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鉄道技術

鉄道高架橋・鉄道橋梁

鉄道高架橋・鉄道橋梁

地下化・立体交差

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地盤改良

耐震

解析・設計

環境対策

鉄道建設機械

超高強度繊維補強コンクリート製薄肉埋設型枠
「サクセム®パネル」

施工性(軽量)と耐久性(耐塩害・耐凍結・耐中性化・耐摩耗性)に
優れた埋設型枠を実現

サクセムパネルは、超高強度繊維補強コンクリート「サクセム(SUQCEM)」を用いた埋設型枠で、従来のコンクリート製の埋設型枠に比べ、施工性の向上、強度特性の向上、構造物の高耐久化に関してより優れた性能を実現しています。

材料として用いるサクセムは、日本独自のエトリンガイト生成系高強度化技術と繊維補強技術により構築した超高強度繊維補強コンクリート(UFC)で、通常のコンクリートに比べて格段に高い強度特性、優れたひび割れ分散性、耐久性を有します。サクセムは、羽田空港D滑走路の桟橋床版などに用いられ、超高強度繊維補強コンクリートとして土木学会技術評価証を取得しています。

図版:施工性に優れたサクセムパネル

施工性に優れたサクセムパネル

キーワード
コンクリート製薄肉埋設型枠、埋設型枠、施工合理化・省力化、急速施工、耐久性向上、耐塩害、耐凍結、耐中性化、耐摩耗性、軽量

サクセムパネルの優れた施工性

①施工の省力化・合理化・急速施工

サクセムの高い強度特性、優れたフレッシュ性状により薄肉軽量の埋設型枠が製作可能です。従来のコンクリート埋設型枠に比べ軽量であるため、運搬、組立が容易となり、施工の省力化、合理化、急速施工が可能となります。

②コンクリートとの優れた一体性能

サクセムパネルの裏面に施された加工により、後打ちコンクリートと一体化が図れます。鉄筋のかぶりとして考慮できるとともに、圧縮部材の一部として考慮することが可能です。

図版:厚さ10mmのサクセムパネル

厚さ10mmのサクセムパネル

図版:200万回疲労試験後のサクセムパネルと後打ちコンクリートの界面部

200万回疲労試験後のサクセムパネルと後打ちコンクリートの界面部

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特長・メリットココがポイント

高い耐塩害性

塩化物イオンの浸透促進試験(温海水乾湿繰返しによる促進試験)の結果、通常のモルタルと比較して極めて高い遮塩性を有していること(見掛けの塩化物イオン拡散係数0.0018cm2/年)を確認しています。外部から侵入する塩化物イオンから内部鋼材の発錆を防ぐことができます。

図版:塩化物イオンの浸透状況

塩化物イオンの浸透状況
(EPMA画像:赤い部分がCl-浸透範囲)

優れた耐凍結融解性

JIS A 1148「コンクリート凍結融解性試験」(水中凍結融解試験方法)で3,000サイクルでも劣化しないことを確認しています。凍結融解が問題となる寒冷地においても優れた耐久性を発揮します。

図版:凍結融解試験結果

凍結融解試験結果
(3,000サイクル以上で、質量・動弾性係数の低下なし)

突出した耐中性化性

JIS A 1153「中性化促進試験」(20℃、湿度60%、CO2ガス濃度5%、113週)の結果、全く中性化しないことを確認しています。中性化による内部鋼材の発錆を防ぐことができます。

図版:促進中性化試験結果(113週)

促進中性化試験結果(113週)
(赤褐色部は中性化していない、中性化深さ0mm)

高強度コンクリートよりも優れた耐摩耗性

サクセムは耐摩耗性に優れており、高強度コンクリートの2~3倍の耐摩耗性を有しています。水路の底面や側面、河川内橋脚の補修・補強などに適しています。

適用実績

図版:近鉄花園高架橋

近鉄花園高架橋

場所:大阪府東大阪市

竣工年:2009年6月

発注者:近畿日本鉄道

規模:埋設型枠114枚(埋設型枠標準寸法40mm×800mm×1,747mm)

