
きわめて計画的な人工都市
(ブラジリア,ブラジル)
ブラジルの首都ブラジリア。リオデジャネイロから遷都され,1960年に完成した計画都市である。街全体が飛行機のような形に設計されており,その姿は宇宙からもよくわかる。機首部分には国会議事堂,大統領府や最高裁判所といった最高機関,胴体部分には官公庁や文化・商業施設,両翼にはホテルや住宅が並んでいる。1987年にユネスコ世界遺産に登録されたが,歴史的な都市ではなく建設30年未満の都市が登録されるのは当時異例のことであった。世界でいちばん若い世界遺産と呼ばれている。翼の付け根部分にあるテレビ塔の正面には「宇宙時代(Era Espacial)」と呼ばれるモニュメントが置かれている——それはさすがに宇宙からは見えない。
