人々の暮らしに大きな変化をもたらす開発事業を手掛ける人間として,実際にその土地や人の生活を知るということは,文化や習慣が異なる地域においては尚更重要だと感じさせられました。

写真:現在,育児休業中の郡さん

現在,育児休業中の郡さん。復帰後の活躍に期待が

写真:日系企業工場の竣工式会場

日系企業工場の竣工式会場。鹿島(中国)の仲間たちと

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海外で仕事をする上で,語学力や経験値はどの程度必要なのでしょうか

阿部 インドネシアではビジネスに英語は欠かせませんでしたが,業務を行ううちに鍛えられたというのが正直なところです。さらに言えば,単に「語学力」だけの話ではなく,たとえば,自分の経験を引き合いに出したり,現地の言葉を織りまぜて相手との距離を縮めたりしながらの「コミュニケーション能力」が最終的にはものを言う,と感じていました。

西銘 ハワイは移民が多いので,様々なアクセントの英語が共存しており,日本人訛りの英語も理解してくれるので助かります。ただ,仕事上,財務関連書類の読み込みや契約内容の見極めが必要なので,ファイナンスに関する知識と語学力が必要となってきます。出向社員としては,専門家である会計士のマネジメントが仕事になることもあるので,私はもっと勉強しないといけないです。

 中国は,日常生活における英語レベルは日本と同じ感じですね。現地スタッフの皆さんの日本語が堪能だったので,コミュニケーションに支障はありませんでしたが,やはり契約文書やメールとなると難しいものがありました。ただ,お客様のキーマンも大体が日本人だったので,私はあまり中国語が上達できずに終わってしまいました。一方で,日本での経験は中国でも役に立ちました。お客様に着工から竣工までの流れを説明する機会が多かったので,現場事務を経験していてよかったです。営業本部での提案書作成も,コンペやプレゼンの資料づくりに大変役に立ちました。

写真:HDCCの取締役会後,大橋KUSA社長をはじめ,KUSA・HDCC幹部と西銘さん

HDCCの取締役会後,大橋KUSA社長をはじめ,KUSA・HDCC幹部と西銘さん

写真:西銘さんの現在の上司ライアン・ノブリガCFOと

西銘さんの現在の上司ライアン・ノブリガCFOと

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日本と海外との違い,海外で生活する魅力は何ですか

中川 非英語圏に出張して驚いたのは,現地の方々が英語を単なるツールとして使い,当たり前に海外の組織と仕事をしていることです。日本の国内市場が縮小傾向にあるなかで,今後鹿島が立つべきフィールドを垣間見たように感じました。いまはまだ社内では「海外案件は特定の人だけが携わるもの」という感覚が強いように思いますが,次第に誰もが関わり得る仕事になっていかなければならないし,なりつつあるのだと実感させられました。

西銘 ハワイは日系人も多く,日本語や日本食などの文化も浸透しているため,非常に住みやすいところです。その国民性はフレンドリーでホスピタリティに溢れていて,HDCCの社員も明るくて親切です。米国企業の特色は,終身雇用ではなく会社が求める業務やポジションに対して必要な資格や経験を有する社員を募集・採用する点です。そのため,社員各々は自分の仕事にプライドをもって業務に取り組んでいます。責任も発生しますが,やりがいを感じることのできる環境だと思います。

 中国は,ダイナミックで刺激的な国。日本では考えられないスケールとスピードで次々と開発が進み,その勢いに圧倒されるばかりでした。米国同様に実力主義で終身雇用的な考えはなく,会社は自分の能力を高める場所と考えられています。皆さん努力家で,仕事が終わった後も遅くまで資格や語学の勉強をする社員も多く,私も刺激を受けました。女性が社会で活躍するのは当たり前で,共働きも一般的なので,女性が働きやすい環境です。特に上海は,男性が女性のお弁当を作ったり,家事全般をこなすことも多く,「かっこいい!」「私もこうなりたい!」と思える女性に沢山出会うことができました。

写真:スリランカで開催された二国間フォーラムにて

スリランカで開催された二国間フォーラムにて,受付スタッフの皆さんと中川さん

写真:鹿島愛に溢れるミャンマー営業所のウィン・ミン・テインさんと,ミャンマーのシュエダゴン・パゴダを参拝

鹿島愛に溢れるミャンマー営業所のウィン・ミン・テインさんと,ミャンマーのシュエダゴン・パゴダを参拝

阿部 海外で仕事をする大きな魅力のひとつに,“人との出会い”があります。要職の方々とご一緒する,日本では考えられないような機会もありました。日本人のコミュニティのつながりも広く,多業種にわたる人脈を得ることができました。もうひとつ挙げるなら,自分の能力を発揮する二つの舞台をもつことができたことでしょうか。外国で仕事をしていながらも,当然日本の会社の社員としても仕事をしている。“一粒で二度美味しい”と言いますか。これまで駆使した国内外二足のわらじを,これからはどう融合して履きこなしていくか。いまの私の課題ですね。海外を志望する皆さんへは,自分の経験にとらわれず,色々な可能性にチャレンジしてみることをおすすめします。是非,頑張ってください!

國本 大変勉強になりました。私は現場事務の経験しかないので,「海外で自分に何ができるのだろうか?」と不安に思うこともあったのですが,皆さんのお話を伺って,チャレンジする勇気が湧いてきました。今日はありがとうございました。

(2016年8月29日,鹿島KIビルにて収録)

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