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持続可能な水循環型社会へ 鹿島の水環境エンジニアリング

世界人口が69億を超えたいま,食糧やエネルギーとともに水環境が深刻なテーマになっている。
水不足,水質汚濁…。新興国の急速な経済発展に伴い,
社会インフラや安全保障の観点からも水の重要性は増している。
国内では,上・下水道や処理施設などの社会インフラが相次ぎ更新時期を迎え,
成熟社会における持続可能な水環境の再構築が求められている。
水循環システムを支える技術開発とネットワークの構築に取り組む当社の最前線をリポートする。

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大切な水を上手に使う国

日本は,年間降水量が約1,700mmで世界平均約810mmの2倍。しかし人口密度が高いため,一人当たりの水資源の量は年間約5,000m3と,世界平均の3分の1程度にとどまる。さらに降水の多くは,梅雨時や台風の時期に集中するとともに,山間部の多い急峻な国土では,雨は短時間で海洋に注がれてしまう。

我われは,この貴重な水資源を大切に使い続けなければならない。山林・原野から貯水池・河川,用水・上水道,農村・都市,下水道・排水処理,河川・海洋というおおきな水循環の中で,これまで様々な社会インフラを整備し,水資源を有効に利用してきた。

毎日の生活基盤を使いつなぐ

国内の上・下水道事業などの社会インフラは,これまでおもに自治体が担ってきたが,財政悪化などにより担当の職員も減少し,厳しい状況となっている。上水道施設は今後10年ほどで相次ぎ更新時期を迎え,将来的なサービス水準の維持に懸念も出はじめた。一方で下水道施設の普及により,大量に発生する汚泥が廃棄物として環境維持の負担となっている。

老朽化した既存施設を止めずに更新工事する技術(ノンダウン更新)や,バイオ技術などをともなう高度な設備の運転・維持管理など,水循環施設の再整備で民間のノウハウをいかす機会が増えてくる。

鹿島の水環境エンジニアリング

全世界の水需要は,2000年の年間3,973km3から,2010年には約12%,2025年には約32%の急増が予想されている。アジア・南米・アフリカの新興諸国や発展途上国の産業の急成長,人口の増加による経済活動の急速な進展で,地球規模の水資源の需給バランスが悪化している。世界全体の水資源の問題についても,先進国の積極的なサポートが求められる。

日本は,国内の多様な気候・地形・水域のもとで,水環境に関する技術を積み上げてきた。今後は,省資源・CO2削減のノウハウも含めた総合力で,海外進出の有力な産業となることが期待されている。

当社は,水源開発から,都市防災,浄水場,下水・汚泥処理場,海域環境の保全まで,様々な場面で快適な水環境の実現をサポートしてきた。これからも企画・提案,技術開発から,設計・施工,維持管理まで,幅広い技術力と人的ネットワークで,水環境の持続可能な循環型社会を支えていく。

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