ホーム > KAJIMAダイジェスト > December 2011:特集「KAJIMA YEARBOOK 2011」 > 建築/土木

KAJIMAダイジェスト

KAJIMA YEARBOOK 2011

巻頭ページでは, 2011年に竣工した国内外の主要プロジェクトの一部を,
土木・建築と幅広いジャンルにわたりビジュアルで紹介した。
ここでは,当社の2011年の活動を様々な視点からクローズアップする。

建築/土木

歴史的建造物多数手掛ける

姫路城はじめ“平成の大修理”進行中

2011年は,歴史的建造物に関わる工事が目立った。「国宝姫路城大天守保存修理工事」(兵庫県姫路市)は,今年3月,高さ46mにおよぶ大天守を覆い包む鉄骨造の素屋根工事が完了。素屋根内に設置された作業見学スペース「天空の白鷺」も同月にオープンし,話題となっている。4月からは保存・修理作業がスタートし,約8万枚の瓦を撤去して検査・記録・選定作業を実施。瓦屋根の葺替えおよび漆喰の塗替え作業が11月から始まり,2015年3月の完成に向け,工事は折返し地点に差し掛かった。

このほか,国の重要文化財「東京駅丸の内駅舎」の保存・復原工事(東京都千代田区)は,創建時(1914年)同様に復原された華麗なドーム屋根が姿を現し,来年10月全面開業を迎える予定だ。東日本大震災の影響を受けた宮城県松島の「国宝瑞巌寺建造物保存修理工事」も作業を再開し,第Ⅱ期工事の基礎工事と松島町主体の本堂床下での発掘調査が行われている。

写真:❶素屋根で覆われた姫路城大天守 ❷保存修理工事以前の姫路城(提供:姫路市) ❸素屋根内で瓦を撤去する様子 ❹東京駅丸の内駅舎保存・復原工事 ❺着工前の瑞巌寺本堂

素屋根で覆われた姫路城大天守 保存修理工事以前の姫路城(提供:姫路市) 素屋根内で瓦を撤去する様子 東京駅丸の内駅舎保存・復原工事 着工前の瑞巌寺本堂

改ページ

省エネ技術を創る

ZEBへの取組みと節電技術の強化

「ZEB(ゼブ:ZERO ENERGY BUILDING):ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の実現を目指し,積極的な活動を展開する中,2011年は関連技術の実証実験の場となるモデルプロジェクトが続々と誕生した。10月,新築中・小規模オフィスのモデルとして「技術研究所 本館 研究棟」が完成。既存ビルのZEB化にも着目し,夏季休暇9日間で,「鹿島KIビル」6階・1/2フロアを,省エネ仕様に“居ながらリニューアル”した。両者ともに,最新のZEB関連技術を多数導入し,CO2排出量50%削減を目指した運用をスタートしている。来年1月には,超高層テナントオフィスビルの事例として,CO2排出量40%削減が見込まれる「AKASAKA K-TOWER」が完成する予定となっており,ZEBの研究開発の躍進が期待される。

一方,東日本大震災で節電対応が喫緊の課題となった今夏,本社ビル群では社員協力のもと,節電実験を実施した。前年比25%以上の消費電力量の削減を達成。アンケート,実値データを収集・分析し,節電手法のノウハウを蓄積することができた。

写真:❶「技術研究所 本館 研究棟」(東京都調布市) ❷ZEB化改修した「KIビル」6階(東京都港区) ❸「AKASAKA K-TOWER」(東京都港区)

「技術研究所 本館 研究棟」(東京都調布市) ZEB化改修した「KIビル」6階(東京都港区)
「AKASAKA K-TOWER」(東京都港区)

改ページ

アーバンインフラの構築

首都圏主要道路・鉄道の工事

東京都市圏では,3環状9放射道路ネットワークの構築を目指し,3環状線の整備が進む。2006年から施工中の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の裏高尾橋(東京都八王子市)が,まもなく完成を迎える。首都高速中央環状線品川線(大橋JCT~大井JCT)の本線シールドトンネル(北行)工事は,施工延長8kmにおよぶ長距離・大断面のトンネルをシールドマシン1機で施工中。10月末現在,6.1km地点まで到達している。東京外かく環状道路(外環)の千葉区間では,2010年1月着工の開削工法により道路を施工する国分工事が本格化してきた。

一方,都内鉄道網の整備では,JR上野駅~東京駅間を新たに結ぶ東北縦貫線の工事が注目された。神田駅周辺の1.3km,新幹線の軌道上に高架橋を施工しており,難工事が続く。このほか,JR中央線西国分寺駅~国立駅間の高架化工事,調布駅付近連続立体交差に伴う京王電鉄京王線の調布駅地下化工事が,最終段階の作業に入っている。

写真:❶圏央道・裏高尾橋 ❷外環・国分工事 ❸東北縦貫線工事の神田駅付近 ❹中央環状線品川線本線シールドトンネル
(北行)坑内

圏央道・裏高尾橋 外環・国分工事 東北縦貫線工事の神田駅付近 中央環状線品川線本線シールドトンネル(北行)坑内

改ページ

山岳インフラの構築

全国各地でダム工事が節目を迎える

巨大な土木構造物・ダムの施工には,多くの歳月が費やされる。2011年は,全国各地で施工中のダム工事が節目を迎えた。約8年の歳月をかけ施工した稲葉ダム(重力式コンクリートダム)が3月竣工。2007年に着工した殿ダム(中央コア型ロックフィルダム)も11月に完成式が行われ,来年1月竣工予定となっている。9月に本体コンクリート打設を完了した湯西川ダム(重力式コンクリートダム)は,2012年3月の竣工を目指し試験湛水が始まっている。奥胎内ダムでは,10月25日に新潟県胎内市の現地で定礎式が行われ,重力式コンクリートダムの本体コンクリート打設工事が本格化してきた。

一方,既存ダムのリニューアル工事も1月に着工している。鹿児島県薩摩郡さつま町の鶴田ダム(重力式コンクリートダム)では,洪水調節容量の増量をはかるため,貯水容量の拡張と放流設備を増設する。完成は,2015年3月の予定となっている。

写真:❶殿ダム(鳥取県鳥取市) ❷稲葉ダム(大分県竹田市) ❸鶴田ダム(リニューアル) ❹湯西川ダム(栃木県日光市)

殿ダム(鳥取県鳥取市) 稲葉ダム(大分県竹田市) 鶴田ダム(リニューアル) 湯西川ダム(栃木県日光市)

ホーム > KAJIMAダイジェスト > December 2011:特集「KAJIMA YEARBOOK 2011」 > 建築/土木

ページのトップへ戻る

ページの先頭へ