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制震ビルと小堀鐸二博士

わが国初の超高層ビルを誕生させてから20年あまり。当社では世界初の制震ビルを完成させている。その中心となった小堀鐸二京都大学名誉教授は,1985年に当社副社長に就任し,制震構造の実用化と普及に尽力した。

あるとき,地震予知の可能性を尋ねたマスコミ記者に対し,「予知が難しいからこそ,制震構造を開発したのです」と諭したという。「建物を壊さない」から「建物を揺らさない」という従来にない発想のもとに,制震構造の発展を主導した世界的な研究者であった。

図版:小堀鐸二博士

小堀鐸二博士(1920〜2007年)

図版:制震装置HiDAX

制震装置HiDAX(上)を導入した六本木ヒルズ森タワー(右,2003年竣工)。これまでに当社が手がけた制震構造の建物は200棟以上に達する(2013年3月時点)

図版:六本木ヒルズ森タワー

長周期地震動の揺れを半減させる制震リニューアル

東日本大震災でクローズアップされた超高層ビルの長周期地震動。ゆっくりと長く揺れる現象に有効なのが,制震構造である。

既存超高層ビルの長周期地震動対策として,三井不動産と当社は,超大型制震装置を建物の屋上に設置する日本初の制震システムを実用化。「新宿三井ビルディング」(1974年竣工)に適用する。オフィスの眺望の阻害や有効面積の減少がなく,室内工事も不要のためテナントへの影響を大きく低減でき,揺れ幅を最新鋭の超高層ビル並みに抑える。

図版:超大型制震装置TMDの設置状況の概念図

超大型制震装置TMDの設置状況の概念図(左)とビル全体の制震リニューアルの概要図(右)。2013年8月に着工し,2015年に完了の予定

図版:ビル全体の制震リニューアルの概要図

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