安価で締固め不要な高流動コンクリート
「LACsコンクリート®」
一般的な施工条件のコンクリート施工の生産性向上に貢献
土木工事では、一般にスランプ12㎝の普通コンクリートが使用され、打込みの際には多くの技能者による入念な締固め作業が必要です。一方、近年、技能者不足が問題となっており、省力化および省人化による生産性向上が求められています。その解決策の一つとして、締固め作業が不要な既存の高流動コンクリートの導入が挙げられますが、コストが高いことが課題でした。
そこで、鹿島はスランプ15~21cmのコンクリートを現場で流動化させることでコスト増を抑えた、締固め作業が不要な高流動コンクリート「LACsコンクリート(ラックスコンクリート)」※を開発しました。これにより過度にコストを上げることなく、コンクリート構造物の品質確保および現場の生産性向上に貢献します。
※LACsコンクリート:Low Action Casting / Low Actual Cost / Limited Abandoned Compaction / Lead Abbreviation Casting / 楽(らく)コンクリート
2025年日本コンクリート工学会 技術賞
2022年度第44回コンクリート工学講演会 年次論文奨励賞
特許登録済

普通コンクリートとLACsコンクリートの打設状況の比較
- キーワード
- 高流動コンクリート、粉末流動化剤、締固め不要、生産性向上
LACsコンクリートの概要
「LACsコンクリート」は、スランプ15~21cmのベースとなるコンクリートに、鹿島が混和剤メーカーであるフローリックの協力のもと、新たに開発した粉末状の流動化剤を現場で添加して、スランプフロー500~600mmに、コンクリートの流動性を高めたものです。また、ベースとなるコンクリートの細骨材量および細骨材中の微粒分量を増量することで、普通コンクリートと同程度の単位セメント量300~350kg/m3程度でも、材料分離抵抗性を確保しました。細骨材はセメントよりも安価のため、材料単価の大幅な上昇を抑えることが可能です。コンクリートの流動性を高めて締固め作業を不要とすることによって、打設時間と作業人数を大幅に削減しつつ、トータルコストの増加を抑制しました。

普通コンクリートとLACsコンクリートの配合例の比較

LACsコンクリートの流動化工程
特長・メリットココがポイント
打込み作業の省人化
普通コンクリートで施工した場合と比べ、技能者を最大約80%削減できます。
普通コンクリートを用いた場合、各技能者数を合計すると9人が必要であったのに対し、「LACsコンクリート」を用いることで、締固め作業が不要となるため、打込み中における必要な技能者数を合計2人にまで減らせます。

技能者数の比較
高速圧送・大量打設が可能
締固め作業が不要であるため、普通コンクリートで施工した場合と比べ、打設時間を約60%短縮できることを確認しています(130m3程度の打設の場合)。LACsコンクリートを用いることで、1日当たりの打設量を増やすことも可能です。

作業時間の比較
適用実績

鳥野目浄水場更新土木建築工事
場所:栃木県那須塩原市
工期:2023年9月~2027年3月
発注者:栃木県那須塩原市
適用規模:沈澱池壁 約600m3

成瀬ダム堤体打設工事(第2期)
場所:秋田県東成瀬村
工期:2023年6月~2026年12月
発注者:国土交通省東北地方整備局
適用規模:保護コンクリートジョイント部
約500m3

公田笠間トンネル工事
場所:神奈川県横浜市
工期:2016年4月~2028年10月
発注者:東日本高速道路関東支社
適用規模:土砂ピット底版 約540m3
学会論文発表実績
- 「後添加製造の締固め不要コンクリートの実適用による品質確保と生産性向上効果」,コンクリート工学,テク二カルレポート,Vol.62,No.11,2024年11月
- 「生産性向上に資する締固め不要コンクリートの実構造物への適用」,コンクリート工学年次論文集,Vol.46,No.1,2024年7月
- 「締固め不要コンクリートの自己充塡性に及ぼす骨材特性の影響」,土木学会論文集,Vol.80,No.3,2024年2月
- 「汎用締固め不要コンクリートにおける新規の粉末分散剤と新たな充塡性評価手法に関する検討」,コンクリート工学年次論文集,Vol.44,No.1,2022年7月
- 「生産性向上に資する締固め不要コンクリートの配合設計手法に関する検討」,コンクリート工学年次論文集,Vol.42,No.1,2020年7月