曲がりボーリング式薬液注入工法
「カーベックス工法」
三次元的に削孔制御できるボーリング技術によって、構造物直下の地盤を改良
鹿島とケミカルグラウト(鹿島グループ会社)が開発したカーベックス(CurveX)工法は、曲がりボーリング技術を用いることで、タンク、護岸、鉄道等の既設構造物の直下の軟弱地盤を改良することができます。地下の障害物を避けながらボーリング孔を自在に削孔し、薬液注入工法によって地盤改良を行うことができます。
2001年の工法開発以降、豊富な施工実績(2013年現在で延べ30件程度)があります。対象施設や構造物の外側から施工できることから、施設・構造物を供用しながらの施工が可能です。立坑内から水平ボーリングで削孔し地盤改良する既設構造物直下の従来型地盤改良に比べ、立坑等の大規模な仮設備が不要となるため、コストを削減し、工期を短縮できます。
※「カーベックス」はケミカルグラウトの登録商標です。
特許登録済
カーベックス工法(動画)
- キーワード
- 軟弱地盤、液状化、対策、地盤改良、三次元、曲がり、自在、構造物、直下、薬液、注入、位置検知、障害物、地震、耐震、補強
特徴・施工実績
カーベックス工法は、特殊ロッドの採用により急曲径(最小曲率半径30m)の削孔を可能にしています。また、高精度な位置検知および姿勢制御システムを装備し、位置計測を繰り返しながらボーリングすることで、位置修正の自由度が高く、障害物を避けての削孔が可能です。遠方からの削孔(最大削孔長は200m)であっても、削孔の軌跡を計画位置に対して±30cm 以内を目標とする削孔精度を有しています。代表的な施工実績としては、沈埋トンネル、石油タンク、岸壁等の液状化対策や、道路や鉄道を横断する新設トンネル建設時の止水対策等に採用されています。

施工概念図

川崎港海底トンネルアプローチの液状化対策工事
特長・メリットココがポイント
稼働中施設の構造物直下地盤を改良(液状化対策/耐震補強等)
施設の稼動を止めることなく、対象とする構造物直下の地盤を改良できます。最大200mの削孔が可能なことから、対象構造物の周辺に障害物がある場合も、遠隔地から施工することができます。耐久性・浸透性に優れたシリカ系注入材や極超微粒子セメントを使用することで、砂地盤に立地する構造物の液状化対策や耐震補強が可能です。

稼働中施設の直下地盤の改良例(川崎港海底トンネル)
正確な位置で地盤を改良
地中に障害物がある場合でも、障害物を避けて目標箇所まで高い精度で削孔し、正確な位置で地盤改良できます。削孔の軌跡を、計画位置に対して±30cm 以内で管理できます。高精度な挿入式位置検知センサー・姿勢制御システムの搭載、及び最小曲率半径30mで施工できる特殊ロッドの採用によって、高い位置精度を実現しました。

削孔軌跡(計画と実績)の管理画面の例
豊富な施工実績
2001年に本工法を実用化し、自在掘削技術を用いた注入工法のパイオニアで、2013年現在で約30件の施工実績があります。構造物直下の地盤改良では、注入時に構造物が変状しない施工管理が重要となりますが、各種モニタリングを行いながら、安全・安心な施工を行います。
適用実績

川崎港海底トンネル改良
場所:神奈川県川崎市
竣工年:2008年9月 2009年5月 2010年3月 2010年11月
発注者:神奈川県川崎市
施工目的:液状化対策
規模:Φ2,700
総本数 28本 16本 57本 51本
総削孔長 2,120m 1,197m 4,188m 2,955m
総注入量 2,003m3 1,144m3 2,825m3 1,346m3

旧法特定タンク(T-206)新基準適合化
場所:三重県四日市市
竣工年:2011年1月
発注者:三菱化学
施工目的:液状化対策
規模:Ф1,200~2,250 総本数32本
総削孔長1,300m 総注入量197m3

