中期経営計画について,3ヵ年の主要施策を策定するにあたり,ビジョンの実現に向けた中長期的な目標として,「2030年にありたい姿」を定めた。次に,そうなるために3ヵ年ですべきことを主要施策として策定した。これは現状からなすべきことを積み上げただけではなく,将来像からバックキャストによるアプローチも行ったものだ。
中期経営計画の主要施策には,3つの柱がある。一つめの柱は「中核事業の一層の強化」,二つめは「新たな価値創出への挑戦」,そして三つめは「成長・変革に向けた経営基盤整備とESG推進」だ。
3つの柱は,それぞれにおいて,2030年にありたい姿を定めている。

中核事業の一層の強化
中核事業である建設事業・開発事業のバリューチェーン拡充,
収益力向上を推進する
2030年にありたい姿
- ● ソフト・ハード,デジタル・リアルの技術の活用と,強固なバリューチェーンの構築により,持続的に成長している
- ● 「建設現場の工場化」や「サプライチェーン全体の見える化」により,合理的な生産体制を構築している
2023年に向けた主要な施策
- ①
成長領域を見据えた提案力・設計施工力・
エンジニアリング力の強化 - ② 次世代建設生産システムの進化
- ③ バリューチェーンの拡充による顧客価値の最大化
- ④ 開発事業への積極的投資継続による収益拡大
- ⑤ グローバル・プラットフォームの構築・強化
成長領域, 重点分野への取組み

スマート生産, 施工の自動化・最適化の更なる推進

バリューチェーンを通じた顧客への価値提供の取組み強化

開発事業の投資サイクルの拡大成長とポートフォリオの多様化

世界5極体制の更なる発展
- ● 人材面での更なるローカル化
- ● 業務・資本提携等による各国事業基盤の拡充
- ● 上流・下流分野(設計・エンジニアリング,維持管理等)の強化
- ● 建設,開発事業のシナジー発揮


新たな価値創出への挑戦
オープンイノベーション推進体制の確立と,
社会課題解決型ビジネスの有望分野での事業化を推進する
2030年にありたい姿
- ●
社会課題解決型ビジネスの有望分野で
新たな収益源を獲得している - ●
オープンイノベーション推進体制が確立され,
様々な新規ビジネスを創出している
2023年に向けた主要な施策
- ① 社会課題解決型ビジネスの主体的推進
- ②
オープンイノベーションの推進による
新ビジネスの探索・創出 - ③ 未来社会を構想する機能の強化
新たな領域でのビジネス推進

オープンイノベーションネットワーク拡充による,
異業種, ベンチャー企業等の提携推進

フロンティア領域探索のための未来社会構想チームの組成


成長・変革に向けた
経営基盤整備とESG推進
ESG/SDGsへの取組み・投資と,成長・変革を支える経営基盤の整備を進める
2030年にありたい姿
- ● 「鹿島環境ビジョン:トリプルZero2050」に向けて「ターゲット2030」を達成している
- ● 安心・安全・快適で,全ての建設技能者が魅力を感じる現場となっている
- ● 多様な人材が集い,自由闊達な組織となっている
- ● 世界最先端の知と結びついたR&Dが事業をリードしている
2023年に向けた主要な施策
- ① 「トリプルZero2050」の活動加速
- ② 次世代の担い手確保, サプライチェーンの維持・強化
- ③ 成長・変革を担う人づくり・仕組みづくり
- ④ R&D, DXの戦略的推進
2050年カーボンニュートラルの実現に挑戦
- ● カーボン・オフセットのための計画的な投資
- ● CO2-SUICOMなど環境配慮型材料の開発・使用推進

重層下請構造改革

ガバナンス強化
- ●
グループ全体へのDXの浸透,業務プロセス刷新やビジネスモデル創出に向けた
環境構築 - ● サプライチェーンを挙げたコンプライアンス徹底
人材・組織開発, 働き方改革
- ●
多様な人材が集結し,挑戦・成長し続ける仕組みづくり
- 人材開発に向けた諸施策の拡充
(タレントマネジメントシステム活用, 研修制度見直し, 新研修施設活用)
- 人材開発に向けた諸施策の拡充
- ●
柔軟な働き方の推進を通じた高い生産性の追求
- テレワーク, リモートワークの定着, 業務効率化・省力化の推進