保存修理工事のメインとなったのが,瓦工事。
			城郭を護るだけでなく,鬼瓦や鯱瓦(しゃちがわら)は装飾品としての価値も高い。
			平成の保存修理では,7万5,000枚の瓦に番付けしてから外し,反りや歪み,割れなどを確認した。
			その後,清掃・選別が行われ,奈良や姫路の瓦専門工場で不足・不良分の瓦1万6,000枚が新たに製作された。

鬼瓦や丸瓦,滴水瓦(てきすいがわら)などには,築城した城主池田家の揚羽蝶(あげはちょう)の家紋や官位を表す桐紋など様々なものがみられる

職人の腕が光った鬼瓦作り。不良・不足分は,旧鬼瓦の製作工程と同種工法,同型で新たに製作された

瓦は,焼く前に適度な温度と湿度の環境のなかで,徐々に乾燥・収縮させる

大天守の最上部に設置された鯱瓦は,全部で4尾が製作され,出来上がりのよい2尾が採用された。型と寸法は,それぞれ貞享の鯱,昭和の鯱に倣った

屋根瓦の葺替え作業で使用された銅製の釘は,一本ずつ丁寧に作り上げられた

旧来の瓦下地の上に桟を敷き,瓦をすべて葺き直した