227タンク液状化対策
場所:大阪府堺市
竣工年:2012年11月
発注者:コスモ石油・コスモエンジニアリング
施工目的:液状化対策
規模:Φ2,250 Φ2,400 総本数24本
総削孔長1,057m 総注入量470m3
学会論文発表実績
- 「曲がりボーリングを用いた薬液注入による液状化対策工法の現地実証試験」,土木学会論文集,No.756,2004年
- 「カーベックス工法の適用と特長」,日本工業出版,建設機械11月号,第43巻第11号(通巻513号),2007年
- 「最近の地盤注入工法 自在ボーリング技術とその適用」,基礎工,Vol.36,2008年5月
- 「三次元削孔による耐震補強・液状化防止工法の現状 ─カーベックス工法─」,建設の施工企画,No.720,2010年2月
- 「曲線ボーリングを採用した供用トンネル直下における液状化対策工事」,土木学会,第65回年次学術講演会,2010年9月
- 「供用中の沈埋トンネル直下地盤を対象とした液状化対策 カーベックス工法の施工実績」,建設の施工企画,No.750,2012年8月
大口径高圧噴射攪拌工法
「ジェットクリート工法」
岩ずりなど様々な地盤をオーダーメイドで改良
鹿島グループのケミカルグラウトが開発したジェットクリート(JETCRETE)工法は、砂質土、粘性土地盤だけでなく、従来改良が難しかった岩ずりを含む砂礫地盤など、様々な地盤を対象に、改良径(直径0.5m~8.5m)と強度(0.1MN/m2~10MN/m2)を任意に設定できるオーダーメイドの地盤改良工法です。従来工法に比べて、産業廃棄物の量が少なく、高圧噴射の高性能化による工期の短縮、改良仕様を状況に合わせて設定できるためトータルコストの軽減を実現できます。改良の際、切削した土砂を、地上に排出させるため、周辺構造物に変状をきたすことが少ない工法です。小型施工機械を用いることで、狭隘な場所でも施工できます。
※「ジェットクリート」はケミカルグラウトの登録商標です。
NETIS KT-170003-VE

岩ずりを含む砂礫地盤での施工実績
(愛媛県、岸壁の液状化対策)
- キーワード
- 軟弱地盤、液状化、対策、地盤改良、深層混合処理、高圧噴射、大口径、オーダーメイド、基礎、杭、補強
施工手順・適用事例
ジェットクリート工法は、超高圧のセメント系固化材とエアーを地中に噴射しつつロッドを回転させ、地盤を切削・撹拌することにより円柱状の改良体を造成します。本工法を支える基盤技術の一つが切削するための特殊噴射装置です。ジェットの流線が拡散しない、エネルギー効率を最大限に高めた特殊噴射装置により、従来工法と比べ自由度の高い施工を可能にしています。

施工法の概要

実証実験結果
橋脚などを支える基礎の耐震補強もジェットクリート工法で可能です。東日本旅客鉄道、東京モノレールの監修の下、鹿島が開発した鋼殻補強コンクリート地盤改良工法では、杭基礎周りの地盤をジェットクリート工法で改良することで、構造物を供用しながら杭基礎の耐震性を向上させることができます。

鋼殻補強コンクリート地盤改良工法の施工場所
(東京モノレール)

営業線直下での地盤改良状況
(東京モノレール)
特長・メリットココがポイント
様々な目的にオーダーメイドの最適仕様で改良
砂質土、粘性土地盤、岩ずりを含む砂礫地盤など、様々な地盤を対象に、改良径(直径0.5m~8.5m)と強度(0.1MN/m2~10MN/m2)をオーダーメイドに設定できます。
改良の自由度が高いため、仮設から本設まで、また地山補強、止水対策、液状化対策、耐震補強など多くの工種を対象に本工法を利用することができます。目的に応じて、最適な仕様で改良できることから、その結果、コストの低減や工期短縮が可能になります。

鹿島グループが保有する高圧噴射撹拌工法のラインアップ
高い密着性
高圧噴射攪拌で改良するので、先行改良体と後行改良体の改良体相互が密着します。既存の構造物とも確実に密着した改良ができます。接合した箇所の品質が高いため、改良した地盤の性能(耐震性や止水性等)が向上します。
構造物との近接施工/極めて狭隘な箇所での施工
施工時の改良に伴い発生する地中変位が小さいことから、既設構造物に近接した箇所でも施工できます。また、小型特殊施工機械を用いることで、非常に狭隘な場所や空頭が制限された場所でも施工可能です。
杭基礎の耐震補強
杭基礎周辺地盤を地盤改良することで、基礎の耐震性を向上させることができます。例えば、鹿島が、東日本旅客鉄道、東京モノレールの監修の下、鹿島が開発した鋼殻補強コンクリート地盤改良工法では、杭基礎上部を鋼殻と補強コンクリートで補強し、地中深部の杭基礎をジェットクリート工法で地盤改良することで、基礎の耐震性向上を図ります。

