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特集 KAJIMAとアジアンリゾートの風

ラッフルズ・バリ/ヴィラエリア

当社が推進する海外リゾート開発は,現地の風土や特色を織り込みながら,
その地でまだ誰も体験したことのないようなハイクラスの極上空間をつくりだしている。
今月は夏休み企画として,時世が落ちついたら真っ先に訪ねてみたい,
アジアエリアで進行中のリゾートプロジェクトの最新情報を紹介する。
インドネシア・バリ島,タイ・プーケット島,ベトナム・フーイエンからの美しい写真とともに,
パートナーと連携し,尽力を重ねてきた関係者の声から,当地の風を感じてほしい。

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アジアの成熟とともに

代表取締役副社長執行役員 海外事業本部長

越島啓介 Keisuke Koshijima

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鹿島が海外でリゾート開発を手がけたのは日本のバブルが弾けた1990年代初頭である。実は「手がけた」というのは正確ではない。我々は手がけるに足る準備も覚悟もなかったのである。

日本のバブル期であった1980年代末は国内外を問わずリゾート開発ブームであったが,その多くがバブル崩壊で頓挫した。当社では,開発ノウハウを期待していたローカルJVパートナーの撤退,工事を請け負っていたリゾート案件のデベロッパーの倒産,ローカルパートナーに依存した土地買収の挫折……などという不慮の事態に見舞われ,図らずも自身が主体的に事業を推進する立場になってしまったのである。

経緯はどうあれ,こうなったからには鹿島の名に恥じないリゾート開発をすることとなった。

リゾートの土地はリゾートになるまでは流動性のない山林か荒地であり,開発して初めて価値が出る。最高の価値を生み出すにはどうしたらよいか?

その答えを出したのが故鹿島昭一最高相談役であった。アマンリゾーツの創始者であるエイドリアン・ゼッカ氏と親交があり,アマンの原型となったバリ島の別荘地バトゥジンバにご自身の別荘があった。若い頃から世界中のリゾートを建築家として見てきた末に辿り着いたのがサヌールの海を臨んでバリスタイルの建築がゆったりと配置されたバトゥジンバだった。

1990年代中頃から開発したハワイ島のリゾートでは,当時流行りの「デスティネーション・リゾート」の定石であった巨大ホテルを中心とする計画を否定,「オールド・ハワイアン」をテーマに,ハワイの伝統様式を取り入れた低密度・分散型ヴィラタイプのリゾートとした。このプロジェクトは後に「フアラライ」と名付けられ,高級リゾートとして米国最高位にランクされ続けることになる。

2010年代になり,成熟したアジア市場で満を持して取り組んだのが,本号で紹介する開発中のリゾートである。これらはアジアン・リゾートの今日的な解釈であり,ライフスタイルの提案であると言えよう。

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