橋は,川や谷をまたぎ,街をつないで,私たちの生活を支えています。
橋には様々な構造があり,地形や地盤,経済性,景観などにあわせて
設計されます。工事の仕方もいろいろありますが,
深い谷では橋脚を立ててから左右にバランスを取りながら橋桁を架けていく
方法でつくられることが多くなっています。
「やじろべえ」のように
コンクリートの橋では一般的に,橋脚をつくった後に地上から橋桁を支えるための「支保工」とよばれる鋼材などを組んで,その上に桁を架けるのが最も基本的な方法です。しかし谷が深くなれば,谷底から支保工を組むことが難しくなります。
こうした状況で活用されるのが「やじろべえ」のように1本の橋脚の左右でバランスをとりながら,橋桁を張り出していく施工方法です。この工法は支えがいらないため,深い谷や流れの速い川,交通量の多い街路上などでも橋を架けることができ,橋脚の間隔が大きな長大橋を経済的に施工できます。
効率的で安全
はじめに,橋を支える基礎をつくり,橋脚を立ちあげていきます。そして橋桁を張り出していきますが,ここで活躍するのが,移動作業車と呼ばれる足場や型枠を備えた屋根つきの作業場です。このなかでコンクリート打設などの作業を進めていくことで,気象条件に左右されず効率的で安全な施工が可能になります。コンクリートはPC鋼線などで補強してプレストレストコンクリートとするのが一般的です。
橋脚から橋桁が左右に伸びていくと,橋桁は移動作業車と自分の重さでだんだんたわんでいきます。そのため橋桁は上向きにつくって,できあがりで計画通りになるよう調整していきます。当社では独自に開発したシステムを使ってミリ単位で管理しています。