A4CSEL for
Tunnel
山岳トンネル6つのステップの自動化を、
業界初、実地山での実証に挑戦
山岳トンネル工事の安全性・生産性・品質の向上を目指す「A4CSEL for Tunnel」は、
山岳トンネル工事の掘削作業で行われる6つの施工ステップを自動化することで、
これまで熟練作業者に依存していた崩落等の危険度が高い切羽での作業を、無人で効率よく施工することを目指すものです。
模擬トンネルで自動化施工技術をブラッシュアップ
山岳トンネルの自動化技術の開発拠点として、2018年11月、(一社)日本建設機械施工協会施工技術総合研究所(静岡県富士市)に模擬トンネルを構築しました。2021年5月、自動ホイールローダによるズリ出し作業の自動化と、自動吹付機によるコンクリート吹付け作業の自動化をそれぞれ成功させました。
実地山を用いて自動化施工実験 ─業界初の試みに挑戦
A4CSEL for TunnelもA4CSEL for Damと同様、建設機械の自動化とともに、作業者の経験や勘に依存してきた作業を工学的根拠に基づく作業方法・手順に再構築しています。山岳トンネル工事の生産性向上の鍵となる「余掘りのない発破掘削」を実現するために開発した発破計画技術をはじめ、これまで開発してきた多くの自動化技術を実工事現場と同等の環境で実証するため、神岡鉱業株式会社の協力のもと、同社が所有する試験坑道を実際に掘削するという業界初の試みに挑戦しています。
実地山での実証試験を通じて、穿孔、装薬・発破、ズリ出し、アタリとり、吹付け、ロックボルト打設の各ステップにおける建設機械の自動化による切羽周辺の無人化を目指し、効率よく作業を行う自動運転の実現により安全性と生産性の向上を高度に両立させる施工システムを確立します。
A4CSEL for Tunnel 6ステップの自動化CG
Column日本初、砂防工事に
A4CSEL等による自動化施工を導入
2011年9月、台風12号の記録的な豪雨によって、紀伊半島では大規模な土砂災害が多数発生、奈良県赤谷地区では、斜面崩落した土砂による大規模な河道閉塞が発生し、下流域にとって大きな脅威となっていました。鹿島はこの災害発生直後から復旧工事を担当してきました。今回の施工エリアである崩落斜面直下の3号砂防堰堤の工事箇所は、出水期は人の立ち入りが制限される危険な箇所です。そこで鹿島では堰堤の構築にA4CSELを導入。有人施工と同等以上の効率で安全に施工を行うとともに、遠隔操作による無人化施工とも連携して安全に作業を行いました。