A4CSEL for
Tunnel
山岳トンネル工事の6つのステップの自動化・遠隔化に成功!
「A4CSEL for Tunnel」が完成!
山岳トンネル工事の安全性・生産性・品質の向上を目指し、開発を進めてきた「A4CSEL for Tunnel」。
山岳トンネル工事における掘削作業を自動化・遠隔化することで、
危険度が高い切羽周辺の作業を無人で、しかも効率よく行うことが可能となりました。
2018年に開設した実験用模擬トンネルで開発を開始し、自動化・遠隔化施工に必要となる要素技術を確立。
2021年からは神岡試験坑道において、実工事と同じ環境・条件の下で開発技術の実証を進めてきました。
そして、2024年、6ステップ全ての自動化・遠隔化を実現。「A4CSEL forTunnel」が完成しました。
山岳トンネル工事における
6つのステップを自動化・遠隔化
山岳トンネル工事の掘削作業の6つのステップを自動化・遠隔化することにより、切羽の安全性を飛躍的に向上させ、大幅な省力化を実現しました。
A4CSEL for Tunnel 6ステップの自動化CG
STEP1穿孔
コンピュータジャンボの穿孔時に得られる岩盤データから発破条件を自動的に生成する「最適自動発破設計システム」を開発。この発破設計に基づいてコンピュータジャンボが自動で穿孔作業を行います。穿孔数・装薬量が最適化されるため、余堀り量は従来に比べて60%、サイクルタイムも20%低減しました。
STEP2装薬
装薬の自動化には、安全性の観点から装填機内では非火薬、孔内で原料を混ぜ合わせて初めて火薬化する現場製造式の爆薬が適しています。装薬の自動化に向けた第一歩として、現場製造式の「バルクエマルション爆薬」を採用した全断面発破を国内の山岳トンネル工事で初めて実施しました。
STEP3ずり出し
自動ホイールローダに搭載したLiDARの計測データをもとに坑内の地図を作成しつつ、自機の位置をリアルタイムで推定するSLAM技術を活用することで、非GNSS環境下であるトンネル坑内においても掘削ずりの掬(すく)い取り、運搬、荷下ろしの自動化を実現。遠隔バックホウと連携することにより、ずり出し作業時の切羽近傍の完全無人化を実証しました。
STEP4アタリ取り
ブレーカ本体に搭載した3Dレーザスキャナによって計測された発破直後の岩盤内空形状データから、「アタリガイダンスシステム」によってアタリを自動抽出。その位置に、ブレーカを遠隔で操作することで、アタリ取り作業時の切羽の完全無人化を実現しました。
STEP5吹付け
複雑な凹凸を有する岩盤面にコンクリートを正確に吹き付ける「自動吹付システム」と、支保工を効率的に建て込むための「ガイダンスシステム」を搭載した「2ノズル自動吹付機」を開発。3Dレーザスキャナで計測した岩盤面形状に応じてノズルを自動制御して吹付けを行うとともに、建込み手順を常時提示することで効率的遠隔操縦を実現。人が切羽近傍に立ち入ることなく、オペレータ1名で作業が可能となりました。
STEP6ロックボルト
地山へ放射状にボルトを打ち込むロックボルト打設作業を自動化する「2ブームロックボルト施工機」を開発。「穿孔」、「モルタル注入」、「ボルト挿入」の3つのセクションを自動で切替え、左右2つのブームで最大20本のロックボルトを連続して自動打設することができます。オペレータ1名によるロックボルト打設が可能であることを実証しました。
関連情報
- プレスリリース:山岳トンネルの自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」が完成!(2024年7月31日)
- プレスリリース:最適自動発破設計システムで余掘量60% 発破サイクルタイム20%低減(2023年7月25日)
- プレスリリース:国内初!現場製造式爆薬によるトンネル全断面発破を実現(2024年4月25日)
- プレスリリース:山岳トンネル工事における「ずり出し」を自動化・無人化(2024年7月10日)
- プレスリリース:ブレーカに搭載した3Dレーザスキャナで切羽のアタリ判定を自動化(2024年7月23日)
- プレスリリース:国内初!山岳トンネル工事で2ノズル吹付け機を自動化(2024年6月10日)
- プレスリリース:世界初!2ブームロックボルト施工機の自動化を実現(2023年11月21日)