図版:新桂沢ダム取水塔

新桂沢ダム取水塔

場所:北海道三笠市

竣工年:2012年3月

発注者:国土交通省北海道開発局

規模:埋設型枠120枚(埋設型枠標準寸法 40mm×1,300mm×1,500mm)

コンクリート剥落防止用繊維
「バルチップPW・Jr」

ポリプロピレン製短繊維のコンクリートの剥落防止用繊維

近年、コンクリート構造物において、第三者に対する安全性の確保が強く望まれるようになり、施工性および経済性に優れたコンクリートの剥落防止技術が求められています。

バルチップPW・Jrはポリプロピレン製の短繊維であり、連糸状に連なった繊維が、アジテータ車の高速攪拌により単糸に分かれ、コンクリート中に均一に分散します。そのため、コンクリートの体積比0.05vol%以上というごく少量の混入率で十分な剥落防止性能を発揮します。また、コンクリートのフレッシュ性状、施工性および強度特性にほとんど影響を与えません。

※バルチップは萩原工業株式会社の登録商標です。

図版:ポリプロピレン繊維(バルチップPW・Jr;密度0.91g/cm³)

ポリプロピレン繊維(バルチップPW・Jr;密度0.91g/cm3

キーワード
繊維補強コンクリート、剥落防止、トンネル覆工コンクリート、橋梁上部コンクリート

使用方法

一般のレディーミクストコンクリート工場で製造したコンクリートに、現場にて繊維を投入します。バルチップPW・Jrは、軽量で扱いやすいため、繊維投入に伴う煩雑な作業を軽減できます。繊維投入の際には、特殊な機械を必要とせず、アジテータ車を高速撹拌させることで、繊維は一様に分散します。

図版:アジテータ車へのバルチップPW・Jrの投入状況

アジテータ車へのバルチップPW・Jrの投入状況

図版:アジテータ車へのバルチップPW・Jrの投入状況

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特長・メリットココがポイント

優れた剥落防止性能を確認

剥落防止性能確認のため、静的破砕剤を膨張させ、さらにかぶり部に打撃を加えてコンクリートの剥落状況を観察しました。

  • バルチップPW・Jrを混入の場合600回の打撃でもかぶり部は剥落しません。

図版:剥落防止性能(かぶり部打撃試験)

剥落防止性能(かぶり部打撃試験)

通常コンクリートとほぼ同等の施工性

  • バルチップPW・Jrは、分散性に優れ、吸水しない繊維であるため、混入によるスランプへの影響はほとんどありません。
  • 空気量、ブリーディング量などのフレッシュ性状は,バルチップPW・Jrを混入しない配合とほぼ同等であり、ポンプ施工も可能です。
  • 締固め、こて仕上げなどの施工性についても、通常のコンクリートとほぼ同等です。

図版:フレッシュ性状試験結果

フレッシュ性状試験結果

適用実績

図版:吾妻線岩島・長野原間付替第二吾妻川B

吾妻線岩島・長野原間 付替第二吾妻川B

場所:群馬県吾妻郡

竣工年:2010年2月

発注者:東日本旅客鉄道

規模:7,600m3

図版:中央線西国分寺・国立駅間高架橋

中央線西国分寺・国立駅間 高架橋

場所:東京都国立市

竣工年:2009年1月

発注者:東日本旅客鉄道

規模:5,780m3

図版:平成20-22年度 中畑トンネル

中畑トンネル

場所:愛媛県宇和島市

竣工年:2010年8月

発注者:国土交通省四国地方整備局

規模:1,020m3

学会論文発表実績

  • 「ポリプロピレン繊維の形状がコンクリートの靱性改善効果に及ぼす影響」,土木学会年次学術講演会講演概要集,Vol.55,2000年
  • 「剥落防止を目的とした繊維補強コンクリートの実橋への適用性検討」,土木学会年次学術講演会講演概要集,Vol.56,2001年
  • 「剥落防止を目的とした有機系繊維補強コンクリートに関する研究」,コンクリート工学年次論文集,Vol.23,No.1,2001年