地盤改良による杭基礎の補強事例(鋼殻補強コンクリート地盤改良工法)
適用実績

海上部T型支柱杭(PC)
耐震補強試験施工
場所:東京都品川区
竣工年:2012年4月
発注者:モノレールエンジニアリング
目的:耐震補強
規模:群杭部耐震補強工事4基
鋼殻製作・設置工240t
地盤改良工 Φ3.5m L=15.8m 32本 5,295m3 補強コンクリート896m3
アラミド補強30m2

君津2高炉改修高炉基礎補強
場所:千葉県君津市
竣工年:2012年4月
発注者:新日本製鐵
目的:耐震補強
規模:地盤改良工 Φ3.5m L=4.0m 204本
コアボーリング152本

岸壁の液状化対策
場所:愛媛県
竣工年:2012年6月
目的:液状化・側方流動対策
規模:施工対象土量8,579m3
地盤改良工 Φ3.0m L=8.0m 17本

名港LPG基地護岸流動化対策
場所:愛知県名古屋市
竣工年:2009年2月
発注者:東邦液化ガス
目的:側方流動対策
規模: 地盤改良工
Φ2.5m L=16.5m 135本
Φ2.5m L= 1.6m 2本
Φ3.0m L=16.5m 10本
Φ3.5m L=16.5m 7本

旧法特定タンク新基準適合化
場所:三重県四日市市
竣工年:2011年1月
発注者:三菱化学
施工目的:液状化対策
規模:地盤改良工 Ф2.5m 54本
造成延長459.6m 総改良材436.3m3
改良型BCH(Bottom Circulation Hole)工法
低空頭・狭隘な場所での場所打ち杭施工が可能な
BCH工法のさらなる改良
都市土木施設のリニューアル工事において場所打ち杭を適用する場合、低空頭または狭隘な箇所での施工が求められますが、場所打ち杭の従来工法には杭の品質や施工性の観点から課題がありました。そこで鹿島では、2004年に低空頭・狭隘箇所で高品質の杭を造成できるBCH工法※1を開発しました。
BH工法などの正循環工法は施工機械が小型ですが、杭の支持性能における信頼性が高くないため、本設構造物基礎杭や厳しい変位制限が要求される仮設支持杭への適用には課題がありました。一方、TBH工法などの逆循環工法は、杭の支持性能における信頼性は高い反面、施工機械が大きいため低空頭・狭隘箇所での施工性に課題がありました。BCH工法は、BH工法と同程度の小型施工機械を使用し、逆循環工法と同等の支持特性を有する杭を造成することができる施工方法です。
現在BCH工法は道路・建築などの各種構造物の基礎杭に適用され、施工実績は1,200本を超えています。今後も都市部の駅改良工事等における低空頭・狭隘箇所での杭施工の需要が高まると想定されるため、さらなる改良を行いました。改良型BCH工法※2は、掘削ビット形状の改良により安定液中の掘削土砂を効率よく回収できます。これによってベースマシンのサイズを維持したまま、特に礫地盤での掘削効率を大幅に向上させました。
※1 BCH工法は(財)鉄道総合技術研究所と共同で開発しました。
※2 改良版BCH工法は(公財)鉄道総合技術研究所、(一財)先端建設技術センター、ケミカルグラウトと共同で開発しました。
特許登録済

BCH工法 ボーリングマシン
- キーワード
- BCH工法、BH工法、TBH工法、場所打ち杭、逆循環工法、リバース工法、超低空頭、狭隘、鉄道施設支持杭、掘削ビット、流体解析
BH工法とBCH工法
BH工法では、掘削ビット先端から安定液を噴出して掘削土砂を孔口まで追い上げ、孔口からサンドポンプにて排出するので、孔内全体に掘削土砂を浮遊させた高比重の安定液が循環します。そのため、孔壁にマッドケーキが形成されやすくなります。
また杭先端にスライムが沈降しやすく、完全なスライム処理が難しい工法です。
一方、BCH工法では、BH工法と同様に掘削ビット先端から安定液を噴出して掘削しますが、掘削ビット直上に配置された揚泥管から掘削直後に掘削土砂を吸い上げ排出するので、孔内のマッドケーキの形成は逆循環工法と同程度に抑えることができます。
また、BCH工法では、揚泥管の吸引口を掘削ビット直上に配置するので、掘削完了後、孔底にて掘削ビットを一定時間回転させることでスライム処理が可能となります。

