ホーム > KAJIMAダイジェスト > October 2019:特集 ICT x 発想力 ~新たなワークスタイルを創る~

特集 ICT x 発想力

インターネットの出現とICTの急速な普及により広まった情報革命から約30年——。

世界は,AIやIoTなどの新技術が生み出す自動化や生産性向上,コネクティビティによる第四次産業革命を迎えた。今や情報化社会は当たり前となり,私たちの周りには多くのICTツールが溢れ,そして日々進化し続けている。

ここで,一度立ち止まって振り返ってみよう。私たちは本当に有効活用でき,思い描く働き方を成し遂げられているだろうか。ICTツールは導入することがゴールではない。大切なのはどう使うかであり,そこで必要となるのが「発想力」だ。

ICTツールを活用した新たなワークスタイルの創造。その取組みを紹介する。

「現場見える化」, 新章開幕

土木部門では,2018年4月に当社土木管理本部内に発足した生産性推進部を中核に,
ICTやCIMを活用した建設現場のデータ化を通じ,生産性の向上や管理業務の高度化・効率化を図っている。
将来の建設業の姿を見据え,あらゆる分野に関する変革を推し進めており,既に多くの現場で運用が始まった。
目指すのは,安全な施工と働き方改革の両立を,全現場で達成すること。
ここではその一例を紹介する。

改ページ

カメラ活用の無限の可能性

カメラを活用して現場管理の生産性向上を図る。この言葉だけでは,情報通信網の発達や映像の高画質化,画像処理技術の進歩に伴い現場でWEBカメラを導入する動きが一般化した今,特に目新しさは感じない。現状,多数の現場で遠隔から状況を確認できるようになったが,現場管理が劇的に変わったとは未だ言い難い。

では,屋内から現場の全ての状況が確認できるほど多くのカメラを設置すると発想してみよう。そこでは,画面上から重機や作業員の位置・状態をリアルタイムで把握できる。さらに,他のICTツールを組み合わせてみる。例えばダンプトラックの走行経路や運搬回数など,GPSを活用して得られる情報を全て見える化・データ化し分析することで,ルートや配車など作業計画への反映が可能となる。全現場の情報知が集積されビッグデータになれば,より画期的な現場管理の発見につながるかもしれない。

カメラの徹底設置を皮切りに,活用の可能性は次々に広がりをみせる。土木部門は既に国内のほぼ全ての現場でWEBカメラの導入を終えた。次はいかに活用するか,鹿島の発想力の見せどころだ。

カメラによる
現場状況の見える化

現場に全作業エリアをカバーするWEBカメラを設置し,現場カメラの新たな活用方法を試行している。併せて,本支店からも現場で見るのと同じような映像の見える化,保存・展開する仕組みを構築する。将来的には画像処理やAIを駆使し,「カメラを通じて人が判断する」から「カメラ自体が判断する」の実現を目指す。

図版:重機や人の位置情報などの一元管理画面イメージ

重機や人の位置情報などの一元管理画面イメージ

図版:運用が始まっている枚方工事スマートオフィス(大阪府枚方市)

運用が始まっている枚方工事スマートオフィス(大阪府枚方市)

改ページ

重機・人の状態の見える化

カメラに加えセンサを利用して重機や人の位置・状態を見える化する。重機稼働状況はデータ化し蓄積。それを分析することで,稼働率の悪い重機の返納やサイクルタイムの評価など生産性向上に利用する。また,作業員の心拍数や体温などのバイタル情報も見える化し,健康状態を把握する。

図版:ツインシティ大神(神奈川県平塚市)の重機の見える化の様子, 枚方工事の人の位置や心拍数,体温などのバイタル情報の見える化の様子

ContentsOctober 2019

ホーム > KAJIMAダイジェスト > October 2019:特集 ICT x 発想力 ~新たなワークスタイルを創る~

ページの先頭へ