浸透性吸水防止材
「マジカルリペラー®

コンクリートの耐久性を向上させる表面含浸工法

コンクリート構造物は、海岸地域では飛来塩分による塩害、寒冷地域では凍結融解の繰り返し作用による凍害など、環境条件や使用条件によっては早期に劣化が進行します。これらの劣化にはコンクリートに浸透する水が影響しているため、水の浸透を防止することによって劣化の進行を大幅に抑制することができます。

マジカルリペラーは、コンクリート表面にシリコーン樹脂の吸水防止層を形成して、コンクリート内部への水や劣化因子の浸透を防止する材料です。塩害・凍害・アルカリ骨材反応などの劣化進行を遅らせて、コンクリート構造物の耐久性を向上させます。新設構造物の予防保全対策及び補修した構造物の再劣化防止対策のいずれにも適用することができます。

マジカルリペラーはクリーム状であるためコンクリート表面への付着性が良好であり、鉛直面や天井面にも容易に塗布することができます。

2021年コンクリート工学会賞 技術賞
特許登録済

図版:マジカルリペラー

マジカルリペラー

キーワード
コンクリート構造物、浸透性吸水防止材、表面含浸材、耐久性向上、予防保全、劣化防止、塩害、凍害、アルカリ骨材反応

施工方法

マジカルリペラーは、コンクリート表面に塗布するだけで吸水防止効果を発揮します。施工条件として、コンクリートの表面水分率は5%程度が目安であり、塗布・養生中の外気温は0℃以上であることが必要です。コンクリート表面に付着した汚れを落とす程度(新設構造物では型枠剥離剤を除去する程度)の簡単な下地処理を行った後に、ローラー刷毛またはエアレススプレーを用いて塗布します。マジカルリペラーはペースト状の材料であるため、塗布の際に飛散や液ダレが生じにくく、1回の塗布作業で所定の使用量を付着させることができます。塗布後1日程度は、水に濡れない状態で養生を行います。

図版:ローラー刷毛による施工状況

ローラー刷毛による施工状況

図版:エアレススプレーによる施工状況

エアレススプレーによる施工状況

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特長・メリットココがポイント

優れた吸水防止効果

マジカルリペラーを塗布することで、コンクリート表面に水滴を通さない吸水防止層を形成します。

  • 表面から数mm程度まで含浸して吸水防止層を形成するため、長期間にわたる吸水防止効果の持続が期待できます。
  • 吸水防止層はコンクリートと化学的に結合するため、塗膜のような浮き・剥離を生じることがありません。

図版:コンクリート表面付近の吸水防止層

コンクリート表面付近の吸水防止層

コンクリートの耐久性を向上

マジカルリペラーを塗布するだけで、コンクリート構造物の耐久性が向上します。

  • 外部から水滴や塩化物イオンの浸透を防止するので、塩害環境においても内部鉄筋の腐食を防止します。
  • コンクリート内部の水分を水蒸気の形で外部へ発散させるため、凍害やアルカリ骨材反応の進行抑制が期待できます。

図版:吸水防止層のイメージ

吸水防止層のイメージ

コンクリートの質感を維持

コンクリートに含浸させたマジカルリペラーは無色透明となるため、コンクリートの質感を変化させません。

  • 施工後にコンクリート表面の状態を目視確認できるので、点検や追跡調査などに支障しません。

図版:塗布後のコンクリート表面

塗布後のコンクリート表面

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適用実績

図版:新東名高速道路 引佐地区はく落対策

新東名高速道路 引佐地区はく落対策

場所:静岡県浜松市

竣工年:2012年2月

発注者:中日本高速道路

規模:塗布面積 42,197m2

図版:新東名高速道路 富士東はく落対策

新東名高速道路 富士東はく落対策

場所:静岡県富士市

竣工年:2012年4月

発注者:中日本高速道路

規模:塗布面積 18,810m2

図版:新東名高速道路 掛川地区はく落対策

新東名高速道路 掛川地区はく落対策

場所:静岡県島田市、掛川市、磐田市

竣工年:2012年5月

発注者:中日本高速道路

規模:塗布面積 96,485m2

本技術は、カジマ・リノベイト社でも取扱いしています。

学会論文発表実績

  • 「シラン・シロキサン系撥水材の開発」,コンクリート工学年次論文集,Vol.22,No.1,2000年
  • 「シラン・シロキサン系撥水材の塗布方向に関する一実験」,コンクリート工学年次論文集,Vol.23,No.1,2001年
  • 「シラン・シロキサン系浸透性吸水防止材によるコンクリートの耐久性向上に関する検討」,コンクリート工学年次論文集,Vol.24,No.1,2002年
  • 「浸透性吸水防止材を塗布したコンクリート海洋環境暴露試験」,土木学会,第57回年次学術講演会論文集Ⅴ,2002年9月