BH工法とBCH工法の掘削機構の比較概念図
従来型BCH工法と改良型BCH工法
BCH工法のさらなる施工性向上を目指して流体解析を行った結果、従来のBCH工法では、攪拌翼で攪拌混合された掘削土砂が孔壁方向に向かい孔壁沿いに上昇しており、揚泥管吸引口付近では下降流が生じていることが分かりました。
改良型BCH工法では攪拌翼の上段に内向きの補助翼を設置することで揚泥管吸引口付近で上昇流を発生させ効率的に掘削土砂を回収することが可能となりました。補助翼を設置した改良型BCH工法で実物大実験を実施したところ、大幅な掘削効率の向上が確認できました。そこで都内鉄道工事現場※の軌道仮受杭に実適用したところ、従来型BCH工法と比較して時間あたりの礫排出量が5倍以上、また各種土層における掘削速度も大幅に向上したことが確認できました。
※京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間) 連続立体交差事業第2工区工事

改良型BCH工法の掘削ビット

流体解析による安定液の流れの比較(左図:従来型の掘削ビット、右図:改良型の掘削ビット)
特長・メリットココがポイント
高品質な杭の造成
従来型BCH工法、改良型BCH工法
- 掘削土砂の浮遊を防ぐために、掘削ビットの上方1.5m以内に吸引口が位置する揚泥管を配置し、掘削土砂を掘削直後に吸引して孔外へ排出することができます。
- 安定液の品質を良好に保持し孔壁崩壊を防止するために、ビット先端だけでなく孔口からも良質の安定液を供給します。
- 掘削完了後、掘削ビットを一定時間回転させて孔底のスライム処理ができます。また、安定液の良液置換が可能です。
- 施工可能杭径は、Φ0.7m~Φ2.0mです。
改良型BCH工法
- 改良型BCH工法では掘削ビットを改良したことにより、特に礫地盤での削孔効率が大幅に向上しました。

BCH工法概念図
低空頭・狭隘な場所での施工が可能
従来型BCH工法、改良型BCH工法
- 空頭3.0mの低空頭での施工が可能です。
- 平面3.0m×1.6mの狭隘な場所でもボーリングマシンの設置が可能です。
- BHマシンをベースとしており軽量なため、小型クレーンによる揚重、自走による移動が可能です。

BCH専用機械寸法(必要作業空間)
適用実績

京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間)
連続立体交差事業第2工区工事
場所:東京都港区
竣工年:2026年1月
発注者:京浜急行電鉄
規模:Φ700~1,000(軌道仮受け杭)
L=17.0m〜24.6m 54本

東京駅丸の内駅舎保存・復原
場所:東京都千代田区
竣工年:2012年10月
発注者:東日本旅客鉄道
規模:Φ1,100〜2,000(駅舎基礎杭)
L=10m〜30m 56本

旗の台駅改良
場所:東京都品川区
竣工年:2008年10月
発注者:東京急行電鉄
規模:Φ700〜1,200(鉄道高架橋基礎杭他) L=7.5m〜22.5m 205本
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他に実績多数:
鉄道橋脚・橋台基礎杭、既設構造物アンダーピニング支持杭、鉄道高架橋基礎杭、
駅舎基礎杭、鉄道ホーム基礎杭、倒木対策防護壁⽤、耐震補強杭 等
学会論文発表実績
- 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて(その1) ─流体解析による掘削ビットの改良効果の検証─」,土木学会,第78回年次学術講演会,2023年
- 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて(その2) ─縮小模型実験による掘削ビットの改良効果の検証─」,土木学会,第78回年次学術講演会,2023年
- 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて(その3) ─実物大実証実験による掘削ビットの改良効果の検証─」,土木学会,第78回年次学術講演会,2023年
- 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて ─改良型掘削ビットの現場適用事例─」,土木学会,第80回年次学術講演会,2025年
- 「BCH工法における施工管理と改良型BCH工法」,基礎工,Vol.53,No.5,2025年5月
岩盤掘削
「パイプドリル工法」
基礎地盤を乱さず、確実に岩盤・転石を切削
岩盤掘削工法において、全周回転式掘削機を用いた従来技術で施工の場合、ケーシング内に重鎮(チゼル等)を自由落下させ岩盤を破砕するという方法が一般的でした。しかし、止水性を確保する必要がある場合は、チゼルによる破砕では基礎岩盤を痛めるという問題がありました。また、地下水位の高い地盤における水中掘削や、大水深での掘削では、チゼルによる破砕は掘削効率が大きく低下するという課題もありました。そこで、全周回転式掘削機の回転力・押し込み力を確実にパイプドリル掘削機へ伝達し、岩盤に亀裂を与えずに掘削することを可能としたのが、このパイプドリル工法です。
特許登録済

