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concept

帝國製薬
日本橋本町二丁目ビル

風格ある日本橋の街並み形成

図版:北側正面ファサード

北側正面ファサード。花崗岩打込みPCa外装による三層構成の石積外観

Photo:エスエス東京支店

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帝國製薬が創業170周年を記念し,建設したオフィスビルである。敷地は江戸期に薬種問屋が軒を連ね,現在もライフサイエンス企業が集積する大伝馬本町通りに面している。生命の尊厳に謙虚に取り組む企業姿勢を表出するとともに,日本橋の歴史と風格ある街並みへの寄与が企図された。

地区計画を活用しセットバックすることで,店舗が面したピロティは賑わいの連続性と快適な歩行空間を実現した。

花崗岩打込みPCa版の外観により,周囲の石仕上げの街並みとの調和を図りつつ,さらに黄金比を用いた幾何学検討による三層構成によって立面のプロポーションを整えている。またエントランスは,利用者を迎え入れる場として温かみと高揚感のある空間を意図して,斫(はつ)りの粗さを変えた石壁が季節や時刻の変化によって多彩な表情を見せる。大型再開発が進む地域にあって,街並みに溶け込みつつ,固有の存在感,重厚な品格を表現している。

日本橋エリアにおいて持続可能なオフィスビルとして,ハニカムダンパによる制震構造を具備し,被災時には近隣の都市型スマートシティビルから安定電力供給を受ける。フロア3分割300坪3.6mモジュールのL型のフレキシブルな無柱の執務空間は,マーケットに対応した合理的な計画とした。(仙波武士・大橋隆男・浅川毅郎)

図版:石の素材感と柔らかな陰影のエントランスホール

石の素材感と柔らかな陰影のエントランスホール

図版:南面見上げ

南面見上げ

図版:シンボルツリーを望むエレベーターホール

シンボルツリーを望む
エレベーターホール

図版:夕刻の石壁の表情

夕刻の石壁の表情

図版:黄金比による立面構成

黄金比による立面構成

帝國製薬 日本橋本町二丁目ビル

  • 場所: 東京都中央区
  • 発注者: 帝國製薬
  • 設計: 当社建築設計本部
  • 用途: 事務所
  • 規模: CFT造 B1,9F,PH2F 
    延べ12,654m2
  • 工期: 2016年9月~2018年6月

(東京建築支店施工)

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写真

仙波武士
(せんば・たけし)

建築設計本部
グループリーダー

主な作品:
  • 資生堂湘南研修所
  • 時事通信社ビル
  • 虎ノ門タワーズ/オフィス棟
  • ブリーゼタワー・ブリーゼホール
  • 中野セントラルパーク・サウス
  • ANA Blue Base

写真

大橋隆男
(おおはし・たかお)

建築設計本部
チーフアーキテクト

主な作品:
  • 当間高原リゾートアネックス
  • 虎ノ門タワーズ/オフィス棟・
    レジデンス棟
  • 東京建物日本橋本町
    二丁目ビル
  • ファーレ立川7-4街区
  • 中野セントラルパーク・サウス

写真

浅川毅郎
(あさかわ・たけお)

建築設計本部
チーフアーキテクト

主な作品:
  • 中野セントラルパーク・サウス
  • 虎ノ門タワーズオフィス改修

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