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国宝 姫路城を鉄骨でつつむ 「平成の保存修理工事」を支える建設技術

巨大な鉄骨で囲まれた姫路城の大天守。瓦と漆喰の,およそ50年ぶりの大規模な保存と修理がはじまる。
素屋根(すやね)と呼ばれるこの鉄骨の囲いが,3年がかりの作業の間,瓦や漆喰がはがれた状態の城を風雨から守る。
素屋根最上部には優美な城の姿を間近で鑑賞できるスペースも設置。“半世紀に一度の名所”が生まれる。
こうした工事は伝統技術のイメージが強いが,姫路城に素屋根を架けること自体が,
じつは非常に難しい建築工事である。
文化財を護る保存修理工事の,もうひとつの見どころをリポートする。

特集イメージ

鉄骨で覆われつつある2010年7月時点の大天守。素屋根の内部には,見学用のエレベータとスペースがまもなく完成。城を間近で見ることができる,またとないチャンスが訪れる。漆喰塗りなどの一連の作業も公開される予定だ。

改ページ

地図

【工事概要】

国宝姫路城大天守保存修理工事

場所:
兵庫県姫路市
発注者:
姫路市
設計・監理:
文化財建造物保存技術協会
規模:
大天守—木造 B1,5重6F 延べ2,409m2 素屋根—S造 8F
工期:
2009年10月~2015年3月
(関西支店JV施工)

【姫路城略年表】

1346年
赤松貞範が姫山に築城
1581年
羽柴秀吉が3重の天守を築く
1609年
池田輝政による大改築で大天守が完成
1951年
天守ほか7棟が国宝に指定
1993年
日本初の世界遺産に登録

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