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concept

九勧承天寺通りビル

歴史の街に相応しい
新しい和のデザイン

図版:外観正面ファサード

外観正面ファサード(承天寺通り側)

九勧承天寺通りビルは,地域に根差した不動産サービスを展開する九州勧業が,2020年に開業した延床2万m2超のハイグレードオフィスビル。福岡市が規制緩和により都心の老朽化したビルの更新を進める中,不足するオフィス需要に応えるため計画がスタートした。敷地は博多駅前の大通りから1本奥に入った「承天寺通り」沿い。駅前のビジネス街にもかかわらず,歴史ある寺社が多く残る「博多旧市街」エリアの入口に位置し,静かで落ち着いた雰囲気に包まれている。

オフィスビルに求められる先進性や上質感を確実に表現しながらも,博多旧市街の歴史ある街並みとの調和に配慮した建築が求められた。現代的な佇まいの中にも,さりげなく和の要素が感じられる建築を志向し,コンセプトを「新しい和のデザイン」とした。

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高層部の外装は,メタルとガラスという極めて現代的な材料で構成しつつ,枡格子をモチーフとした細い見付けのフレームデザインとすることで和の要素を取り込んだ。通行者の目に直接触れる低層部店舗の外装には,木調パネルや濃色の花崗岩など,博多旧市街を感じさせる色調を採用している。また,天井高さ10mのピロティや,敷地内に確保した歩道は,界隈に新たな憩いの場を提供している。今回のプロジェクトが福岡市都心部の良質なオフィスストックの供給に貢献し,地域が憩いとにぎわいのある街へ変わりゆくことを切に願っている。
(大森正俊・加茂川豊記)

図版:ピロティ: オフィスワーカーや観光客など様々な人が行き交う承天寺通りに憩いの場を提供する

ピロティ: オフィスワーカーや観光客など様々な人が行き交う承天寺通りに憩いの場を提供する

図版:エントランスホール: スリット照明の柔らかな光が来訪者を迎える

エントランスホール: スリット照明の柔らかな光が来訪者を迎える

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図版:北東側外観

北東側外観

図版:ピロティ(夜景)

ピロティ(夜景)

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九勧承天寺通りビル
(福岡市博多区)

  • 発注者: 九州勧業
  • 設計: 当社九州支店建築設計部
  • 用途: 事務所
  • 規模: S造一部RC・SRC造(制震構造) 
    B2,13F 延べ20,549m2
  • 工期: 2018年9月~2020年4月

(九州支店施工)

写真

大森正俊
(おおもり・まさとし)

九州支店建築設計部
設計長

主な作品:
  • グラスキューブ品川
  • 霧島酒造リサイクルプラント
  • クレインハーバー長崎ビル
  • JR熊本白川ビル

写真

加茂川豊記
(かもがわ・とよふみ)

九州支店建築設計部
設計主査

主な作品:
  • クレインハーバー長崎ビル
  • I-PEXキャンパス本館

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