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高付加価値物質を生産する
密閉型遺伝子組換え植物工場を提案します。
バイオテクノロジーの進歩により、遺伝子組換え植物に特定の目的物質を生産することが可能となりました。この技術の活用による遺伝子組換え植物を利用した「ワクチン」や「インターフェロン」など高付加価値物質の生産に注目が集まっています。これを可能とするのが医薬品等製造植物工場です。
しかし、国内では遺伝子組換え生物の取り扱いは法律で規制されており、遺伝子拡散防止の観点から遺伝子組換え植物を一般の畑やハウスで栽培することは困難です。このため、組換え遺伝子の拡散を防止できる「密閉型遺伝子組換え植物工場」における高付加価値物質生産の取組みが進められており、鹿島は当分野で先端的なエンジニアリング実績を保有しています。
医薬品等の高付加価値物質生産のための
「密閉型遺伝子組換え植物工場」
2007年に国立研究開発法人産業技術総合研究所により、世界初の「密閉型遺伝子組換え植物工場」(設計・施工:鹿島)が北海道札幌市に建設されました。また、2012年には公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)により、国内2例目となる密閉型遺伝子組換え植物工場「グリーンケミカル研究所」(設計・施工:鹿島)が建設されました。
この二つの施設は、高度な環境制御機能ならびに遺伝子拡散防止機能を有する植物栽培エリアと、GMP対応の医薬品製造エリアを併有し、外界から隔離した人工環境下で「遺伝子組換え植物の作出」→「種苗の増殖」→「栽培・収穫」→「遺伝子の不活化」→「有用物質の抽出・加工・製剤」を一貫して実施できるシステムで構成されています。
「産業技術総合研究所・密閉型遺伝子組換え植物工場」は、世界で初めてカルタヘナ法第二種産業使用等(施設等の外の環境への拡散を防止する意図をもった遺伝子組換え生物等の使用)に関する規制に適合する施設として確認されています。
これらの植物工場を活用して、関係機関による商業化に向けた取組みが進められており、2013年にはホクサン株式会社により、イヌインターフェロンαを産生する遺伝子組換えイチゴの果実を原料とした、イヌの歯肉炎軽減剤「インターベリーα」が承認を取得しました。医療用成分を産生する遺伝子組換え植物そのものを原料とする医薬品の承認は世界初となります。
密閉型遺伝子組換え植物工場 栽培室
組換え植物由来の医薬品等原料のイメージ
密閉型遺伝子組換え植物工場のメリット
組換え遺伝子拡散の確実な防止
最適な栽培環境条件の確保による天候等に
左右されない安定生産および安定品質の実現
医薬品原料製造に適合した高度な衛生管理
および無農薬管理の実現
植物工場と製剤工場の一体化による輸送・保管に関するコストおよびリスクの最小化
鹿島の密閉型遺伝子組換え植物工場エンジニアリング
医薬品施設エンジニアリングに関する豊富な実績と、植物工場エンジニアリングに関するノウハウの融合により、お客様のニーズに合わせた最先端の密閉型遺伝子組換え植物工場を提案します。
2007年には、「完全密閉型植物工場システム」が『グッドデザイン賞金賞(新領域デザイン部門)』を受賞しています。
- クリーンルーム(クラス100〜100,000)
- GMP対応
- 室圧制御
- バリデーションサポート
- 植物に最適な栽培環境の把握
- 栽培環境制御(光、温湿度、気流、CO2)
- シミュレーションによる室内環境の予測と施設・設備の最適化
- 監視制御室における稼働状況と環境モニタリングの一元管理
- 入退室の集中管理によるセキュリティー保護と交雑汚染防止
- 施設の気密化、室圧制御
- 排気系高性能フィルター処理
- 排水不活化処理システム
- 運用管理マニュアルの導入