プレートフック・プレートナット

鉄筋組立を合理化できる機械式定着工法

プレートフックはせん断補強鉄筋に用いる機械式定着工法で、主鉄筋や配力筋に楔状のプレートをかけることにより、耐震性(靱性)確保も期待できます。

プレートナットは、主鉄筋の定着に用いる機械式定着工法で、杭頭や柱梁の接合部など鉄筋が過密配置となるのを解消できます。また、靱性能を期待しないスラブなどの部材ではせん断補強鉄筋としても適用可能です。

※プレートフックは東京鉄鋼株式会社の登録商標です。

図版:従来工法(左)とプレートフック適用時(右)の比較

従来工法(左)とプレートフック適用時(右)の比較

【プレートフック】

特許登録済
建設技術審査証明 第0511号 (一財)土木研究センター

【プレートナット】

特許登録済
BCJ評定 RC0152-10(SD490以下)、RC0213-05(USD685・590)
CBL RC002-10

キーワード
鉄筋工、機械式定着、主鉄筋、せん断補強鉄筋
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特長・メリットココがポイント

施工性を向上させるプレートフック

耐震性能向上が期待できる、せん断補強鉄筋です。

  • 定着性能は、半円形フックと同等以上
  • 複雑な配筋も、フックがないため施工性向上
  • 分離型で現場での柔軟な対応が可能
  • トータルコストの低減

図版:壁部材への適用例

壁部材への適用例

プレートナットの主鉄筋への適用

主鉄筋の定着に適用すると以下の効果があります。

  • 柱・梁のおさまり部の簡素化
  • 定着強度は標準フックと同等以上
  • 複雑なフックが無くなり施工性が向上
  • 一般評定を取得済(建築対応)

図版:プレートナット(主筋定着部への適用)

プレートナット(主筋定着部への適用)

プレートナットのせん断補強鉄筋への適用

必要な耐震性能レベルによっては、せん断補強鉄筋の定着でも活用できます。

  • 定着性能は半円形フックと同等以上
  • 定着部がコンパクトで施工性が大幅に向上
  • 鉄筋と定着金物が分離型なので、現場での調整が容易

図版:プレートナット(せん断補強鉄筋への適用)

プレートナット(せん断補強鉄筋への適用)

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適用実績

図版:鉄道技術

【プレートフック】

  • 新潟県見附市:青木浄水場更新事業
  • 東日本旅客鉄道:東北縦貫線南部工区建設
  • 東日本高速道路:東京外環自動車道新葛飾橋(下部工)工事
  • 国土交通省:新杉田共同溝(その2)工事

【プレートナット】

  • 東武鉄道:高架橋耐震補強その8工事
  • 近畿日本鉄道:大和西大寺駅自由通路整備および駅舎補償工事

学会論文発表実績

  • 「機械式定着を施したせん断補強鉄筋のせん断補強性能」,土木学会,第75回年次学術講演会,2020年9月
  • 「機械式定着を施した中間帯鉄筋を用いた柱部材の正負交番載荷試験」,土木学会,第75回年次学術講演会,2020年9月
  • 「高強度太径鉄筋の機械式定着工法の検証結果」,土木学会,第65回年次学術講演会,2010年9月
  • 「特殊定着金物を用いたせん断補強鉄筋の接合部強度および定着性能に関する基礎実験」,土木学会,第59回年次学術講演会,2004年9月
  • 「中間帯鉄筋に特殊定着金物を用いた柱部材の交番載荷試験」,土木学会,第59回年次学術講演会,2004年9月

