サンスター
コミュニケーションパーク
オフィスらしくないオフィス
Home for Sunstar Family
さまざまなモードで働くことができる「コミュニケーションアトリウム」
photo: エスエス大阪支店
「コミュニケーションパーク」。施主から命名された,このプロジェクトの名称がまさにコンセプトである。しかしながら,施主より示された,という経緯を踏まえれば,この言葉はコンセプトというより「命題」と言い換えるべきであろう。なぜ「オフィス」ではないのか,「コミュニケーション」とは何か,「パーク」とは何か,なぜ「コミュニケーション」と「パーク」がひとつながりの言葉になっているのか。
- ・社内外との交流・共創を生む場所の創造
- ・健康な日常を通じた新しい価値の創造
- ・独自の生活が醸成される文化の創造
4年におよぶ施主と設計チームの打合せのなかでたどり着いたコンセプトが「オフィスらしくないオフィス」であった。グローバル本社をスイスに構え,シンガポール,日本,アメリカの4拠点を中心に事業展開を行う企業の「心のふるさと」。すなわち,さまざまな国籍の社員を含む皆にとっての「Home for Sunstar Family」としての建物の佇まい。同時に,コミュニケーションとウェルネスを土台にイノベーションを生み出す先進性。
結果として,このページで紹介するような,中心に吹抜けをもち,それを旋回するようにオフィス空間がつながっていく建物が完成した。はたして「命題」にこたえることができたのであろうか。よりよい空間に向けて,思索は今なお続いている。
(中江 哲・小林啓明)

誰もが利用できる
公園のような芝生広場
photo: エスエス大阪支店

テラコッタ調ルーバー。東西で塗り分けることで,
動きに合わせて表情が変化する
photo: エスエス大阪支店

地域の人も気軽に利用できる健康食レストラン(社員食堂)
photo: エスエス大阪支店

阪急京都線沿いに正対した南東の構え。芝生広場や緑溢れるウォーキングコースなど公園のように地域にひらかれた
「コミュニケーションパーク」
photo: エスエス大阪支店
多彩なメンバーによる設計チーム
設計は,小林・槇デザインワークショップ,Arup,当社の3社が協働し,当社がマスタープラン作成および建築の実施設計,小林・槇デザインワークショップが建築の基本設計,Arupが構造・設備の基本・実施設計を行った。また,当社グループ会社であるイリア,ランドスケープデザインも参画した。これらの多彩な設計チームをコーディネートするのも当社関西支店建築設計部の重要な職能である。
「第34回日経ニューオフィス賞 ニューオフィス推進賞」,「2021年度グッドデザイン賞」受賞。

吹抜けを中心に広がるオフィス空間を表現した模型
サンスターコミュニケーションパーク
(大阪府高槻市)
大阪府高槻市にサンスターグループの新たな拠点となるオフィスビルを新設。働く社員同士だけでなく,他企業や専門家,消費者や地域の方々とのさまざまなコミュニケーションを通じて,新たな商品やサービスを生み出す場をつくることを目的としている。
- 発注者: サンスター
-
設計:
小林・槇デザインワークショップ,
Arup,当社関西支店建築設計部 - 用途: 事務所
- 規模: S造 3F 延べ7,078m2
- 工期: 2019年11月~2020年11月
(関西支店施工)
中江 哲
(なかえ・てつ)
関西支店建築設計部
アソシエイト
- 主な作品:
-
- 東京大学アントレプレナープラザ
- 神奈川工科大学情報学部棟
- 西武学園文庫幼稚園
- 立命館中学校・高等学校
- デサント大阪オフィス
小林啓明
(こばやし・ひろあき)
関西支店建築設計部
設計主査
- 主な作品:
-
- よみうりランド
日テレらんらんホール - 弘前市運動公園野球場
(はるか夢球場)増築 - 住友電気工業 伊丹研究新館
CRystal Lab.
- よみうりランド