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“今の鹿島を知る”in Indonesia

現在,インドネシアにおける鹿島は,
「開発」「建築」「土木」の3つの組織に分かれ,事業展開を行っている。
各組織のトップ3人の連携が,今のインドネシアにおける鹿島ブランド形成の基盤となり,
総合力を発揮する源泉となっている。
ここでは各組織の概要と戦略を知り,そこから見えてきた特徴をFeature1~3で紹介していく。

図版:“今の鹿島を知る”in Indonesia イメージ

Feature1:スナヤン開発を支える人 Feature2:若手所長に聞く Feature3:海外の都市土木 Feature2:若手所長に聞く
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図版:「開発」「建築」「土木」の3つの組織

「開発」

「建築」

「土木」

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「人とのつながりおそが,ビジネスの基本」

スナヤン開発は,2036年までのインドネシア政府とのBOT事業(建設・運営・移管)で,1996年からショッピングセンター,オフィスビル3棟,アパート4棟が順次完成した。現在,開発の最終段階となるホテルを建設中である。アジア競技大会(1962年)の選手村跡地の再開発で,ジャカルタ南部の広大な敷地(約19万m2)は,高級住宅街に囲まれた恵まれた場所にあり,各施設とも高い稼働率を維持している。しかし,立地条件だけが高評価の理由ではない。洗練されたデザインの踏襲,衛生面・セキュリティ面の追求,そして訪れる人に常に新鮮さを味わってもらう工夫など,様々な取組みが複合的に絡み合い魅力を高めている。その屋台骨ともいえるのが約20年に亘りプロジェクトに関わってきた大石修一社長だ。「人とのつながりこそが,ビジネスの基本。出会いを大切にして,良い関係を築いていけば必ず力になってくれる。その力が,ここにはある」と話す。その言葉のとおり,このプロジェクトには様々な人が関わり,魅力的な場所であり続けるために力を尽くしている。

もう一つ重視するのが,ビジネスにはリスクや困難があることを必ず念頭におくことだ。アジア金融危機に端を発した暴動が1998年にジャカルタで起き,プロジェクトを一旦凍結した経験から,ビジネスを広い視野で捉え,リスク分散しておく重要性を説く。「歴史を見ても同じようなことは起きている。次の世代がしっかりと受け継ぐべき“決して忘れてはいけないこと”なんです」。

別ウィンドウが開きます ⇒Feature1:スナヤン開発を支える人

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図版:集合写真

「個の成長がなければ,組織の成長はない」

現在「スナヤン・スクウェア」のホテルの施工を担当するほか,日系製造業の工場8件を設計・施工で対応している。日系企業のインドネシア進出の急増に伴い,2011年度には売上高が前年の2.5倍に急伸した。「仕事が増えたからといって,鹿島としての品質や安全のレベルを落とす訳にはいきません。そのための体制強化を行ってきました」と安田裕気郎社長は話す。杭やコンクリート,防水などの9工種の業務マニュアルや安全ハンドブックを整備し,人材育成に力を入れる。優れた専門工事会社が少ないことから,ワーカー(作業員)を直接雇用している。これはインドネシアならではの特徴でもある。そのため,作業員への直接教育も必要となり,英語だけでなくインドネシア語の冊子も用意した。安田社長が人材育成に力を入れるのは一つの信念がある。「個の成長がなければ,組織の成長はない」。シンガポール,マレーシアなど約20年の海外経験から,様々な人との出会いを通して至った結論だった。この信念の実践が,大規模現場を若手所長に任せるという決断である。

今後は,地域と業種のニつの方向から新市場を開拓していく方針で,第二の都市スラバヤでの案件に注力するとともに,ショッピングセンターなど商業施設の受注も積極化していく。

別ウィンドウが開きます ⇒Feature2:若手所長に聞く

図版:集合写真

インドネシア語の安全ハンドブック

インドネシア語の安全ハンドブック

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「歴史に学び,未来を見据える」

これまで主に政府開発援助(ODA)を中心とした社会インフラ構築に携わり,積極的に地元建設技術者の育成や技術水準の向上に貢献してきた。「今後は,ODAの動向を注視しながらも,民間資本によるエネルギーや資源開発プロジェクトにも目を向けていきます」と鷲見隆所長は話す。これまでインドネシア・ウオノレジョダム,アルジェリア東西高速道路などの施工経験から,当社が得意とする重機土工技術が活かせるプロジェクトについて,フィージビリティスタディなど上流段階からの参画を模索する。

エネルギーや資源開発プロジェクトに注目するのは得意分野が活かせるというだけではない。「継続的に手持ち工事があれば,ローカル企業との信頼関係も生まれます。ただプロジェクトが少なくなり,昔ほど地域に根付く事業活動ができていない」と現状分析をする。

「私が師と仰ぐウオノレジョダムの所長だった福田勝行氏(故人)は,インドネシア人との信頼関係の大切さを常に説いていました。私もこの地に根付き,継続的な仕事が期待できるエネルギーや資源開発などのプロジェクトを通して,地域発展の一翼を担いたいと考えています」。未来を見据えた挑戦が始まったところだ。

別ウィンドウが開きます ⇒Feature3:海外の都市土木

図版:集合写真

タンジュンプリオクの高架道路工事

タンジュンプリオクの高架道路工事

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