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臨海・港湾技術

施工技術

桟橋・ドルフィン上部工のフルプレキャスト工法
「クロスパイルピア工法®

プレキャスト上部工と斜杭頭部の接合構造を新たに開発

海上工事では気象・海象条件の影響を受けやすく、いかに海上作業を省力化することが課題です。本工法は、海上における斜杭式の桟橋およびドルフィンの構築方法として、斜杭頭部の接合構造を新たに開発、適用することで、上部工をフルプレキャスト化し、海上作業を大幅に省力化できる工法です。

特許登録済
(一財)沿岸技術研究センター評価証 第24005号

図版:クロスパイルピア工法の接合構造イメージ

クロスパイルピア工法の接合構造イメージ

キーワード
斜杭式、桟橋、ドルフィン、プレキャスト、フルプレキャスト上部工、工期短縮、海上作業、省力化
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開発の背景と本工法の概要

桟橋およびドルフィン上部工の構築は、一般的に、足場・型枠・支保工設置、鉄筋組立、コンクリート打設の一連作業を全て海上で行います。そのため、風や波浪、潮位などの気象・海象条件の影響が大きく、工程遅延や施工効率低下のリスクが常にあります。

その解決策の一つとして、プレキャスト上部工を陸上ヤードで製作し、海上に打設した杭の上に起重機船(クレーン船)で一括架設するフルプレキャスト工法があります。一般的には、プレキャスト上部工に杭を挿入する孔を設けておきますが、斜杭では、斜角を考慮する必要があるため、直杭に比べて接合部の孔が大きくなり、接合部の品質や強度を確保する補強等の海上作業が必要となることにより、施工に時間を要していました。このように、斜杭式では、品質と合理的な施工性確保の両立が困難で、プレキャストのメリットを十分に活かすことができないため、フルプレキャスト化が進んでいませんでした。

そこで、斜杭式の桟橋・ドルフィン上部工のフルプレキャスト化を実現すべく、プレキャスト上部工と斜杭頭部の接合構造「クロスパイルピア工法」を新たに開発しました。

本接合構造は、プレキャスト上部工に杭を挿入する一般的な接合構造とは異なり、仮受管を鋼管杭に被せ、その上面に鋼管杭と同じ斜角の鞘管を埋め込んだプレキャスト上部工を架設し、鞘管と鋼管杭の中に小径の接合管を挿入するものです。これにより、フルプレキャスト化された上部工と支持杭を高品質で接合でき、また、合理的な施工性を確保することができます。

図版:フルプレキャスト化した杭頭接合構造の概要

フルプレキャスト化した杭頭接合構造の概要

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施工手順

本工法による接合手順は、まず、海上に斜めに打設した鋼管杭の上部に仮受管を設置し、その上に、プレキャスト上部工を起重機船で一括架設します。その後、鞘管と鋼管杭の中に接合管を挿入し、シムプレート(鋼板)を接合管上部と鞘管に溶接。最後に、無収縮モルタルやコンクリートで斜杭頭部を充填することで、プレキャスト上部工と斜杭頭部を一体化します。

図版:クロスパイルピア工法 動画説明

クロスパイルピア工法 動画説明(動画:2分36秒/音なし)

本工法によるプレキャスト上部工と斜杭頭部の接合手順

図版:本工法によるプレキャスト上部工と斜杭頭部の接合手順

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特長・メリットココがポイント

特長

  • 海上工事の期間短縮、品質の安定、安全性の向上を実現
  • 潮待ち作業が減り、工程遅延リスクが低減
  • 波浪による足場・型枠等の損傷リスクを最小化し、施工効率低下のリスクが低減
  • 海上でのコンクリート打設量が減り、水質汚濁リスクが低減
  • 工事中の海域占有期間を短縮できるため、周辺の船舶航行や漁業操業への影響が低減

※潮汐差が大きい場所において、干潮時の推移が低い時間帯に行う作業

メリット

従来工法と比較した場合

  • 海上工事期間を50%、全体工事期間を15%短縮可能
  • 現場従事作業人員20%削減
  • 工事に伴うCO2排出量10%削減
  • 建設コストは従来工法と同等

※一般的な桟橋を想定したモデルケース(幅15.8m×延長150mの横桟橋)における試算

学会論文発表実績

  • 「斜杭式桟橋の上部工プレキャスト化の実現に向けた杭頭接合構造の開発(その1) ─杭頭接合部の性能確認─」,土木学会,第80回年次学術講演会,2025年
  • 「斜杭式桟橋の上部工プレキャスト化の実現に向けた杭頭接合構造の開発(その2) ─生産性向上効果およびCO2排出量の低減効果─」,土木学会,第80回年次学術講演会,2025年

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