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KAJIMA in USA ~米国進出50年を迎えて~

2014年の幕が開けた。今から50年前,鹿島は米国への第一歩を踏み出している。
半世紀の軌跡からは,心棒となる企業文化を守り,時代や顧客のニーズに応え,アメリカという地に,
しっかりと根を下ろしてきた姿が見えてくる。
そして今,様々な機能を持つ組織が,有機的に結びつき,新たな価値を創造する企業グループとして成長を続けている。
そこに映しだされるのは,建設業の根幹,そして未来——。米国でのビジネスの最前線を追った。

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米国進出50年 主なトピック

1960
  • 「リトル・トーキョー」の再建・美化のため当社初の現地法人を設立(1964)
1970
  • 「リトル・トーキョー」の開発事業を本格化(ホテル,商業施設の建設)
  • 全米各地で開発事業を開始
  • 設計・施工体制の確立
1980
  • 米国を統括する現地法人KUSA設立(1986)
  • 日米貿易摩擦,プラザ合意による円高で,日系企業の生産拠点移転が加速
  • 日系製造業を中心とした受注増
1990
  • 日本のバブル崩壊
  • 多様な収益源を得るため開発・設計・施工機能を持つ複数の現地法人を設立
  • ITバブルによるデータセンター受注増
2000
  • e-ビジネス躍進により流通倉庫の開発事業が急成長
  • 企業買収による事業拡大
  • リーマンショックによる市場縮小
2010
  • 高層賃貸アパートメントの開発事業を開始(2011)
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企業文化と目指すべき姿 ~米国進出50年にあたって~

図版:常務執行役員 海外事業本部長 越島啓介

常務執行役員
海外事業本部長
越島啓介

2014年は,鹿島と米国にとって,記念すべき年です。ちょうど50年前の1964年,ロサンゼルス市「リトル・トーキョー」の再建・美化の要請に応えるため,当社は初の海外現地法人を設立し,本格的な米国進出を果たしたのです。その歩みは,変化への対応の歴史だったと言えるでしょう。2度のオイルショック,日米貿易摩擦,プラザ合意,日本のバブル崩壊,ITバブル,e-ビジネスの躍進,リーマンショックなど様々な外部要因により,ターゲットとなる顧客や市場は,幾度となく変遷してきました。そのような経営環境のなか,半世紀にわたり米国で生き残ってこれたのは,時代の流れを読み,顧客を大切にし,新たな挑戦を恐れずに,仕事を成し遂げるという,先人が醸成した“企業文化”を長年受け継いできたからだと確信しています。

その最たる例が,全米屈指の流通倉庫開発会社に成長したIDIです。米国の物流革命を見越した新事業として,1989年に社員29名で設立された同社は,先人に育まれ90年代半ばまでに,年間倉庫開発面積で全米トップの一角を占めるようになり,長らくKUSAの経営を支えてきました。昨年,KUSAはその持分を売却して事業からの大きな果実を得ました。IDIの開発事業により,KUSAがグループ内で開発から建設までを行う協業体制が整い,創業以来24年間で開発した案件は600件,延床面積は1,300万m2に及びました。

今世紀に入り,KUSAはグループとしての“目指すべき姿”を定めました。初めに,建設事業や開発事業を行う各事業会社が,特定の事業領域(分野・地域)でトッププレーヤーとなり,それぞれが得意分野を活かし,高品質で付加価値の高いサービスを提供すること。さらに,各社が得意分野を持ち寄って協働することで,他社が真似できないユニークなサービスを市場に提供すること。その結果として,グループとしての企業価値を高めようと考えました。このビジョンは今も変わっていません。また,ビジョン達成のため,国内では馴染みが少ない企業買収を積極的に行ってきました。KUSAは今,開発・設計・施工などの様々な機能を組み合わせた独自のサービスを提供できる企業グループへと成長を続けています。

KUSAではグループ会社の社長会や事業責任者レベルの横断的な会議を開催して,各社がお互いの事業に理解を深め,協業による新しい試みの可能性を探る環境を調えています。特にリーマンショックの後は,建設も開発も市場が冷え込むなかで,新しい需要を事業機会として捉え,一社ではできないプロジェクトを協力して形成しようという機運が高まりました。その一例が2011年にスタートした高層賃貸アパートメントの新たな開発事業です。これまで米国の不動産市場にはなかった画期的な商品で,現在,米国の各都市で展開中です。

今後も,鹿島の米国事業は,“企業文化”と“目指すべき姿”を忘れることなく,自由な発想と旺盛な好奇心を,変化を捉える気概につなげていけるものと信じています。

50年という節目に,鹿島のものづくりの文化が,米国で時代の流れを先取りして,形を変えながら成長する新しいスタートの年となることを期待しています。

KUSA(カジマ・ユー・エス・エー):全米を統括する現地法人
ID(I インダストリアル・デベロップメンツ・インターナショナル):流通倉庫開発・運営会社

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