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現場社員の言葉で知る「1F」の今 放射線管理

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現場社員の言葉で知る「1F」の今 放射線管理

「1F」の現場で働くことになった時,
不安を感じるのが放射線についてである。
他の現場にはない放射線下での作業における当社の取組みについて,
東電福島建築統括事務所放射線管理グループの折笠正和職員に話を聞いた。

「1F」の現場には,長期で勤務する社員のほか,各支店からも多くの社員が応援に来てくれます。これまでJV他社社員を含め1,343人の社員と4,394人の作業員が作業に従事しています(2016年9月末現在)。当社では,安全・健康を考慮して独自の線量管理基準を定めています。その限度は40mSv/年,80mSv/5年です。ちなみに労働安全衛生法のなかの労働安全衛生規則(安衛則)と電離放射線障害防止規則(電離則)による法定限度は50mSv/年,100mSv/5年となっています。

具体的な管理は,構内で各個人が携帯する警報付きポケット線量計(APD)と積算型線量計(ガラスバッジ)による外部被ばくの測定値,ホールボディカウンタ(WBC)という測定器で検査する内部被ばくの測定値を確実に収集し,個人別の線量管理を行っています。また年2回の健康診断受診が義務づけられていますので,受診が遅れないよう個別連絡も行います。社員・作業員数が多いため,緻密な業務となりますが,当社開発の「放射線管理システム」により,線量管理や健康診断有効期限管理などを一元的に行えるようなっています。

もう一つ大切な管理業務があります。放射線下で作業をするには,作業域の線量環境を知り,作業可能な時間や遮蔽ベスト着用の有無などを決める必要があります。作業着手前に,事前に線量を測定して工事担当者へフィードバックして,具体的な作業計画を決めています。

放射線管理グループでは,放射線管理や健康管理などを徹底して行っています。構内では,除染やフェーシングにより,労働環境は改善していますが,皆さんの不安な気持ちを少しでもなくし,安心して働いてもらえるよう,これからも努力していきます。

写真:折笠正和 職員

東京建築支店
東電福島建築統括事務所
放射線管理グループ
折笠正和 職員

累積線量限度と身のまわりの放射線

図版:累積線量限度と身のまわりの放射線

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