パイプドリル掘削機 土質別刃先形状
- キーワード
- 岩盤掘削、硬岩、大口径、岩盤、全旋回、全周回転式掘削機、切削、先行掘削、置換掘削、置換工、連壁、止水壁、
遮水壁、孔壁、鋼管杭、ケーシング、低空頭、特殊3翼ビット、既設構造物、松杭、支障、場所打ち杭
施工手順、機械構造
本工法は、既存の全周回転式掘削機を用いて行います。パイプドリル掘削機本体は、全周回転式掘削機のファーストチューブと呼ばれる部分に勘合用の凹部を装備し、ケーシングと一体になって回転切削(掘削)を行います。1回の切削(掘削)深さは約400mmで、【パイプドリルによる切削→揚重機によるパイプドリルの回収→ハンマーグラブによる切削土砂の揚土→パイプドリルの再設置】といった作業を繰り返すことによって切削(掘削)を行います。
パイプドリルとファーストチューブとの勘合は、スタビライザを上下する動作と機械的に連動した可動式のピンの格納・張出により行います。掘削時にはスタビライザを下げパイプドリル掘削機のピンを張り出し、ファーストチューブの凹部に挿入し、ケーシングの回転力をこのピンをとおしてパイプドリル掘削機に伝達する構造となっています。

ケーシング回転トルク伝達機構概念図

パイプドリル工法施工サイクル
特長・メリットココがポイント
硬質岩盤の低騒音・低振動掘削が可能
硬質岩盤や水中における岩盤掘削の掘削実績を持ち、常に安定した掘削が可能です。また、施工基面に与える振動が少ないため、基礎地盤を損傷することはありません。
- チゼル破砕に比べ低騒音・低振動での施工が可能
- 岩盤を破砕せず切削するため、基礎地盤を損傷しない

花崗岩掘削面
既設近接構造物に配慮した杭施工
鋼管圧入工法の孔壁保持と、リバース工法の排土法を組み合わせ、パワージャッキ、特殊三翼ビット、門型櫓で構成するシステムを採用することにより、既設構造物に近接した場所打ち杭の施工を可能としました。
- 保護鋼管が孔壁を保持し、既設構造物への影響を防ぐ
- 低空頭下での施工が可能
- 低騒音・低振動での施工が可能

低空投下での施工状況
多種多様な掘削が可能
刃先形状や、ビット種類の変更などにより、多種多様な用途に応じた掘削ができます。また、掘削外径も、全周回転式掘削機の規格に準じたΦ1.0m~Φ3.0mまでの施工が可能です。
- 用途に合わせた刃先形状、ビット種類の選択が可能
- 機構がシンプルで故障が少なくメンテナンスも容易

多様な刃先形状
適用実績

東海道線新橋・浜松町間環状2号線交差部
場所:東京都港区
竣工年:2005年5月
発注者:東日本旅客鉄道
規模:削孔径Φ1,800mm 削孔深度20.7m(最大) 削孔本数4本

倉敷基地プロパン貯槽
場所:岡山県倉敷市
竣工年:2008年12月
発注者:石油天然ガス・金属鉱物資源機構
規模:削孔径Φ2,300mm スーパーRD工法の補助工法として先行掘削

