関西支店 内村祥史
大阪都心部の慢性的な渋滞緩和を目的とする「大阪都市再生環状道路」。その一翼を担う阪神高速大和川線(当社JVが施工中)と湾岸線との結節点となる「三宝ジャンクション」が、約6年半の歳月を経て、今年7月末に竣工しました。
現在、架設を行った施工ヤード跡には、石のモニュメントが並んでいます。この石は「残念石」と呼ばれ、大阪城の石垣のために切り出されたものの、何らかの理由で大阪城に運ばれなかった石材のこと。淀川左岸線建設中に見つかった39個の残念石を、地元の方々や工事関係者への感謝の気持ちと大和川線全線開通への強い願いを込めて、大阪城の方角へ向けて据え付けました。
近隣として、工事中お世話になったバレーボールVリーグ・堺ブレイザーズの中垣内祐一部長(元全日本主将)が、開口一番「サンキュウ(39)ですか?」と仰いました。無念にも大阪城までたどり着けなかった残念石が、この地での再生を“感謝”しているようにも見えます。
橋脚の向こう側に垣間見える社旗、安全衛生旗を取り外し、残念石に我々の気持ちを託し、間もなくこの地を離れます。来年の夏には緑が生え、残念石も一段と栄えることでしょう。