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改良型BCH(Bottom Circulation Hole)工法

低空頭・狭隘な場所での場所打ち杭施工が可能な
BCH工法のさらなる改良

都市土木施設のリニューアル工事において場所打ち杭を適用する場合、低空頭または狭隘な箇所での施工が求められますが、場所打ち杭の従来工法には杭の品質や施工性の観点から課題がありました。そこで鹿島では、2004年に低空頭・狭隘箇所で高品質の杭を造成できるBCH工法※1を開発しました。

BH工法などの正循環工法は施工機械が小型ですが、杭の支持性能における信頼性が高くないため、本設構造物基礎杭や厳しい変位制限が要求される仮設支持杭への適用には課題がありました。一方、TBH工法などの逆循環工法は、杭の支持性能における信頼性は高い反面、施工機械が大きいため低空頭・狭隘箇所での施工性に課題がありました。BCH工法は、BH工法と同程度の小型施工機械を使用し、逆循環工法と同等の支持特性を有する杭を造成することができる施工方法です。

現在BCH工法は道路・建築などの各種構造物の基礎杭に適用され、施工実績は1,200本を超えています。今後も都市部の駅改良工事等における低空頭・狭隘箇所での杭施工の需要が高まると想定されるため、さらなる改良を行いました。改良型BCH工法※2は、掘削ビット形状の改良により安定液中の掘削土砂を効率よく回収できます。これによってベースマシンのサイズを維持したまま、特に礫地盤での掘削効率を大幅に向上させました。

※1 BCH工法は(財)鉄道総合技術研究所と共同で開発しました。

※2 改良版BCH工法は(公財)鉄道総合技術研究所、(一財)先端建設技術センター、ケミカルグラウトと共同で開発しました。

特許登録済

図版:BCH工法 ボーリングマシン

BCH工法 ボーリングマシン

キーワード
BCH工法、BH工法、TBH工法、場所打ち杭、逆循環工法、リバース工法、超低空頭、狭隘、鉄道施設支持杭、掘削ビット、流体解析
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BH工法とBCH工法

BH工法では、掘削ビット先端から安定液を噴出して掘削土砂を孔口まで追い上げ、孔口からサンドポンプにて排出するので、孔内全体に掘削土砂を浮遊させた高比重の安定液が循環します。そのため、孔壁にマッドケーキが形成されやすくなります。

また杭先端にスライムが沈降しやすく、完全なスライム処理が難しい工法です。

一方、BCH工法では、BH工法と同様に掘削ビット先端から安定液を噴出して掘削しますが、掘削ビット直上に配置された揚泥管から掘削直後に掘削土砂を吸い上げ排出するので、孔内のマッドケーキの形成は逆循環工法と同程度に抑えることができます。

また、BCH工法では、揚泥管の吸引口を掘削ビット直上に配置するので、掘削完了後、孔底にて掘削ビットを一定時間回転させることでスライム処理が可能となります。

図版:BH工法とBCH工法の掘削機構の比較概念図

BH工法とBCH工法の掘削機構の比較概念図

従来型BCH工法と改良型BCH工法

BCH工法のさらなる施工性向上を目指して流体解析を行った結果、従来のBCH工法では、攪拌翼で攪拌混合された掘削土砂が孔壁方向に向かい孔壁沿いに上昇しており、揚泥管吸引口付近では下降流が生じていることが分かりました。

改良型BCH工法では攪拌翼の上段に内向きの補助翼を設置することで揚泥管吸引口付近で上昇流を発生させ効率的に掘削土砂を回収することが可能となりました。補助翼を設置した改良型BCH工法で実物大実験を実施したところ、大幅な掘削効率の向上が確認できました。そこで都内鉄道工事現場の軌道仮受杭に実適用したところ、従来型BCH工法と比較して時間あたりの礫排出量が5倍以上、また各種土層における掘削速度も大幅に向上したことが確認できました。

※京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間) 連続立体交差事業第2工区工事

図版:改良型BCH工法の掘削ビット

改良型BCH工法の掘削ビット

図版:流体解析による安定液の流れの比較

流体解析による安定液の流れの比較(左図:従来型の掘削ビット、右図:改良型の掘削ビット)

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特長・メリットココがポイント

高品質な杭の造成

従来型BCH工法、改良型BCH工法

  • 掘削土砂の浮遊を防ぐために、掘削ビットの上方1.5m以内に吸引口が位置する揚泥管を配置し、掘削土砂を掘削直後に吸引して孔外へ排出することができます。
  • 安定液の品質を良好に保持し孔壁崩壊を防止するために、ビット先端だけでなく孔口からも良質の安定液を供給します。
  • 掘削完了後、掘削ビットを一定時間回転させて孔底のスライム処理ができます。また、安定液の良液置換が可能です。
  • 施工可能杭径は、Φ0.7m~Φ2.0mです。

改良型BCH工法

  • 改良型BCH工法では掘削ビットを改良したことにより、特に礫地盤での削孔効率が大幅に向上しました。

図版:BCH工法概念図

BCH工法概念図

低空頭・狭隘な場所での施工が可能

従来型BCH工法、改良型BCH工法

  • 空頭3.0mの低空頭での施工が可能です。
  • 平面3.0m×1.6mの狭隘な場所でもボーリングマシンの設置が可能です。
  • BHマシンをベースとしており軽量なため、小型クレーンによる揚重、自走による移動が可能です。

図版:BCH専用機械寸法(必要作業空間)

BCH専用機械寸法(必要作業空間)

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適用実績

図版:京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間) 連続立体交差事業第2工区工事

京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間)
連続立体交差事業第2工区工事

場所:東京都港区

竣工年:2026年1月

発注者:京浜急行電鉄

規模:Φ700~1,000(軌道仮受け杭) 
L=17.0m〜24.6m 54本

図版:東京駅丸の内駅舎保存・復原

東京駅丸の内駅舎保存・復原

場所:東京都千代田区

竣工年:2012年10月

発注者:東日本旅客鉄道

規模:Φ1,100〜2,000(駅舎基礎杭) 
L=10m〜30m 56本

図版:旗の台駅改良

旗の台駅改良

場所:東京都品川区

竣工年:2008年10月

発注者:東京急行電鉄

規模:Φ700〜1,200(鉄道高架橋基礎杭他) L=7.5m〜22.5m 205本

図版:都市インフラ

他に実績多数:
鉄道橋脚・橋台基礎杭、既設構造物アンダーピニング支持杭、鉄道高架橋基礎杭、
駅舎基礎杭、鉄道ホーム基礎杭、倒木対策防護壁⽤、耐震補強杭 等

学会論文発表実績

  • 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて(その1) ─流体解析による掘削ビットの改良効果の検証─」,土木学会,第78回年次学術講演会,2023年
  • 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて(その2) ─縮小模型実験による掘削ビットの改良効果の検証─」,土木学会,第78回年次学術講演会,2023年
  • 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて(その3) ─実物大実証実験による掘削ビットの改良効果の検証─」,土木学会,第78回年次学術講演会,2023年
  • 「低空頭対応場所打ち杭BCH工法改良に向けた新たな取り組みについて ─改良型掘削ビットの現場適用事例─」,土木学会,第80回年次学術講演会,2025年
  • 「BCH工法における施工管理と改良型BCH工法」,基礎工,Vol.53,No.5,2025年5月

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