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乾きの大地

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図版:塩が描く渦(カヴィール砂漠,イラン)

塩が描く渦
(カヴィール砂漠,イラン)

カヴィール砂漠は,イラン高原北部の4,000〜5,000m級の山脈に囲まれた盆地に広がっている。砂漠をつくっているのは大部分が塩分を含む泥で,乾燥した気候ゆえに結晶化した塩が広大な平原を覆う。時折起こる砂嵐が渦巻状の独特な模様をつくる。塩の結晶が光を反射させ,類を見ない色調を醸し出しているのだ。今は写真に青く見える湖や沼も,猛烈な砂嵐が起これば一瞬にして覆われてしまうはかない運命にある。植物も動物もほとんど生息しておらず,延々と続く塩の砂漠を縦断するのは昔も今も困難である。地上からは見ることのできない,衛星写真ならではの光景である。

地図:カヴィール砂漠,イラン
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図版:1億年後のクレーター(ゴッシズ・ブラフ,オーストラリア)

1億年後のクレーター
(ゴッシズ・ブラフ,オーストラリア)

オーストラリア中央部にあるゴッシズ・ブラフ。この砂漠に浮かぶ奇怪な岩山は,1億数千万年前の遥か昔,恐竜が生きていた時代に巨大な彗星か隕石が衝突してできたと推定されている。当時生まれたとされる直径約20kmのクレーターは時間の経過とともに浸食され元のかたちを残していない。中心部に残ったのがこの,直径約5km,高さ150〜180mの絶壁が連なる岩山である。オーストラリアは地殻変動が少なく砂漠も多いため,隕石が衝突したと思われる痕跡が数多く残っており,20億年以上前の地球の太古の岩石も存在している。

地図:ゴッシズ・ブラフ,オーストラリア

T.A.R.O.

衛星画像のスペシャリスト集団。東京・日本橋にて超小型衛星の設計・製造・運用を行うアクセルスペース社のビジネスチーム。画像は,24時間365日,高度500kmの上空から地球観測(リモートセンシング)を続ける同社開発の超小型人工衛星「ほどよし1号機」が撮影したもの

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