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KAJIMA YEARBOOK 2012 topics

KOA

アジア現地法人好調——シンガポールでは超大型プロジェクト続々完成・受注

アジア現地法人カジマ・オーバーシーズ・アジア(KOA)では,シンガポールでビッグプロジェクトが多数完成の時を迎えた。大型建設投資が相次ぐマリーナ地区の中心地に計画された「マリーナベイ・ファイナンシャルセンター」は,2007年からKOAがJVで2期にわたり,オフィスタワー3棟及び付随する商業施設の施工を担当(総延べ約46万m2)。今年4月,タワー3の完成で全体竣工となっている。

また,10月には昨年2月に着工した「シンガポール国立技術教育機関・中央キャンパス及び本部棟新築工事」が竣工した。国の技術教育主要機関であるITE(国立技術教育機関)が,10校に分散した校舎を東・西・中央の3地域に統合する計画の最終段階。シンガポール中心部のアンモキオ地区に,教育施設のほか体育館,陸上競技場,劇場,オフィス,スーパーマーケットなど,計11棟からなる延床面積約28万m2の超大型複合学術施設が建設された。KOAは2004年竣工の東部キャンパス整備に引き続き施工を担当した。

一方,受注関連では,シンガポール唯一の地上波放送局であるメディアコープ社の新社屋の工事が11月からスタートしている。このプロジェクトは,シンガポール政府が高付加価値産業の拠点として開発を進めるワンノース地区内に,劇場やスタジオ,オフィスなどを有するビルを建設するもので,基本設計を槇総合計画事務所,KOAが現地建設会社とJVで施工を担当する。完成は,シンガポール建国50周年となる2015年6月の予定となっている。

このほかKOAは,シンガポールで「シンガポール国立大学医学部MD1棟」,「国立シンガポール工科・デザイン大学」の新築工事に着手。タイでは水害復旧・復興工事,日系製造業の工場の工事が増加し,2012年度は初の1,000億円超の受注を見込んでいる。

写真:KOA

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図:「メディア・コンプレックス新築工事」完成予想パース

「メディア・コンプレックス新築工事」完成予想パース

写真:ITE中央キャンパス

ITE中央キャンパス

写真:マリーナベイ・ファイナンシャルセンター

マリーナベイ・ファイナンシャルセンター。右2棟が2010年竣工の1期工事タワー1・2(発注者:BFC Development Pte Ltd),左から2棟目が今年4月に竣工したタワー3(発注者:CB Development Pte Ltd)

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Cut&Down

超高層解体技術「鹿島カットアンドダウン工法®」第2弾スタート

鹿島旧本社ビル(東京都港区)を解体するため2008年に実用化された「鹿島カットアンドダウン工法」。今後増加が予想される超高層ビルの解体工事への展開を視野に,当社関係部署・グループ会社が総力をあげて開発した超高層解体技術である。“ビルの最上階から解体していく”という常識を打破し,ジャッキで建物を支持して“だるま落とし”のように下層階から解体していく手法だ。高所作業削減による安全性の向上に加え,騒音,粉じん飛散の抑制など周辺環境への影響を大幅に低減できる画期的技術となった。

この「鹿島カットアンドダウン工法」が,より精度を高め,高さ108m,24階建ての超高層オフィスビル「りそな・マルハビル」(東京都千代田区)の解体工事に適用された。10月24日より約3ヵ月間で23フロアのジャッキダウン解体を行う。大手町という都心の風景から,建物外観をそのままに,静かに超高層ビルが姿を消す。

図:「鹿島カットアンドダウン工法」による解体イメージ。建物外観そのままに,“だるま落とし”のように下層階から解体される

「鹿島カットアンドダウン工法」による解体イメージ。建物外観そのままに,“だるま落とし”のように下層階から解体される

写真:鹿島旧本社ビル解体時の様子

鹿島旧本社ビル解体時の様子

写真:左)解体工事着工前の「りそな・マルハビル」、右)ジャッキダウン(2012年11月16日)

写真左:解体工事着工前の「りそな・マルハビル」、
写真右:ジャッキダウン(2012年11月16日)

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Energy

省エネ・BCP技術に取り組む

東日本大震災以降,省エネ技術の重要性が再認識されている。今年の夏も電力不足は深刻度を増し,節電対策は企業にとって喫緊の課題となった。こうした中,当社は「鹿島スマート電力マネジメントシステム」を鹿島赤坂別館(東京都港区)に導入し,3月から運用を開始している。デマンドレスポンス技術で,ビル側が節電目標に合わせて電力の需要と供給のバランスを調整し,オフィスワーカーの知的生産性を損なうことなく,ピーク時の電力を20%以上節電できるシステムである。今後当社では,自社ビルにおいて実証データを蓄積してシステムをブラッシュアップし,節電対策技術として広く顧客へも提案していく。

写真:東京イースト21

東京イースト21

一方,企業のBCP対策の観点からも新たな取組みをスタートさせている。当社所有のオフィス,ホテル,商業施設からなる大型複合施設「東京イースト21」(東京都江東区)において,施設全体でのエネルギーの面的有効活用と電源の自立性を目指した「スマートエネルギーネットワーク」の構築に着手した(当社,東京ガス,エネルギーアドバンスとの共同事業)。現在,スマートエネルギーネットワークのインフラ整備工事が行われており,来年2月末竣工予定で,実用レベルでは日本最大級となる。

※「スマートエネルギーネットワーク」とは,コージェネレーションシステム(以下コジェネ)などの分散型エネルギーシステムに再生可能エネルギーとコジェネ廃熱などの未利用エネルギーを組み合わせ,情報通信技術によって電気と熱を最適に制御し,地域で効率的に活用するシステム。エネルギーセキュリティの向上,省エネ,省コスト,再生可能エネルギーの導入に貢献する。

図:東京イースト21における「スマートエネルギーネットワーク」のイメージ図

東京イースト21における「スマートエネルギーネットワーク」のイメージ図

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