補強土併用一体化橋梁

耐震・維持費削減に優れた橋梁構造を実現
新設及びリニューアル双方に対応

わが国における一般的な単径間橋梁は、支承を介して橋台で橋桁を支えますが、地震時安定性は潜在的に低く、支承自体や背面盛土の沈下・変形が維持管理上の弱点となります。橋台と橋桁をラーメン構造で一体化するインテグラル橋梁でも背面盛土の問題は解決されないため、インテグラル橋梁の利点を活かしつつ、補強土工法の一種であるRRR工法(Reinforced Railroad/road with Rigid Facing method)を用いて、背面盛土の補強とともに橋台へ結合することによって盛土・橋台・橋桁の一体化を図るのが補強土併用一体化橋梁です。

特許登録済及び特許出願中
2011年度国際ジオシンセティックス学会 日本支部論文賞

図版:補強土併用一体化橋梁の位置づけ

補強土併用一体化橋梁の位置づけ

キーワード
ジオテキスタイル、補強土、インテグラル橋梁、一体化、耐震、RRR工法
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RRR工法を応用した補強土併用一体化橋梁

RRR工法とは、土中に引張り補強材を配置して土自身の安定化を図るとともに、剛性の高い一体型壁面を打設して変形抑制効果の大きい急勾配擁壁を構築する技術です。新設用として、面状補強材であるジオテキスタイルを敷設する盛土補強土壁工法と、既設盛土に対して、棒状補強材のラディッシュアンカーなどを打設する切土補強土壁工法に大別されます。

ここで、RRR工法における壁面を橋台ととらえれば、補強土併用一体化橋梁は、盛土補強土壁を応用して背面盛土と橋台を一体化させる新設タイプ(橋台と橋桁はインテグラル橋梁で一体化)と、老朽化した既設橋梁に対して、切土補強土壁を応用して背面盛土と橋台を一体化させ、橋台と橋桁の隅角部についてはコンクリート巻立てや頬杖補強などで剛結一体化させるリニューアルタイプに分けられます。

図版:新設タイプのRRR工法

新設タイプのRRR工法
(ジオテキスタイルを敷設する盛土補強土壁工法)

図版:既設盛土に対するリニューアルタイプのRRR工法

既設盛土に対するリニューアルタイプのRRR工法
(ラディッシュアンカーなどを打設する切土補強土壁工法)

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特長・メリットココがポイント

新設タイプ 
─施工性と安定した構造性能を実現

鉄道総研、東急建設、鉄建建設、クラレ、複合技研、東京理大との共同研究として、鉄道総研内の盛土試験場に新設タイプの試験橋梁を施工しました。なお、背面盛土については、RRR工法に基づいて施工しました。

  • 一体壁面打設の高い剛性を確認するとともに、橋梁躯体(橋台と橋桁)と背面盛土の一体化も、RRR工法の延長線上で施工できることを確認できました。
  • 温度の季節変動等による変状がなく、安定した構造であることが確認できました。

図版:試験橋梁全景(新設タイプ)

試験橋梁全景(新設タイプ)

図版:橋桁部の施工状況(新設タイプ)

橋桁部の施工状況(新設タイプ)

リニューアルタイプ 
─地震時一体性と優れた構造性能を実現

鉄道総研からの受託研究として、鋼桁と橋台を一体化させた隅角部の実大規模の載荷試験を実施。鋼桁と橋台躯体の一体化、鋼桁と橋台パラペットの一体化という二つの構造について確認しました。

  • いずれの構造も地震時断面力に対して一体性を確保され、十分な耐力を有していることを確認し、その結果をもとに設計方法を整理することができました。

図版:鋼桁と橋台躯体を一体化させた隅角部模型の載荷試験

鋼桁と橋台躯体を一体化させた隅角部模型の載荷試験
(リニューアルタイプ)

学会論文発表実績

  • 「GRS一体橋梁(実物大試験)の施工と動態観測」,ジオシンセティックス論文集,第24巻,2009年12月
  • 「補強土工法を併用したインテグラル橋梁の試験施工」,基礎工,Vol.38,No.2,2010年2月
  • 「The construction of geosynthetic-reinforced siol (GRS) integral bridge」,9IGS(Brazil) ,2010年5月
  • 「補強土併用一体橋梁の開発」,鹿島技術研究所年報,第59号,2011年9月
  • 「盛土・橋台・橋桁の一体化橋梁構造 ─RRR工法とインテグラル橋梁の融合─」,土木施工,Vol.53,No.9,2012年9月

