鹿島グループは,グループ各社との連携を強化し,バリューチェーンの拡充による
顧客価値の最大化と,新たな価値創出を目指していく。
銀座6丁目-SQUARE 7〜10階
鹿島グループ4社を集約移転
当社は,鹿島グループ連携推進策の一環として,グループ会社4社を当社が出資する銀座6丁目-SQUARE(東京都中央区)へ集約移転した。
建物の維持・管理,コンサルティング,マネジメントなどを行う「鹿島建物総合管理」,建築設備工事,建築・設備リニューアル工事などを担う「クリマテック」,不動産に関わる広範なリスクマネジメントサービスなどを中核事業とする「イー・アール・エス」,土木・建築関連図書の出版,グループ会社の制作物などを手掛ける「鹿島出版会」の4社が移転し,5月から運用を開始している。
グループ事業推進部 企画グループ
グループ長
菅原良和
中期経営計画の主要施策の一つである中核事業のバリューチェーン拡充に向けて,グループ事業推進部では各グループ会社の連携強化に取り組んでいます。グループ会社各社が同一ビルに入居し,各社の接触機会を増やすことを通じて連携を誘発させるべく,今回のグループ4社集約移転を企図しました。特に,鹿島建物総合管理とクリマテックにおいて,リニューアル案件などでの連携を期待しています。
この移転プロジェクトそのものもグループ連携の実践によって実現しています。当社開発事業本部プロジェクト開発部・資産運用部や東京建築支店リニューアル部に加え,共用部全体の設計・マネジメントをイリア,共用部の緑化スペースの計画や施工をかたばみ興業,同緑化スペースの音響整備をOPSODIS Limited※,一部の設備調達などを鹿島リースが担当しました。
緑化スペースは,軽井沢にある「鹿島ノ森」をイメージした林内環境を再現しています。また同緑化スペース内では,苗を育て,鹿島グループの保有林へ植樹し,製材したうえでオフィスに戻す仕組みをかたばみ興業と試行しています。昨今,Well-Beingの観点から世の中の関心が高まっている「緑」について,当社KIビル(東京都港区)アトリウムに代表されるように,時代に先駆けて室内植栽空間を展開してきました。今回はグループ会社の技術とサービスを活用した植栽空間の構築を試行しています。
今後は当ビルに入居した4社以外のグループ会社社員や当社社員にも広く活用していただき,鹿島グループとして繋がり,交わる拠点として活用していきたいと考えています。
※OPSODIS®(オプソーディス)は,当社技術研究所とイギリスのサウサンプトン大学・音響振動研究所が共同開発した音響技術。Optimal Source Distribution(最適音源配置)から命名された
- グループ会社の技術とサービスを活用した植栽空間の構築について(PDF: 2.6MB)
鹿島グループの特長を活かし,
連携して運用する共用スペース
7階南側に位置する4社合同の受付スペースには,各社の展示物が展示された来訪者待合スペースと「鹿島ノ森」(長野県北佐久郡軽井沢町)をイメージした緑化スペースを設け,来訪者にリラックスした空間を提供する。緑化スペースには,生木植栽に加え空調,照明,香り,音響装置を使った演出で,室内にいながらも屋外同様の空間を実現。計画から維持・管理まで鹿島グループが行っている。
そのほか22室の会議室(うち16室はWEB会議にも対応)や応接室,館内物流拠点,フリースペースなども7階に設置。4社で共用し,それらの運営を鹿島建物総合管理が一括して行う。サービススタッフを配置したBPOカウンターの設置により,物流サービスを一ヵ所に集約し,会議室は各社イントラから予約する。フリースペースには無人販売コーナーを設置し,飲料や菓子類,軽食などが購入可能(キャッシュレス決済のみ)となるほか,各社発注の昼食やクリーニングの受取り・受渡しなども代行することで,オフィスの利便性もサポートする。
執務スペースは独立しているが,交流が可能となる共用スペースの導入・運営により,鹿島グループの相互連携強化が生み出すグループ事業の拡充などに期待が寄せられる。
4社移転プロジェクトメンバーによる集約移転への思い
移転を機にフリーアドレスの導入など,新しい働き方に対応したオフィス環境を構築しました。今後も,共用部における共用サービスなどを通して社内・グループ会社間の交流がより活性化するよう,引続き運用を改善するとともに,当社の空間運営事業の商品化に繋げ,将来的には4社以外のグループ会社への利用拡大も検討していきたいです。(鹿島建物総合管理 事務本部 総務部・マネジメントサービス本部 広域FMサービス部)
旧本社ではスペース確保が課題でしたが,移転後,会議室が共用スペースに集約されたことで,ゆったりとした執務空間が生まれ,オフィス環境が大きく向上しました。各社の交流活性化にも期待しています。(クリマテック 管理本部)
これまで多数のグループ会社と協業してきましたが,物理的な距離は少なからず障壁に感じていました。移転後は,上下階移動で会える環境となり,共用スペースも最大限活用した,新たなコラボレーションに繋げていきたいです。(イー・アール・エス 経営企画部)
移転により,2フロアに分散していた部署を1フロアに集約できたことで,見通しや風通しが良くなりました。また,総合受付横に当社の書籍を展示しているため,多くの方々に知ってもらえることも期待しています。(鹿島出版会 管理部)