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クワッドアクセル
A4CSEL®とは

A4CSELとは

汎用建設機械を自動化改造し、
最適化計画で「現場の工場化」を目指す

建設機械の自動運転を核とした次世代建設生産システム「A4CSEL®」は、自動化改造した汎用建設機械に、
最適化された計画に基づいた作業データを送信することで、建設機械自身が自律的に自動で作業を行うものです。
少ない人数で多くの自動化建設機械を同時に稼働させることをコンセプトとした、世界初の建設生産システムです。

A4CSEL:Automated / Autonomous / Advanced / Accelerated Construction system for Safety , Efficiency , and Liability

A4CSELの初期の開発コンセプト

A4CSELの初期の開発コンセプト

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建設業の課題を解決し、「現場の工場化」を実現する

A4CSELの特長

  • 特長
    01
    生産性の向上
  • 特長
    02
    現場の安全性の向上
  • 特長
    03
    高い汎用性

建設業界は、熟練技能者の大量退職、若手入職者の減少など、人手不足が喫緊の課題となっています。一方で、造る構造物は現場ごとに仕様が異なる一点ものであることや、野外での作業であることなどを理由に作業者の技能に依存した旧来の労働集約型のやり方を変えられず、製造業などに比べて生産性が低いことが指摘されてきました。さらに、建設業の死亡災害割合は全産業の中で32%を占めており、建設産業はいまだ「危険を伴う業種」となっています。

建設業界がいま、直面する喫緊の課題である「人手不足」、「低い労働生産性」、「高い労働災害割合」を抜本的に解決するため、鹿島は、「個別の作業のICT化」でなく、「生産プロセスの劇的な変革」に取り組んできました。目指したのは製造業のような「建設現場の工場化」です。

※厚生労働省「労働災害統計(令和2年)」より

複数の自動化建設機械が連携して作業を行う成瀬ダム堤体打設工事

複数の自動化建設機械が連携して作業を行う成瀬ダム堤体打設工事

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現場の工場化の鍵は、「上手な作業」と「最適な計画」

工場のように計画通りに生産を行うための第一歩は、これまで作業者の経験や勘といった、数値で測れない定性的な作業のやり方を分析して、定型的な作業に再構築し、個人差を減らすことです。すなわち、作業者の技能に委ねられていた一つひとつの作業をマニュアル化し、定型化された手順と方法で機械に実施させることが必要です。これを実現する鍵となる熟練者に匹敵する自動運転技術と、優れた生産計画技術を獲得するため、熟練オペレータの操作データを基にAI手法と作業シミュレータによって個々の作業に最も適した運転能力を持つ自動建設機械と、複数機械を最も効率的に稼働させる組合せ、配置、手順の計画手法の検討を進めています。

A4CSELを構成する3つの技術

A4CSELを構成する3つの技術

A4CSELは
① 汎用の建設機械を自動化改造する技術
② 熟練技能者の操作データを基にAI手法をとり入れ、作業条件、状況に応じた自動運転技術
③ 多数の機械を連携させ最も生産性の高い施工計画で稼働させる施工マネジメント技術
で構成されています。
これにより機械の配置や作業順序などが最適化された計画を自動で作成し、まるで工場のように全ての機械が連携しながら自律・自動運転で工事を行うことができます。

① 汎用の建設機械を自動化改造する技術
 

自動化改造した汎用の振動ローラ

自動化改造した汎用の振動ローラ

② 熟練技能者の操作データを基にAI手法をとり入れた
自動運転技術

様々な作業条件での自動運転シミュレーション(ブルドーザのまき出し作業シミュレータ)

様々な作業条件での自動運転シミュレーション
(ブルドーザのまき出し作業シミュレータ)

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③ 多数の機械を連携させ最も生産性の高い施工計画で稼働させる施工マネジメント技術

AI手法による最適化計画のイメージ

AI手法による最適化計画のイメージ

日々変化する現場に対応しながら、進化するA4CSEL

自動化された建設機械が、定型化された作業を確実に連続的に行うことで、計画された期間で安定した品質の生産が行うことが可能となります。その上で、現場に配置されている多くの自動化建設機械を少ない人数で管制することにより、生産性が飛躍的に高くなります。また、人と機械が接触するリスクが大きく減らせるため安全性も向上します。そして、現場環境や条件に応じて最適な計画を創り出す技術を連携させることによって、日々変化する工事現場に対応できる工場化が実現するのです。

鹿島では、いわゆる重機土工と呼ばれる建設機械での作業量が多いダム現場に適用し実績を重ねてきました。これに続いて、山岳トンネルでの自動化を進めています。また、人が立ち入ることができない災害復旧工事にも適用し、その有効性を確認しています。

A<sup>4</sup>CSELにより現場の工場化を実現するダム現場のイメージ

A4CSELにより現場の工場化を実現するダム現場のイメージ

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Column世界中、そして将来は
月面の自動化建設機械を東京から管制

2021年10月、全国3か所の現場で稼働するA4CSELの自動化建設機械を、東京都港区の本社に設けた集中管制室から一括管制することに成功しました。秋田県の成瀬ダム、和歌山県の赤谷3号砂防えん堤災害復旧工事、神奈川県の西湘実験フィールドの3か所の自動化建設機械、合計20台の自動化施工と遠隔操作をわずか4名の管制員で行いました。

月面拠点施設を模したモジュールに自動バックホウが覆土を行う

近いうちに、全国各地の現場で稼働する自動化建設機械を「テレワーク」で家から管制したり、国内のみならず世界中、そして、月面の自動化建設機械を東京からクリックひとつで動かすことができるようになるかもしれません。

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