コンクリート表層品質向上のための
「美(うつく)シール®工法」

より美しく、より耐久性の高いコンクリートを実現する
全く新しい養生技術

コンクリート構造物の耐久性を低下させる劣化因子は、コンクリートの表面から侵入します。したがって、コンクリートの表層品質を高め、劣化因子の侵入を防止することで、耐久性の高い構造物を構築することができます。

表層部の高品質化の一手段として、セメントの水和反応を最大限発揮させるには、入念でかつ十分な期間の湿潤養生が有効であると考えられています。

「美シール工法」はシートの高撥水性による表面気泡低減効果と型枠脱型後もシートを残置させ長期養生することにより、表層品質の改質を可能とする新しい養生技術です。美シール工法により、構造物の耐久性を向上させることができます。

※「美シール」は、鹿島、積水成型工業および東京大学が共同で開発したものです。

平成28年度土木学会賞 技術開発賞
2018年コンクリート工学会賞 技術賞
特許登録済
NETIS KT-190003-A

図版:劣化因子の侵入と鋼材腐食の概念図

劣化因子の侵入と鋼材腐食の概念図

図版:高撥水性シート

高撥水性シート

キーワード
養生、シート養生、耐久性、表層品質、かぶり、中性化、塩害
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施工方法

美シール工法は、せき板の内側に高撥水性シートを貼りつけた型枠を建て込み、そこにコンクリートを打ち込みます。シートの高撥水性により表面気泡を低減することができ、脱型時にシートをコンクリート側に残置させることで、コンクリートの表面を一度も乾燥させることなく、長期間にわたって湿潤状態を保ち、表面を緻密化することができます。

図版:美シール工法概要

美シール工法概要

従来工法との比較

  • 表面気泡の低減と長期養生が両立できます。
  • 打込みから養生終了まで1度も外気に曝されません。
  • 場所打ち、プレキャストなど各種工法に適用可能です。

図版:シート残置状況

シート残置状況

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特長・メリットココがポイント

表面気泡の低減

  • 高撥水性シートにより表面気泡を低減でき、コンクリート表面の美観が向上します。

図版:美シール工法の表面気泡低減効果

美シール工法の表面気泡低減効果

シートによる長期養生

型枠取外しの際、シートはコンクリートに残置するため、コンクリート中の水分を封じ込めることができ、セメントの水和反応が長期にわたって継続します。これによりコンクリートの耐久性が向上します。

表層品質向上効果

  • 美シール工法による表面気泡低減と長期間養生によって、コンクリートの耐久性が著しく向上します。
  • 中性化抵抗性や塩害抵抗性が向上し、コンクリート構造物の長寿命化に寄与します。
  • 特に、高炉セメントB種などの混合セメントに対して優れた耐久性向上効果を発揮します。

図版:美シール工法による劣化因子の侵入抵抗性の向上

美シール工法による劣化因子の侵入抵抗性の向上

適用実績

図版:長部高架橋

長部高架橋

場所:岩手県陸前高田市

竣工年:2017年3月

発注者:国土交通省東北地方整備局

規模:1,712m2

図版:平成27年度中防内5号線橋りょうほか整備工事

平成27年度中防内5号線 
橋りょうほか整備工事

場所:東京都

発注者:東京都港湾局

規模:約3,000m2

学会論文発表実績

  • 「実規模試験体を用いた熱可塑性樹脂シートによる養生効果の検討」,コンクリート工学年次論文集,2015年7月
  • 「熱可塑性樹脂シートによる長期間の水分逸散抑制養生の効果」,コンクリート工学年次論文集,2015年7月
  • 「コンクリート表層の耐久性を向上する『美シール工法』」,セメント・コンクリート,2016年1月
  • 「高撥水性シール工法によるコンクリートの表層品質向上技術」,コンクリート工学,2016年11月

