支柱横ぶれ抑制ダンパー
地震時の横ぶれ防止材の調整を自動化する安全装置
鉄道工事等で既存構造物を仮受けするアンダーピニング工法では、供用中の既存施設の使用性と耐震性を確保するために仮受け支柱に大きな剛性が必要となります。支柱の仕様低減のために、仮受け構造と土留め壁の間に「横ぶれ防止材」を設置することがありますが、この「横ぶれ防止材」は施工中には土留め壁からの反力を伝達せず、地震時には抵抗させるという相反する機能が求められ、従来は手動による調整作業を行っていました。
そこで鹿島は、汎用の山留用油圧ジャッキにチェック弁ユニットを外付けすることで、横ぶれ防止材の調整を自動化する「支柱横ぶれ抑制ダンパー」を開発しました。
本機構は、アンダーピニングだけでなく、変位制限が厳しく要求される重要構造物を支持する様々な支柱に活用することができます。
特許登録済

支柱横ぶれ抑制ダンパーの模式図(アンダーピニング支柱の場合)
- キーワード
- アンダーピニング、仮受け、変位抑制
支柱横ぶれ抑制ダンパーの概要
横ぶれ防止材に求められる機能は、
①常時:土留め壁からの反力を既設構造物に伝達しない
②地震時:地震時には土留め壁と既設構造物との間で突っ張って(反力を伝達して)既設構造物の変位を制御する
であり、従来は土留め壁と既設構造物との間にゴム緩衝材を取り付けた油圧ジャッキを配置し、油圧ジャッキの調整を日々行いながら管理を行っていました。
支柱横ぶれ抑制ダンパーは、油圧ジャッキにスプリングとスチールボールによるチェック弁機能を有した外付けのユニットを取り付けることで、油圧ジャッキに流出入する油量を制御し横ぶれ防止材の機能調整を自動化することができます。
本装置は、東急日吉駅と相鉄・東急直通線接続工事で採用し、所定の機能を有することを確認しました。

支柱横ぶれ抑制ダンパー写真

支柱横ぶれ抑制ダンパー概要図
特長・メリットココがポイント
横ぶれ防止材の調整を自動化
- 従来は手動で行っていた調整作業の手間が不要になっただけでなく、ヒューマンエラーの防止につながります。
既設構造物への影響低減
- 施工中は土留め壁変位による反力を既設構造物へ伝達しません。
- 地震時は油圧を止めてジャッキを突っ張り、横ぶれ防止機能が働き、既設構造物の地震による変位を低減します。
高所での点検作業低減による安全性向上
- 外付けユニットを仮設足場上に設置することで、足場上での定期点検が可能になります。(従来は油圧ジャッキ上での調整作業)

外付けユニットを仮設足場上に設置
適用実績

東急日吉駅と相鉄・東急直通線接続工事
場所:神奈川県横浜市
竣工年:2020年11月
発注者:東急電鉄
規模:72箇所
学会論文発表実績
- 「調整不要な支柱横ぶれ防止機構の開発 ~チェック弁を外付けした汎用油圧ジャッキの性能確認試験~」,土木学会,第75回年次学術講演会,2020年7月
- 「連続した鉄道高架橋のアンダーピニング工事の計画と施工実績(その4) ~外付けチェック弁を用いた横ぶれ防止材の計画および実績~」,土木学会,第75回年次学術講演会,2020年7月