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国宝・姫路城「平成の保存修理工事」~次の世代へつなぐ~

3月27日,半世紀に一度の「平成の保存修理工事」を終え,化粧直しをした姫路城がお披露目となった。
別名「白鷺城」の如く,白亜に輝く華麗な姿に甦った姫路城の完成を関係者はじめ,多くの人々が祝した。
これまで記録してきた写真から,5年半にわたる保存修理工事を振り返る。

写真:白鷺が羽を広げるように美しい姿の大天守が甦った

白鷺が羽を広げるように美しい姿の大天守が甦った

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築城から400年以上の歳月を重ね,日本で初めて世界文化遺産に登録された国宝・姫路城。その貴重な史跡を後世に残すために,1956年には初めて大天守の全面解体と再築が行われ,当社は風雨から城を護る素屋根(すやね)工事を担当した。それから45年が経過し,漆喰壁や上層部の軒,庇に傷みや汚れが目立ってきたことから「平成の保存修理工事」が計画された。

当社は,「昭和の大修理」につづき,2009年から平成の素屋根工事に着手。昭和の素屋根が丸太造りだったのに対し,平成では三次元データで図面を作成するなど最新技術を駆使し,鉄骨で築かれた。素屋根の内部には,作業用の足場や床がつくられ,保存修理工事では,全国各地から約1万4,300名の職人が集結。大天守の屋根瓦などの全面葺替えや外部大壁の補修,軒裏や破風(はふ)※1,懸魚(げぎょ)※2,建具などの塗直しが行われ,平成の世に美しい白鷺の姿がふたたび現れた。

2011年3月から2014年1月の期間中には,この機会しか見ることができない素屋根を利用した大天守修理見学公開施設「天空の白鷺」をオープンし,訪れた来館者は約184万名に上った。そして,素屋根は役目を終えると,完成した大天守を一切傷つけることなく慎重に解体されたのである。

グランドオープンを控えた2015年3月26日,完成記念式典が現地で行われ,会場は祝福の雰囲気に包まれた。これからも市民や多くの人々に愛される姫路城は,まちを見守りつづけていく。

※1 屋根にある三角形などの造形のことで,城郭や寺院建築などで発展した
※2 屋根の妻に取り付ける飾り板のひとつで,水に縁のある魚形をしたもの

姫路城略年表

1346年

赤松貞範が姫山に築城

1581年

羽柴秀吉が三重の天守を築く

1609年

池田輝政による大改築で五重の大天守が完成

1951年

天守ほか7棟が国宝に指定

1964年

昭和の大修理工事完了

1993年

日本初の世界文化遺産に登録

2009年

国宝姫路城大天守保存修理工事着工

2015年

完成

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