阪神・淡路大震災では,重要なライフラインの一つである高速道路の高架橋が横倒しとなり,それ以降,耐震補強が急ピッチで進められた。当時,鉄板や鋼線などを橋脚に巻き立てるのが一般的だったが,地震力の低減を図り,橋梁上部の変位を抑える免震化技術が注目を集めた。震災直後から,この技術の必要性を強調していたのが技術研究所の野尻所長。震災から8ヵ月後には,新原グループ長も関わった大型振動台での実験が行われ,実用化に目途をつけた。供用中の橋梁の上部工と下部工の間に,免震ゴムを設置して水平力を吸収する仕組みで,今では,多くの実績がある一般的な工法となった。