コンクリートの施工性能評価システム

コンクリートの圧送性や充塡性を評価して初期欠陥を防止

コンクリート構造物を構築する上で、構造物の形状や配筋量などの構造条件、圧送や打込み・締固め方法などの施工条件に対して適切なコンクリート配合を用いなければ、未充塡やコールドジョイントなどの初期欠陥が発生して構造物の品質を損なう恐れがあります。このため、計画段階でコンクリートの施工性能を評価し、適切な施工方法やコンクリート配合を選定することが重要です。

コンクリートの施工性能評価システムは、土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」の考え方に則して、フレッシュコンクリートの施工性能(圧送性・充塡性)を定量的に評価し、初期欠陥の防止を支援するツールです。

特許登録済

図版:評価画面の例

評価画面の例

キーワード
コンクリート、施工性能、圧送性、充塡性、初期欠陥

システムの詳細

本システムでは、条件設定を行ったあと圧送性の評価を行い、そのデータを自動で引き継いで充塡性を評価します。

圧送性および充塡性の評価では、それぞれポンプ閉塞および未充塡の発生確率を算出します。それぞれの発生確率は、構造条件や施工条件とスランプ(流動性)および単位セメント量(材料分離抵抗性)で表現されるコンクリートの施工性能の関係を用い、スランプの変動を正規分布と仮定した確率論に基づき計算されます。ここで用いている、コンクリートの施工性能の関係は土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」に示されているものです。本システムは、同指針の考え方に準拠しつつ、さらに確率論を加えることで定量評価を可能としたものです。

図版:未充塡の発生確率の算出方法

未充塡の発生確率の算出方法

図版:土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」

土木学会「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」

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特長・メリットココがポイント

システムの使用性が高い

  • コンクリートの使用材料や配合、部材の種類、配筋量、締固め作業高さなど基本的な条件のみを用いるため、誰でも簡単に操作できます。
  • 計算時間がわずかであるため、条件変更などによる繰返しの検討が可能です。

図版:入力画面

入力画面

圧送性と充塡性を定量的に評価

  • 圧送性として、ポンプ閉塞の発生確率を算出します。
  • 充塡性として、未充塡の発生確率を算出します。
  • 不具合の発生確率を用いて定量的に評価できるため、構造条件の見直しや施工方法の改善・工夫、適切なコンクリート配合の選定などに役立ちます。

図版:圧送性に関する評価結果の例

圧送性に関する評価結果の例

図版:充塡性に関する評価結果の例

充塡性に関する評価結果の例

適用実績

図版:鉄道

鹿島では、振動締固めを行う一般的なレディーミクストコンクリート(スランプ8~18cm程度)を用いる全ての土木現場を対象に、施工計画時に本システムを活用してコンクリートの施工性能を評価することを原則としています。

学会論文発表実績

  • 「施工性能にもとづくコンクリートの配合設計・施工指針」,土木学会,2016年6月
  • 「初期欠陥を未然に防ぐコンクリート施工性能評価技術」,コンクリートテクノ,2006年11月
  • 「(解説)初期欠陥を未然に防ぐコンクリート施工性能評価技術について」,コンクリート工学,Vol.43,No.2,2005年2月
  • 「セメント・コンクリートの潜在力と変化する社会への対応,環境負荷低減と初期欠陥を未然に防ぐための施工性能評価の視点から」,セメント・コンクリート,No.707,2006年1月
  • 「(報告)コンクリートの施工の問題点とそれらを解決する施工性能評価システムの提案」,橋梁と基礎,2005年10月

目視調査に基づく
コンクリート表層品質評価システム

コンクリートの表層品質を目で見て評価し、品質向上へとつなげる技術

本手法は、コンクリート構造物の表層品質について、目視評価に基づき、簡便かつ定量的に評価できる品質管理手法です。

施工現場においては、PDCAサイクルを回して常に改善を図っていきます。しかし、コンクリート工事において、これまではPDCAサイクルにおける「C;Check」の合理的な評価手法が確立されていませんでした。

そこで、鹿島は「美しいコンクリートは品質と耐久性の高いコンクリートである」を基本的な概念として、いわゆる「見栄え」を尺度とした評価手法を横浜国立大学細田教授と共同で開発しました。この評価手法を用いることにより、コンクリート構造物の表面状態を施工者自らが定量的に評価可能となり、その結果に基づいて具体的な改善・工夫を講じることができ、結果として品質向上に貢献できます。

