A4CSEL for
Space
「次の現場は宇宙です。」の実現に向けて、
A4CSELの宇宙での活用検討を進めています
施工の効率化と作業エリアでの無人化を実現するA4CSELは、宇宙での活躍も期待されています。
鹿島は、2016年から国立研究開発法人・宇宙航空研究開発機構（JAXA）と共同で、
A4CSELの月面施設建設への適用検討を進めています。A4CSELの活躍シーンは地上だけではありません。
「次の現場は宇宙です。」の広告
月面拠点をA4CSELで建設するために
地球、あるいは宇宙ステーションから建設用機械を遠隔操縦して作業を行うことが想定されていた月面拠点建設では、長距離間通信で生じる遅延（時間遅れ）によって、機械の操縦が難しく、施工効率を大きく低下させることが懸念されていました。施工効率の向上を目的としてJAXA宇宙探査イノベーションハブと共同研究を開始。2019年3月に神奈川県小田原市の鹿島・西湘実験フィールドにおいて、月面有人探査拠点として想定される居住モジュール設置のための一連の建設作業をA4CSELによって自動で実施しました。月面での自動運転の実現可能性を示すとともに、自動化を導入して月面作業の効率を向上させる取組みは、世界中の注目を集めました。
自動バックホウから自動キャリアダンプに土砂を積み込む
月面拠点施設を模したモジュールに自動バックホウが覆土を行う
月での無人による有人拠点建設作業のステップ
1. 整地
2. 掘削
3. モジュール設置
4. 覆土
JAXA・鹿島共同研究 The LUNAR BASE（動画：4分37秒）
地球から月面の建設機械を動かすことを想定した、超遠隔施工実験に成功
作業環境が未知である月面での建設では、高い効率が得られる自動運転だけでなく、地形や環境に応じて対応できる遠隔操縦と組合せた「遠隔施工」が必要になると考えています。この遠隔施工の実証実験を2021年3月に行いました。種子島宇宙センターの造成工事で使用していた自動振動ローラを、約1,000km離れたJAXA相模原キャンパスから、自動運転と遠隔操縦によって稼働させ、施工効率を評価しました。地球－月の通信遅延を人為的に挿入した遠隔操縦によって障害物を回避して施工エリアに進み、エリア内では自動運転によって作業することで高い施工効率が得られることを確認しました。A4CSELを応用した「遠隔施工」での月面拠点建設の実現につながる成果が得られました。
JAXA相模原キャンパスから1,000km離れた種子島の建設機械を動かす
JAXA・鹿島共同研究 月面での建設機械の遠隔操作・自動運転を目指して（動画：4分）
国交省の宇宙事業にA4CSELが採択
2021年11月、月面等の宇宙開発における建設活動への展開を目指し、国土交通省が設置した「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」で、鹿島のA4CSELを活用するテーマがR&D課題として採択されました。鹿島は、JAXA、芝浦工大とともに、月の永久影に存在すると言われている水を含む砂の掘削、積込み、運搬作業を想定し、多機種、複数台の建設機械を遠隔施工システムによる作業の成立性について検討を進めています。地上でできたことを月面で実現するために、月の環境を想定した遠隔施工システムのフィールド実験をベースに、多くの機械が連携して稼働するためのコンピュータシミュレーションや作業に必要な様々なデータを共有化するためのプラットフォームの構築を進めています。
A4CSELが宇宙で活躍する日が近づいています。
月面での施工イメージ
月面環境での作業を想定した自律遠隔施工の実証実験
月面仮想環境に適応した自律遠隔施工技術の模擬実験（動画：3分57秒）
