ホーム > KAJIMAダイジェスト > February 2022:特集 自治体×鹿島グループ > 鹿島グループが支援するBCPを意識した公共施設の包括施設管理

鹿島グループが支援するBCPを意識した公共施設の包括施設管理

建物総合管理会社の鹿島建物総合管理と,リスクマネジメント会社のイー・アール・エスは,
それぞれ保有する独自技術を連携させ,実際に自治体に導入・運用している。
自然災害がもたらす建物へのリスクを把握するソリューションを紹介する。

図版:鹿島建物総合管理 金澤副部長(左)とイー・アール・エス 加藤副部長(右)

鹿島建物総合管理 金澤副部長(左)とイー・アール・エス 加藤副部長(右)

全国に2,800棟以上の管理実績をもつ鹿島建物総合管理が近年注力する事業領域が,官民連携の手法のひとつである「公共施設包括施設管理」だ。庁舎や学校など用途も築年数も異なる公共施設の維持管理業務を一本化し,情報を集約することで,公共施設全体の状況を横断的に把握する手法で,施設の維持管理品質の向上・均一化や自治体の庁内業務の効率化,的確な修繕計画の立案,災害時の迅速対応体制の構築につなげることができる。

「中でも災害時の迅速対応体制の構築支援は,建設周辺分野で多くの実績を重ね,また自社のBCP強化に取り組んできた鹿島グループならではの強みです」と鹿島建物総合管理営業本部官民連携推進部の金澤努副部長は話す。

実際の包括施設管理に強みが活かされた例のひとつが,鹿島建物総合管理が開発した災害情報を建物管理担当者にメールで自動配信する「Nadiss®」と,イー・アール・エスが開発した地震による建物の推定被害値を短時間で自動配信する「ERS災害アラートQ」の連携だ。

公共施設が災害時に地域の避難所としての役割を担うためには,まず施設が安全であることが大前提。そのため,災害による被害状況の把握・安全対策をいちはやく講じる必要がある。システムの連携により,実際に地震が発生した際,ERS災害アラートQで解析した施設の推定被害データがNadissの掲示板に共有され,対象施設にどの程度の被害が生じているかが分かるようになった。「物件単位での被害想定の把握は現地確認の優先度判断を可能とし,より的確かつ効率的な初動対応が期待できます」とイー・アール・エス経営企画部の加藤了英副部長はシステム連携の効果を語る。今後,自治体とともにシステムを活用したBCP訓練を行うことも検討している。

イー・アール・エスは,昨今被害の激甚化が進んできている水害に対しても同様に情報を配信する「ERS災害アラートF」を開発。鹿島建物総合管理が包括施設管理を担う自治体に試験導入している。「こちらもNadissとの連携を視野に入れています。グループ連携により自治体の皆さまに提供できる付加価値を,今後も高めていきたいと思います」と加藤副部長は語る。

「包括施設管理は,公共施設マネジメントの入り口です。私たちが適切な施設管理のきっかけをつくり,地域や地元企業の皆さまと協力することで効果を発揮します。地域の皆さまとともに安心できるまちをつくっていきたいです」(金澤副部長)。

包括施設管理における防災対応力の向上を図る

Nadiss®×ERS災害アラートQ

災害発生時の運用イメージ

災害発生時の運用イメージ

ContentsFebruary 2022

ホーム > KAJIMAダイジェスト > February 2022:特集 自治体×鹿島グループ > 鹿島グループが支援するBCPを意識した公共施設の包括施設管理

ページの先頭へ