2019年日本コンクリート工学会賞 技術賞

図版:コンクリート表層品質向上に関するPDCAサイクル

コンクリート表層品質向上に関するPDCAサイクル

キーワード
表層品質、品質向上、目視調査、PDCA、かぶり、美観

本評価手法の概要

コンクリート構造物の耐久性を低下させる劣化因子は、かぶりコンクリートを通じて表面から内部に侵入するため、かぶりコンクリートの品質が非常に重要になります。一方、かぶりコンクリートの品質は、使用材料や配合などに加えて、型枠、打込み、締固めおよび養生などの施工の影響を大きく受けます。そのため、同一のコンクリートを用いて構造物を構築したとしても、施工の良し悪しによって極めて品質の高いものから逆に品質の低いものになる場合もあります。本手法は、コンクリート工事における型枠取外しの際に、コンクリート構造物の表面状態について、鹿島が独自に開発した右の「目視評価シート」を用いて定量的に評価するものです。目視による評価結果に基づきPDCAを回すことで次の施工において改善が行われ、コンクリート構造物の品質向上に大きな効果を上げています。

図版:目視評価シート

目視評価シート
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本手法の適用実績と効果検証

鉄道RCラーメン高架橋

既設路線を高架化する鉄道RCラーメン高架橋(1~3期)に本技術を用いてPDCAサイクルの運用に適用しました。その結果、目視評価の評価値が工期の進捗に伴って改善向上しました。施工段階で以下の工夫、改善が実施されました。

  • 標本ブロックを用いた締固め、剥離剤の最適化検討
  • 打込み中の型枠汚れを防止するシートの適用
  • 打重ね時間間隔、締固め時間の管理の徹底

図版:RCラーメン橋での目視調査状況

RCラーメン橋での目視調査状況

図版:目視評価の結果

目視評価の結果

ボックスカルバート中柱

東京外環自動車道国分工事では、「C;Check 表層品質評価」から、「A;Action 施工法の改善・工夫」までを独自に検討し、構造物の品質向上を図りました。

  • 施工時のコンクリートの性状、運搬、打込み、環境のデータ(例えば、スランプ、運搬時間、温度など)の取得
  • コンクリート構造物の表層品質を目視評価法で実施
  • 評価結果のトレンドを把握して、表層品質に影響している施工要因を分析
  • 施工法に的確な改善・工夫を施し、表層品質をさらに向上

図版:東京外環自動車道国分工事 剥離剤の変更検討

東京外環自動車道国分工事 剥離剤の変更検討

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適用実績

図版:西武鉄道池袋線 石神井公園駅付近高架化

西武鉄道池袋線 石神井公園駅付近高架化

場所:東京都練馬区

竣工年:2013年

発注者:西武鉄道

規模:高架橋5基 橋脚3基 RC桁3連 PC桁5連

図版:東京外環自動車道 国分工事

東京外環自動車道 国分工事

場所:千葉県市川市

竣工年:2019年

発注者:東日本高速道路

規模:1.8kmの壁 中柱

図版:川井浄水場

川井浄水場

場所:神奈川県横浜市

竣工年:2015年

発注者:ウォーターネクスト横浜

規模:処理能力172,800m3/日

学会論文発表実績

  • 「目視評価法を活用したコンクリート構造物の品質確保の取組み」,コンクリート工学,Vol.54,No.10,2016年10月
  • 「コンクリート構造物の品質向上と表層品質評価手法」,コンクリート工学,Vol.50,No.7,2012年7月
  • 「目視調査に基づくコンクリート構造物の表層品質評価手法の実績と調査結果を反映した表層品質向上技術」,コンクリート工学,Vol.52,No.11,2014年11月
  • 「目視調査に基づくコンクリート構造物の表層品質評価手法の特徴・傾向に関する分析」,コンクリート工学年次論文集,Vol.37,No.1,2015年
  • 「目視評価法によるコンクリート構造物の表層品質評価の継続的適用と各種品質向上施策の効果の検証」,コンクリート工学年次論文集,Vol.39,No.1,2017年

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