敦賀発電所3,4号機 建設準備工事
場所:福井県敦賀市
竣工年:2011年12月
発注:日本原子力発電
規模:削孔径Φ1,500mm 削孔深度32.5m(最大) 削孔径Φ2,000mm 削孔深度42.0m(最大) 削孔本数589本(パイプドリル9基使用)
伸縮可能な鉄筋かごを用いた
「ストランド場所打ち杭工法」
鉄筋かごの伸縮により、低空頭でも継手のない施工が可能に
都市部での駅舎の増改築工事や既設構造物基礎の耐震補強工事の現場では、狭隘で上部空間の制約を受ける場所で杭工事を行うことが少なくありません。従来の鉄筋継手方式の杭では継手箇所が多くなり、安全性と施工性が低下することから施工法の改善が望まれていました。
この「ストランド場所打ち杭工法」は工場組立、現場伸展方式を採用しています。本工法に用いる鉄筋かごは、縦軸方向の鋼材に通常の鉄筋に代えて可撓性を持つストランド(ワイヤー)を使用し、特殊な金具で帯鉄筋と結合することによって、伸縮が可能になっています。工場で組み立てて縮小した鉄筋かごを現場で伸展することで、上部に空間がない場所においても鉄筋かごの運搬や建て込みが容易となり、生産性が劇的に向上します。
なお、本工法は、東日本旅客鉄道のご指導・ご協力のもと施工しており、鉄道ACT研究会のPR工法に登録されています。
特許登録済

縮小時と伸展時のストランド鉄筋かご
関連情報
- キーワード
- ストランド、鉄筋かご、場所打ち杭、低空頭
ストランド場所打ち杭工法の概要
ストランド場所打ち杭工法は、縦軸方向に可撓性のあるストランドを採用し、ストランドと帯鉄筋である異形鉄筋を90°回転可能な特殊な結合回転金具を用いて結合することで鉄筋かごの伸縮を可能にした工法です。ストランドの可撓性を利用して鉄筋かご全体をねじることで、ストランドが螺旋状に変形し、鉄筋かご全体が縮小可能となります。
鉄筋かごはあらかじめ工場で組み立てて縮小した状態で現場へ搬入し、掘削した孔内へ伸展するだけで鉄筋かご建込みが完了します。このため低空頭条件下でも継手作業が発生せず、短時間で鉄筋かごを建て込むことができます。
縮小時の鉄筋かごの長さは、伸展時と比較して約1/4~1/6程度となります。また、軽量かつ高強度であるストランドの採用により総重量は1/2~2/3程度となることで、運搬及び建込み作業の労力を大きく低減することができます。

結合回転金具

縮小時の鉄筋かご

施工ステップ
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ストランド場所打ち杭伸展の様子(動画:23秒/音なし)
特長・メリットココがポイント
鉄筋かご建て込みの省力化が可能
- 縮小状態での運搬・建て込みが可能となるため、低空頭部・狭隘部においても容易に施工が可能となります。
- 主鉄筋の継手を省略できるため、現場での継手作業がなくなり、作業時間が大幅に短縮できます。

杭長7.9mの鉄筋かごの伸展作業がわずか5分で完了
高い精度で鉄筋かごの製作が可能
- 鉄筋かごの組立ては工場で行うため、高精度で製作することができます。

工場での鉄筋かご製作状況
小型車両で現場搬入が可能
- 鉄筋かごの長さが1/4~1/6まで縮小されるため、小型車両での現場搬入が可能になります。

場内運搬の状況
適用実績

JR渋谷駅改良における工事桁基礎杭
場所:東京都渋谷区
竣工年:2018年10月(ストランド場所打ち杭施工完了)
発注者:東日本旅客鉄道
規模:Φ1,200 L=7,900 2本
学会論文発表実績
- 「ストランドを軸方向鋼材に用いた場所打ち杭における伸縮式鉄筋かごの機構とその特性」,土木学会論文集E2 ,Vol.74,No.3, 2018年9月
- 「ストランドを軸方向鋼材に用いた杭部材の曲げに対する特性と設計法」,土木学会論文集E2,Vol.75,No.2,2019年4月
- 「建設機械施工:渋谷駅改良工事にストランド場所打ち杭工法を採用」,建設機械施工,第834号,2019年8月
- 「伸縮式鉄筋かごを用いた場所打ち杭工法の開発」,土木学会,土木建設技術発表会概要集,2008年11月
- 「ストランド場所打ち杭工法における鉄筋かごの浮上り防止方法」,土木学会,土木建設技術発表会2019,2019年11月





