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化粧品生産施設

虫の発生の原因の一つになり得るカビ。
鹿島は、カビが発生しにくい生産施設を提案します。

近年、気密性の高い建物や地下居室・半地下を有する建物が増加していることから、室内カビ汚染の問題が顕在化しています。計画・設計段階で、防カビタイプの建材の使用や除湿・換気設備の増強等の対策を検討しますが、地球温暖化や夏期の集中豪雨等の影響から、特に非空調の地下倉庫等においてはカビが発生する場合があり、総合的な防カビ対策技術が必要です。そこで鹿島では、Ⅰ.予測評価、Ⅱ.建材選定、Ⅲ.測定診断、Ⅳ.除去対策の4つを柱とする、計画・設計段階から施工中・竣工時まで、段階に応じて単独もしくは相互に活用できる室内カビエンジニアリング技術を確立しました。

図版:室内カビ汚染に対する4つの軸

室内カビ汚染に対する4つの軸

生産施設では、加湿処理を行う空間や低温庫周辺等でカビの発生が懸念されます。カビの発生は、衛生上や美観の問題のみならず、カビを餌として繁殖する食菌性の虫(例えばチャタテムシ等)が繁殖する原因にもなるため、鹿島はカビ対策は重要であると考えています。

生産施設を提案

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Ⅰ.カビ成長環境予測技術

カビ発生リスクを事前に予測し、効果的な対策検討が可能

施設の仕様や建材の種類、または温湿度等の施設の使用条件から、予めカビの発生と成長リスクを予測する評価手法を開発しました。本評価手法を用いて、設計段階における事前のカビ発生予測や運用段階の効果的な対策を提案します。

特徴

温湿度から、カビ胞子が発芽する発生段階と、その後カビ菌糸が成長する段階とを分けて評価することができます。対象となる場所の温湿度(実測値)、あるいは当社保有技術である「キャナリープラン®」で解析した温湿度(計算値)を本評価手法に入力するだけで、カビの発生や成長を予測でき、計画・設計といった初期段階におけるカビの予防対策が可能になります。
また、本評価手法を用いることにより、除湿や換気等の対策を施した場合の効果を定量的に比較・検討しながら、カビ発生リスクが高い場所に適切な提案をすることができます。

「キャナリープラン®

室内の空気質・温湿度・換気性能・省エネ性を総合的に評価する計画ツール。
※『キャナリープラン®』は鹿島の登録商標です。

カビ発生・成長予測モデルのフロー

カビ発生・成長予測モデルのフロー
Evaluation Procedure of Mould Growth Prediction

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Ⅱ.カビ耐性建材の選定技術

データベースと簡易評価法で、カビの生えにくい建材をすばやく選定

施設の環境によっては、温湿度環境の改善だけではカビの発生を防げない場合があります。そのような場合には、あらかじめカビの生えにくい建材を選定することが重要です。
鹿島では、建材の種類によってカビの生え易さが異なることに着目し、①カビ抵抗性試験法を用いたカビ耐性建材データベースと、②短時間でカビ耐性のある建材を選定できる簡易評価法を構築しました。

特徴

①のデータベースには、約50種の内装材単材および下地と仕上げ材を貼り合わせた複合材の情報を登録しています(※1)。また、データベースに登録されていない建材については、②の簡易評価法を用いてカビの生え易さを迅速に評価します。これまで、建材のカビ抵抗性試験には1.5〜2ヵ月の時間を要しましたが、本評価手法は建材表面のpHを測定して約30分でカビの生え易さを把握でき、建材選定までの時間に猶予がない場合でも対応可能です。

※1:2016年1月現在

耐性建材選定フロー

耐性建材選定フロー

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Ⅲ.カビ迅速診断技術

1週間以上必要なカビの調査を、その場で簡単に判定します。

一見してカビに見える汚れも、錆びや建材の化学的な変質である場合もあることから、対策する前にカビであるかどうかを判断する必要があります。これまで付着カビの調査は、その汚れを採取し、実験室にてカビの成長を確認する方法(培養法)しかありませんでしたが、カビを育てるために最低でも1週間を要することから、稼働中の生産施設において、対策立案に時間を要する短所がありました。そこで、これらの問題点を解決すべく、付着カビを対象としたカビ迅速診断技術を開発しました(特許出願中)。

図版:その場で簡単に判定

カビ迅速評価手法と従来法の違い

特徴

「カビ迅速診断技術」は、「①NAD(※2)法」、「②ATP(※3)法」、「③携帯型顕微鏡による形態観察」の3つの技術を用いて行います。
NAD法とATP法は、カビ等の生物が必要とする化学物質の有無を簡易に調べて、室内の汚れがカビであるかを判定する技術で、使用する環境により使い分けます。いずれの手法も携行可能な装置を用いた簡単な操作で、判定に要する時間はNAD法は約30分、ATP法は約1分と短時間であることから、現地での迅速な評価が可能です。また、③については、カビの汚染状況を観察したり、①や②の方法で判断し難い場合等に用います。顕微鏡にモニターを繋ぐことで、現地でお客様と一緒に見て確認することができます。

※2:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド , ※3:アデノシン三リン酸

カビ迅速診断技術

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Ⅳ.防カビ対策技術 建材表面塗布型防カビ剤

内装材表面に直接塗布してカビの発生を抑制

カビ対策は建築と設備の2通りあり、建築では断熱材や防カビ性を持った建材(例:塗料・壁紙)の採用等、設備では除湿機の設置、換気量の増加、空調空気の供給等が挙げられます。しかし、それらの対策が行われる前に、あるいは対策の効果が不十分なタイミングでカビの発生時期を迎える場合があります。また、カビの生えやすい場所が特定の場所だけに限定される場合もあります。そこで、これらの問題を解決すべく建材表面に直接塗布できる液体の防カビ剤『モールセーフ®』を開発しました。

図版:モールセーフ

建材表面塗布型防カビ剤『モールセーフ®
Painting type Anti-mould Agent for Surface of Building Materials『Moulsafe』

特徴

本製品は、薄黄色透明なので美観を損なうこと無くほとんどの建材に適用可能です。また、主成分のアルコールに2種類の有効薬剤を添加しており、より多くの種類のカビに対して防カビ効果を発揮するとともに、ローラーや刷毛を用いて建材表面に塗布することで、有効薬剤が建材の表層に数多く配置され、通常の防カビタイプ建材に比べてより高い防カビ効果を発揮します。揮発性有機化合物(VOC)等の化学物質の放散も少ないので、施設供用中に塗布する場合でも室内空気質への影響はほとんど無く、必要な時に必要な部位だけに塗布いただけます。

※鹿島と三愛石油㈱と共同研究により開発したものです。
※『モールセーフ®』は鹿島の登録商標です。
※販売:大興物産㈱

図版:有効薬剤の付着イメージ

有効薬剤の付着イメージ
Adhesion Image of Active Chemicals

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