濁水処理装置自動運転システム
最適な薬品量の自動添加と遠隔監視
鹿島は、建設現場の排水処理に用いる濁水処理装置において、最適な薬品量を自動で添加するシステムを開発しました。
既存の濁水処理装置に後付けできる本システムは、これまで人が現地で行っていた薬品添加に係る管理業務を自動化し、濁水処理装置の稼働状況などを遠隔監視することができます。また、異常時などにはアラートメールが本システム利用者に自動配信され、薬品添加量の調整などを遠隔で操作可能です。
これまでに、国内の4現場で本システムを試験導入し、その効果を検証した結果、薬品添加に係る管理業務時間を約90%、薬品添加量を約75%削減できることを確認しました。
特許出願中

本システムを適用した濁水処理装置
- キーワード
- 濁水処理装置、遠隔自動運転システム、遠隔操作、薬品最適添加
システムの概要
本システムは、中小規模の濁水処理装置の薬品添加に係る管理業務を自動化するもので、最適な薬品量の自動添加と、モニタリング・アラートの2つの機能で構成されています。
薬品の流量を測定する流量計、薬品の残量を確認する残量計、原水の性状を測定するpH計および濁度計、PLC※1とインバーター※2を内蔵した制御盤を、既存の濁水処理装置に後付けする仕様です。pH計および濁度計の測定結果を受けて、PLCにより各ポンプの起動・停止や流量制御を行い、薬品添加量を調整します。
本システムは、メーカーを問わず、どの濁水処理装置にも適用可能です。
※1 Programmable Logic Controller: 設備や機器の動作をプログラムで制御する装置
※2 交流の周波数や電圧の大きさを自在にコントロールし、設備や機器の動作を調整する装置

システム構成図 ※緑が後付け計器・設備

遠隔管理の様子

管理画面イメージ
試験導入の効果検証
管理業務時間を約9割削減
本システムの導入により、濁水処理装置の稼働状況や処理水の性状変化の確認、薬品添加量の調整などのために、現場に赴く必要がなくなったことが、管理業務時間の大幅な低減につながりました。

管理業務時間の比較
薬品添加量を約7割削減
夜間や休日など現場が稼働していない時間帯においても、湧水などが現場に流れ込むため、排水処理が発生します。本来、湧水などは薬品添加が不要な性状であることがほとんどですが、現場が稼働していない時でも、あらかじめ設定した一定量の薬品を添加し続けることが多くありました。これに対し、本システムの導入により、原水の性状に応じた適正量での薬品添加が可能となり、環境負荷低減に寄与しました。

薬品添加量の比較
適用実績
![]()
山岳トンネル工事、シールドトンネル工事や造成工事等に採用しています。
学会論文発表実績
- 「濁水処理装置の自動運転システムの開発」,土木学会,第80回年次学術講演,2025年9月