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火山と暮らす

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図版:悠久の自然”(エトナ山・イタリア)

悠久の自然
(エトナ山・イタリア)

イタリア・シチリア島にある欧州最大の活火山,エトナ山。2013年にユネスコの自然遺産として登録され,美しい火山のひとつとして知られる。東海岸のアイコンであるこの山は,今もなおほぼ継続的に噴火活動がみられる世界で最も活発な成層火山で,その歴史をたどれば50万年前まで遡ることができる。これまでの噴火活動の連続が新たな自然環境を形成し,大自然の変遷を記録する貴重な姿をみせている。頂上を中心に山の緑と重なるように模様をつくるのは今なお噴き出す火山灰と溶岩の痕跡である。それらのすぐそばの水はけのよい山裾にはぶどう畑や果樹園などが広がり,人々の生活が営まれている。エトナ山とは今もなお新たな恵みを生み出す,悠久の自然のシンボルなのである。

地図:エトナ山・イタリア
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図版:カルデラの市街(阿蘇山・日本)

カルデラの市街
(阿蘇山・日本)

一方,日本の阿蘇山。約27万年前〜9万年前の大規模な噴火が巨大なカルデラをつくった。市街地が広がるのは,そのカルデラの中である。さらに内輪山は現在も活動する活火山で,大きな被害にあった2016年の熊本地震では,関連は不明だが地震に続いて小規模な噴火が起こった。

今回取り上げたイタリアと日本はともに火山大国である。この連載の衛星写真は,昼間,雲が邪魔しない快晴のワンチャンスに撮影した光学画像だが,マイクロ波によるレーダ衛星を用いると昼夜24時間,天候にも左右されずに観測できる。そうした合成開口レーダ衛星を運用して,イタリアは国内に留まらず日本についても火山活動を監視,地殻変動などを観測している。

地図:阿蘇山・日本

T.A.R.O.

衛星画像のスペシャリスト集団。東京・日本橋にて超小型衛星の設計・製造・運用を行うアクセルスペース社のビジネスチーム。画像は,24時間365日,高度500kmの上空から地球観測(リモートセンシング)を続ける同社開発の超小型人工衛星「ほどよし1号機」が撮影したもの

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