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Chapter 2: SDGsと日本企業

日本企業への追い風

日本企業は,具体的にどう取り組めば良いのだろうか。17のゴールに目を通してみよう。違和感なく受け入れられる方が多いのではないだろうか。短期的な投資や金銭的な価値のみを重視する考え方ではなく,日本が受け継いできた精神や価値観との親和性が高いといわれている。「売り手によし,買い手によし,世間によし」という近江商人の「三方よし」の考えに近いと話す専門家もいる。

こうしたなか,日本政府や経済界も積極的に対応している。内閣総理大臣を本部長とした全閣僚を構成員とする「SDGs推進本部」を設置。国を挙げて目標達成に向けた取組みを後押しする。また,日本経済団体連合会は「企業行動憲章」を改訂し,SDGsへの貢献を表明するとともに,企業のSDGsへの取組みを支持している。昨年12月には,さらなる推進に向けて,同本部からSociety(ソサイエティ) 5.0の推進,地方創生・強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり,次世代・女性のエンパワーメントなどを骨子とする「SDGsアクションプラン2019」が発表された。

企業として注目したいのは,ボランティアや寄附といった社会貢献活動ではなく,得意分野の事業を通じて社会・環境課題を解決することが求められていることだ。また,ESG(環境・社会・ガバナンス)とも共通する要素が多い。機関投資家は,長期的な投資価値向上の観点から,ESGを踏まえて企業評価を行うことが一般的になっており,その評価軸の一つがSDGsへの取組みとなる。SDGsの関連産業は1,200兆円ともいわれている。

SDGsへの取組みは,新たなグローバル・スタンダードへの対応が迫られているのではなく,日本企業にとって追い風が吹いていると考えるべきだ。

Society 5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)。狩猟社会(Society 1.0),農耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報社会(Society 4.0)に続く,新たな社会を指すもので,第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。

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SDGs 17の目標

図版:SDGs 17の目標

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